門田宗大

俳優

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最近の記事

タバコ遍歴

iQOSに乗り換えてから2年。 「これまでどんなタバコ吸ってきたの?」とテリアメンソールに聞かれた。過去の恋愛遍歴を話すみたいで気が進まないけど、テリアが強いて聞いてくるし、テリアには話しても良いと思えた。 「初めては大学生の時、ピース」あーねと笑うテリア。 ガツン。大きくむせて、友達に笑われた。苦い、そこからバニラの甘い香りが口から肺へ、最後に脳まで駆け巡り、クラッとした。 「坊やにはまだ早かったかな?」朦朧とした意識の中で、ピースのしたり顔が浮かぶ。僕は、咳き込みながら

    • 2023.11.16

      膝をぐんと伸ばす、僕はソファーの上。ソファー右端の盛り上がってる部分、手か、寝転がった際に頭を置くところ、そこへおわしまするは、調整豆乳のバナナ味。同じく左端には、サブスク用のテレビリモコン。 朝7時に起きた。休日だぞ? まだ吐き出したばかりのアイコスの煙が、部屋をゆらゆら漂っている。朝に差し込む陽の光と、光を浴びた空気中の埃が煙と共演して、何とも神々しい。僕はまるで、天の川を優雅に泳いでいるかのような、又は世界樹の幹の中で脈々と流れる生細胞の一部になったかのような、そん

      • グレー

        診察室 医者「どういった症状ですか?」 A「あの、その人のこと考えるだけで、胸がぎゅーって締め付けられるような、顔があつくなって、幸せで、その人のこと以外何も考えられなくなるというか、それ以外どうでもよくなるというか。これは一体なんですか?」 看護師「恋ですよ」 付き添った人「恋だね」 ぽち「恋だわん」 Siri「恋ですね」 天使「恋よ」 悪魔「恋だぜ」 守護霊「恋です」 地縛霊「成仏したい」 受付「薬局は隣の建物にあります」 空「そろそろ天気変えるか」 長老「嵐が来る、、

        • 2023.9.16

          綺麗に整理整頓された高級焼肉弁当。とあるイベントの日に頂いた。厳重な外箱を開けると更に内箱がある。厳かに包まれた食材は、肉も野菜も皆丸々と肥えていて、見事な比率で区画整理されたそれぞれの部屋に、ぎゅうぎゅうと押し詰められている。おまけに食後のブレスケアまで付いていた。 「こんなの食えない」 滅多に食べられないせっかくのご馳走を前に、箸が持てない。見てるだけで肩が凝った。もっとぐちゃっと、乱雑に盛られたいつものご飯が無性に食べたい。これは自分ある程度キテるなと自覚する。

          2023.9.7

          詩『カブトムシ』 作詞:門田宗大 おういカブトムシ 月夜の晩にテキーラ100杯 日傘をさした青い鳥は 田舎娘とシェケナベイベ オポチュニティオポチュニティ 波打ち際で拾った赤ラーク それでも私はシャバダバドゥ ぼく。ごちゃい。ひまわりようちえん。 最上川ったら最上川 おういカブトムシ

          じいちゃんの話

          僕が中3の時、じいちゃんが死んだ。 その日、体育の授業で、跳び箱の前方倒立回転跳びを成功させた僕は、友人たちの前で歓喜のマウンテンゴリラになっていた。その日は朝から調子が良かった。朝たまたま見た星座占いは自分の星座が一位を取り、数学の小テストも満点を取り、挙げ句前方倒立回転跳びの成功。僕は必然のマウンテンゴリラだった。そこへ担任の先生が体育館に入ってきて、マウンテンゴリラを呼び止めた。 そこから、じいちゃんの亡骸と対面するまでの道中のことを思い出せない。何をして、何を考え

          じいちゃんの話

          2023.6.18

          本日、仮免効果測定試験に落ちてきた。 今年3月くらいから自動車免許教習所に通っていて、割と早い段階で試験を受けられる段階まで進んだ。けど勉強がとにかく嫌で捗らず、やっと重い腰を上げて、午前中勉強してから試験を受けに行った。 が 落ちてきた。2度受けて2度落ちてきた。別日に持ち越すのが嫌だったので、受かるまでひたすら受け続けてやろうとしたけど、3度目を受ける前に受付が終了した。最悪。また重い腰をよっこいしょしなきゃならない。でも、“幸い“他の受験者も落ちてた。僕と同じく落

          呪いの子の一年

          「ハリー・ポッターと呪いの子」の幕が開いてから、一年が経とうとしている。 2022年4月4日の顔合わせから都心の綺麗なスタジオ、都心から少し離れた古くて大きな撮影スタジオを経て僕らは赤坂ACTシアターに来た。オーディションの頃から数えると二年余りの月日が流れていて驚愕する。そして来たる2023年5月31日、その節目がやってくる。 この舞台が始まってから今日に至るまでずっと、僕は人生最高の青春を送っている。 しかし、この一年は大変だった。現実はどこも大変。大変です。こんな

          呪いの子の一年

          2023.5.6

          何か書きたい。定期的にこの衝動に駆られる。から書きたい時に日記を書いてみることにする。やめちゃうかもしれないけど。昔から文字を紡ぐのが好きだ。会話がそんなに上手じゃないからかもしれない。今喫茶店でこれを書いている。 アイスココアが来た。ジッポでタバコに火をつける。何だか洒落た文章が書きたい気分だが、そんなん書けないことを知っている。うんこうんこ。アイスココアへガムシロップどばどば。生クリームうんまいペロペロ。(生クリームのカタチがうんこと掛かってたり掛かってなかったり)