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2023.6.18

本日、仮免効果測定試験に落ちてきた。

今年3月くらいから自動車免許教習所に通っていて、割と早い段階で試験を受けられる段階まで進んだ。けど勉強がとにかく嫌で捗らず、やっと重い腰を上げて、午前中勉強してから試験を受けに行った。



落ちてきた。2度受けて2度落ちてきた。別日に持ち越すのが嫌だったので、受かるまでひたすら受け続けてやろうとしたけど、3度目を受ける前に受付が終了した。最悪。また重い腰をよっこいしょしなきゃならない。でも、“幸い“他の受験者も落ちてた。僕と同じく落ちては受けてを繰り返していて、誰も合格してなかった。他の人が不合格って言われてるのを、僕は頬杖つきながら微笑を浮かべて眺め、血沸き肉踊らせていた。いやぁ、みんな受からなくて良かった、ほんとに。少し気が晴れた。みんな仲間。一緒に最悪。わたしとことん性格悪い。



やはり気は晴れず、やってられず、夕方にも関わらず外はむし暑く、iPhoneのプレイリストシャッフル再生は僕とシンクロ率悪く、今聴きたくないラフマニノフとか流し始める、たまらず喫茶店へ逃げ込む。仮免測定効果試験二度不合格後喫茶店アイスココアハイライトメンソール選手権開催男。やってられない。

【やってられない】
意義素:その物事に対してもはや我慢ならない様・執着心や愛想が尽きて放棄する様
類語:やめた・もう知らん・もうどうにでもなれ・この先どうなろうと俺の知ったことか・もう降参・止めてけろ
(Weblio類語辞書参照)




生きていると、やってられないは続く。どこまでも。
最近あったやってられないを、一つ書く。


先日、微熱がなかなか下がらない期間が続いたので病院で血液検査をした。先に診断結果だけ書くと、疲労が原因だったらしい。あれからよく寝てよく食べたので、今は元気になっている。

あの日、病室で血を注射ボトル3本分抜かれて、どんだけ抜くの?って自分の血液との別れを惜しみつつ待合室で会計を待っていると、みるみる気分が悪くなってきた。名前を呼ばれて立ち上がった時にはもうフラフラで、耳は聞こえなくなり視界はぼやけ、そのままなんとか会計を済ませて薬を受け取ろうと手を伸ばしたが、その手は薬まで届かず空を切り、そのまま倒れた。迷走神経反射を起こして貧血状態になったらしく、医者に「採血苦手だったかな?」と聞かれて「苦手だったみたいです」と答えた。ソファーに横にならせてもらって体調は回復し、「ありがとうございます。ご迷惑をおかけしました。お騒がせしました」と看病してくれた看護師さんたちにお礼を言って家に帰った。そんなことがあった。

この時、何がやってられなかったかと言うと、微熱続いてたのも採血されたのも倒れたのもやってられなかったが、何より、僕がぶっ倒れたその場に居合わせた看護師さん達も患者さん達も、見事に全員若かった。
そんなに人前で倒れることを経験してこなかった僕が、恐らく自分よりも若い看護師さんや患者さんの前でぶっ倒れたのが、何よりも恥ずかしかった。門田28歳と言えどまだまだ年頃。青春最高!とかnoteに綴っちゃうくらいに、メンタル若めのエキセントリック少年ボーイ。そんな人間が、採血で倒れて(しかも病気とかじゃなく採血で)、自分より若い看護師さん達に抱き抱えあげられ、すんごい手厚く看病されて、体調が良くなるまで至近距離で数名掛かりで見守られたなんて事が起こり、僕は恥ぜ飛んだ。ロケットの如く打ち上げられた羞恥心が遥か数千フィート上空を飛行し、大きくて綺麗な飛行機雲の輪を描いた。綺麗な輪だったと思う。写真撮って欲しかった。

まず、自分の特性をしっかり理解できてなかったことを反省。自分が採血で倒れてしまうことがわかっていれば一言「採血後休ませてほしい」と伝えて、事なきを得ていた。

次に、そもそも恥ずかしいことではない。生きてるだけで人間恥ずかしいことだらけなのに、自分の体調が悪い時くらいしょうもない羞恥心なんて捨てたらどうなんだと自分へ言い聞かせたい。今日の仮免測定効果試験不合格者を、頬杖つきながら微笑を浮かべて血沸き肉踊らせている方が、よっぽど恥ずかしい。学生の頃、朝礼で校庭に集められ、校長先生の将来1ミリも思い出さない内容の話を延々聞かされる中貧血で倒れちゃった人に、「恥ずかしいなあいつ」なんて全く思わなかった。あれと一緒なのに。

そして極め付けは、あの状況になってまで僕は、できる限りのカッコをつけていた。

倒れてから数秒は意識が遠のいていたが、それはほんの数秒だけだった。その後みるみる意識は戻り脳は冴え渡り、待合室のソファーに寝かせてもらった頃には、もう立ち上がれるくらい少し元気になっていた。(この時、待合室のソファーに寝かされたことも羞恥心を煽るポイントの一つで、周りにはたくさんの若い患者さんがいた。ベッドが空いてないならもういっそ清掃用具入れでもなんでもいいからぶち込んで欲しかった。きったないところで1人にしてくれ)

ここで僕は、なるべく体調が悪いを演じた。大勢の前で倒れて、看護師さん数名に抱き抱えられたのにすぐ復活してしまっては、「何だ大したことないんじゃん」「倒れるまでのことだったのかな?」とか思われそうと考えた。実際そんなに元気ではなかったし、また倒れるのも嫌だったから正解だったんだろうけど、なるべく“体調悪め“で通したのだ。

寝かされている間は、目も開かない。看護師さん達の視線が自分に注がれていることはわかっていて目なんて合わせたくないし、体調が良くなっていることがバレたくなかった。

そして、なるべくクールに受け応える。体調は悪いけど焦って動揺したりしない、冷静な出来る大人を装った。まぁある意味本当に冷静。

良い塩梅の時間を見繕って、体調悪そうにゆっくりと立ち上がり、最後にお礼を伝える。病院側に対して深く感謝し、この状況を作ってしまったことを最大限理解していますよを伝える凝縮させた一言「ありがとうございます。ご迷惑をおかけしました。お騒がせしました」 三言か を言い放ち、またゆっくりと歩いて病院をあとにした。

総じてダサい。もうおしまいだ。情けない。帰り道、くるりのJUBILEEを爆音で聴いた。

あさっきから 風が冷たい
雲のように 自由になれるはず
失ってしまったものは
いつの間にか 地図になって
新しい場所へ いざなってゆく
Jubilee

良い歌。


この話を親友に話した。彼は「ダセェwww」って笑ってくれた。やってられないが一つ笑いに変わって、幸せ。やってられないはいつも、親友に話して成仏させる。共有してくれる人が居てくれるって、幸せなこと。あの時やってられなくて良かったって思うことすらある。親友と僕との場所や時間を作ってくれる。【やってられない】、ありがとう。

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