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コーチングのすすめforマネージャー#3 「若年層の離職率を下げる」


皆さんこんにちは!
コーチの袖川です。

今日のコーチングのすすめは「若年層の離職率を下げる」についてです。
厚生労働省の労働経済白書によると、コロナの影響で2022年は転職者数が3年ぶりの増加となったそうです。
後述しますが、いわゆる若年層といわれる20代が企業から早々に辞めていってしまう悩みもよく聞かれます。

「若手社員の離職を防ぐためにはどうすれば良いのか」
「若手社員との世代間ギャップに苦しんでいる」

こういった悩みにはどのようにアプローチをすれば良いのでしょうか?

若年層を取り巻く環境

転職の選択肢が身近になった

マイナビの調査によると、大卒の3年未満の離職は3割以上とも言われており、社会人一年目の転職意向は7割以上とも言われています。

僕は実はコーチとして独立する前は転職エージェントをしていたのですが、コロナ禍を境に転職する方が増えたと感じています。
実際に2021年から正社員の転職は増加傾向にあり、特にコロナは世界的にもリモートワークを推し進めるきっかけにもなり、結果的に1人で過ごし、将来について考える時間が増えたことが要因にもなりました。今まで以上に転職が身近な存在になったことで、選択肢として転職が上がりやすくなったのが若年層の離職の理由の一つだと思います。

総務省の統計局による調査でも、コロナ前とコロナ後では10代~20代は一人で過ごす時間が1時間以上増えていることが分かっています。

最初から辞めたいと思っているわけではない

離職の理由は様々ありますが、一つ前提としては若年層の多くは最初から入社した会社をすぐ辞める気はないということです。

引き続きマイナビの調査からの引用ですが、例えば新卒で入社する会社に何年つとめたいか?と言う質問に対して最も少ない回答が1〜3年であり、それより長くかまだ分からないと答えた層が1番多かったのです。

また、ファーストキャリアで人生の何割が決まるか、という問いに対しても6割が約30%、8割が34%と6割以上を合算すると約8割にもなります。
そして、新卒で入社をした会社で何年働きたいか大学生に聞いてみると、最も少ないのが1〜3年くらいで、それ以外はより長く働きたいと考えているようです。

つまり、入社してから何かギャップを感じて転職を考えるケースが多いとも言えます。一方で早期離職を経験した人の約3割は、転職を後悔しているというデータもあり、そこには転職活動が大変であったことや、会社選びに苦労したり、スキル不足や条件面での後悔などが挙げられています。

本人の考えを尊重する姿勢で聞く

上記で述べた通り、何かしらのミスマッチを感じて転職を考える、上長や周りに深く相談せずに転職をし、転職先でまた苦労をするケースがあるようです。
僕としては、本人との対話を元に冷静に転職と会社に残ること双方のメリットとデメリットを伝えることが大事と思います。
そして、ここで特に大事なのが、本人の話をまず聞いてあげることです。

企業としてはどうしても辞めてもらいたくないので、「残ってもらえる」方向にコミュニケーションをコントロールしがちなのですが、そうすると本人の話を引き出してあげることはできません。
なぜ転職しようと思ったのか、どこにギャップを感じているのか…そういった話はまず横やり入れずに聞くことが大事なのです。

「入社して1年で辞める?そんなことあっていいわけあるか!」
「今転職してもどこでも通用しないぞ?」
「自分が若いころはもっと大変だったんだぞ」

こういったメッセージを伝えてしまっているのをよく聞きますが、あえて言えば若年層には全くもって効果はありません。
なぜなら、その言葉を受け入れられるだけの信頼関係が二人の仲にないからです。また、そのメッセージが届くくらいなら転職を考えていません。

自分の中の常識や考え、意見を一旦捨て去り、相手の意見や話を聞き切ることに意識の全てを向けて会話をしてみてください。
「いや」とか「それは違う」といった反応も当然はしてはいけません。まずは聞くのです。

人は話を聞いてくれる人には「受け入れてくれている」感覚を持ちます。
そういった安心感はこれまで話せていなかった本心の部分も打ち明ける手助けをしてくれるでしょう。

そして、話を聞きいた上で、相手が求めている情報を伝えれば良いのです。
「うちならこんな経験を積める」とか「そこは確かに悪影響を及ぼすから環境が改善できないか試みてみる」など、本人が転職を考えるきっかけになっている部分をカバーすることをちゃんと伝えることです。

こういった姿勢は誠実さとも評価出来ますし、お互いの信頼関係の構築にも役立てられるでしょう。

オープンマインドが相手のオープンマインドを引き出す

最後に部下との信頼関係の構築におけるチップスをお伝えします。

よくあるお悩みとして「部下との信頼関係の築き方が難しい」「信用されていない感じがする」というのをお聞きします。どうアプローチすれば良いでしょうか?

信頼関係の構築については年齢を問わず大事テーマだと思っていますので、そういう意味では若年層に限った話ではないですね。

コーチングの中では「コーチとクライアント(話し手)は鏡のような関係」と表現されることがあります。
つまり、コーチがクライアントの話を深く聞き取り、相手の状態を反映している過程でそう思う瞬間があるということです。それを踏まえて、部下が自分を信用してくれていない感じがあるというのは、もしかしたらこちら側がオープンに信用していることを伝えられていない可能性もあります。
自分と相手にどんな協働関係を築きたいと思っているか、目的や意図を明らかにした上でコミュニケーションを取ることが大事で、そういったやり取りの積み重ねが信頼関係に繋がります。積極的に相手に伝えていくことを心がけていきましょう。

それでは、また次回のマガジンでお会いしましょう。

<引用>
・厚生労働省 労働経済白書 令和5年版(LINK
・マイナビキャリアリサーチ(LINK
・「令和3年社会生活基本調査結果」(総務省統計局)(LINK

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