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極私的80年代洋楽ロックアルバムTOP40

Twitterで相互フォロワーさんが呟いていて知ったのだけれど、「レコード・コレクターズ」が少し前から毎号、ディケイドごとに200枚ずつロックアルバムをピックアップしてレコメンドする企画をやっているらしい。5月号で60年代、6月号で70年代、7月号で80年代と来て、いま発売中の8月号では90年代を特集している。

リアルタイムで見て聴いてきたのはやっぱり80年代以降なので、そのチョイスは気になるところなのだけれど、そのフォロワーさんによればあまり納得のいくものではなかったらしい。

音楽や映画、漫画などについてたまにやりとりしていて、おそらく年代も近くて共感することが多く、今回もなるほどその通りだなと思って読んでいた。まだ件のレコードコレクターズは読めていないのだけれど、おそらく同じ感想を持つだろうと思う。いくらなんでもトーキング・ヘッズが1位はないだろう。

このあと少しリプのやり取りもさせてもらって、そこでも言ったのだけれど、こうした特集記事は当該の年代を知らない読者も当然読むわけで、その時代の空気感をきちんと伝えようとするならば、ある程度は「売れていた」ものを優先すべきだと思う。なぜなら、それが「ポピュラー音楽」というものの本質だからだ。

その時代の輪郭を形作り、相互に影響を与えながら有機的に現代への繋がりを生む、それは「売れていた」=「人気があった」ものが有する特権だ。作品そのものやアーティスト自身にももちろん価値があるけれど、それぞれの名前を今に至るまで語り継がれるべきものとしての付加価値を与えてきた「ファン=民衆」の存在抜きには「ポピュラー」ではあり得ないのだから。

もちろん、当時は売れていても後の時代には残らなかったものもあるし、反対にそれほど売れてはいなかったけど後世の評価は高いもの(プリファブ・スプラウトはまさにそうだ)もあるだろう。それはそれで入れればいいとは思うのだけれど、決して上位に入れるようなものじゃない。

まあそんなわけで、リアルに80年代を生きていた者として、これくらいなら納得できるかなと思えるアルバムをざっくりチョイスしてみました。ぴったり50とかになればよかったんだけど全然足りなかった(笑)。あとで思い付いたらこっそり足すかもしれない。あと、中にはやっぱり俺の個人的な趣味も入ってしまっているんだけどそれはそれ。順位を付けるのもおこがましいので順不同で年代順に並べてます。

1980年

トーキング・ヘッズ「リメイン・イン・ライト」
ザ・クラッシュ「サンディニスタ!」

1982年

マイケル・ジャクソン「スリラー」

1983年

ザ・ポリス「シンクロニシティ」
カルチャー・クラブ「カラー・バイ・ナンバーズ」
シンディ・ローパー「シーズ・ソー・アンユージュアル」
デヴィッド・ボウイ「レッツ・ダンス」
ニュー・オーダー「パワー,コラプション&ライズ」

1984年

WHAM!「メイク・イット・ビッグ」
デュラン・デュラン「アリーナ」
スタイル・カウンシル「カフェ・ブリュ」
ヴァン・ヘイレン「1984」
ブルース・スプリングスティーン「ボーン・イン・ザ・USA」
ブライアン・アダムス「レックレス」
フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド「ウェルカム・トゥ・ザ・プレジャードーム」

1985年

ティアーズ・フォー・フィアーズ「シャウト」
a-ha「ハンティング・ハイ・アンド・ロウ」

1986年

ザ・スミス「クイーン・イズ・デッド」
ピーター・ガブリエル「So」
ポール・サイモン「グレイスランド」
ペット・ショップ・ボーイズ「ウエスト・エンド・ガールズ」
マドンナ「トゥルー・ブルー」
ビースティ・ボーイズ「ライセンス・トゥ・イル」
ボン・ジョヴィ「スリッパリー・ホエン・ウェット」
ピーター・セテラ「ソリチュード/ソリティア」
ビリー・ジョエル「ザ・ブリッジ」

1987年

U2「ヨシュア・トゥリー」
ガンズ・アンド・ローゼズ「アペタイト・フォー・ディストラクション」
ジョージ・マイケル「フェイス」
プリンス「サイン・オブ・ザ・タイムス」
エアロスミス「パーマネント・ヴァケイション」
INXS「キック」
リック・アストリー「ホエネヴァー・ユー・ニード・サムバディ」
モトリー・クルー「ガールズ、ガールズ、ガールズ」
フリートウッド・マック「タンゴ・イン・ザ・ナイト」

1988年

ザ・ポーグス「イフ・アイ・シュッド・フォール・フロム・グレイス・ウィズ・ゴッド」
マイ・ブラディ・ヴァレンタイン「イズント・エニシング」
ロバート・パーマー「ヘヴィ・ノヴァ」

1989年

ザ・ストーン・ローゼズ「ザ・ストーン・ローゼズ」
ザ・キュアー「ディスインテグレーション」

(追記)
これ抜けてたなと思うものを随時追加。50に達したらリストに加えようかな。
ジャーニー「エスケイプ」
ロキシー・ミュージック「アヴァロン」
ジョーン・ジェット「アイ・ラブ・ロックンロール」
サバイバー「アイ・オブ・ザ・タイガー」
ボストン「サード・ステージ」
ヨーロッパ「ファイナル・カウントダウン」
デフ・レパード「ヒステリア」
デイヴ・リー・ロス「スカイスクレイパー」
バングルス「ディファレント・ライト(シルバースクリーンの妖精)」
スウィング・アウト・シスター「ベター・トゥ・トラベル」

(追記2)
この記事を書くにあたって参考にしようと思っていたのは渋谷陽一の「ロック-ベスト・アルバム・セレクション」だったのだけれど、実家に置いてきてしまっているのか見つからないので(何せそう頻繁に読み返すような本でもない)諦めていた。が、それに準拠しているリストを見つけた。

もちろん、同書の刊行は1988年だったので掲載されているのはおそらく87年リリースのアルバムまでで、80年代を網羅しているわけではないのだけれど、参考にはなると思う。

1980年
XTC / Black Sea
UB40 / Signing Off
Kinks / You Really Got Me
Prince / Dirty Mind
Talking Heads / Remain In Light

XTCはなんかつい抜けちゃうんだよな。UB40は言われてみれば確かに。キンクスはこれベスト盤だよな。

1981年
Japan / Tin Drum
Public Image Limited / Flowers Of Romance
Daryl Hall & John Oates / Private Eyes

ジャパンを入れるのは渋谷陽一らしい気がする。ホール&オーツが抜けたのは俺の失策です。

1982年
Roxy Music / Avalon
Joe Jackson / Night And Day

ジョー・ジャクション入ります? うーん、個人的にはあまりピンとこない。

1983年
R.E.M. / Murmur
Huey Lewis And The News / Sports
Eurythmics / Sweet Dreams
Wham! / Fantastic
Culture Club / Colour By Numbers

ヒューイ・ルイス抜けてた! これも大失策。あとユーリズミックスも納得。R.E.M.は個人的には「アウト・オブ・タイム」(1991年)が一番いいと思っているので。

1984年
The Cars / Heartbeat City
Madonna / Like A Virgin

カーズか……これもピンとこないんだよな……。マドンナはどっちにするか迷ったんだけど、この時点ではまだ「可愛くてセクシーな女の子シンガー」でしかなかったと思う。彼女がただそれだけの存在ではないのだと示したのはやっぱり「トゥルー・ブルー」だと思う。

1986年
Peter Gabriel / SO
Cyndi Lauper / True Colors
1987年
U2 / Joshua Tree

このへんは同じようなもんですね。シンディはアルバムとしての完成度は確かにこっちの方が高いと思うのだけれど、デビューアルバムの鮮烈さに思い入れがあるので。マドンナと言ってることが矛盾してるようだけど(笑)。

(まだまだ追加候補)
女性シンガーが少ないなと思ったので重点的に。
ABBA
ハワード・ジョーンズ
カイリー・ミノーグ
カジャグーグー
バナナラマ
リマール
ベリンダ・カーライル
キム・ワイルド
サマンサ・フォックス
イエス
デッド・オア・アライブ
TOTO
アース,ウィンド&ファイアー
ヒューマンリーグ
ハート
ブルース・ホーンズビー&ザ・レンジ
エンヤ
クイーン
シーラ・E
シンプリー・レッド
コリー・ハート
ティファニー
デビー・ギブソン
クラフトワーク
OMD



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