日日是好日
父が他界し、通夜と葬儀のために
我が家から葬儀場に向かう時
あっぱれなくらいの秋晴れだった。
あまりの空の美しさに嬉しくなった。
無事に葬儀が終わり火葬をしてから
精進落としの席の店へ向かう途中
R134の逗子海岸を通った。
キラキラと光る海辺を見ながら
誰にも聞こえないように
私はテネシーワルツを口づさんでいた。
父が時々、鼻歌で歌っていた曲だった。
再び葬儀場に戻り初七日の法要を執り行い
親族の方々を見送って
私たちも自家用車に乗って
エンジンをかけた瞬間に
ザーーッと、すごい勢いで雨が降った。
その雨音があまりにも凄くて
フロントガラスに叩きつける雨に
心が震えるくらい清々しさを感じていた。
晴れわたる空もキラキラ光る海も
そして大粒の雨音も
すべてが美しかった。
父が生涯を終えて旅立ち
私は生きて、次の命を紡いでいる。
日日是好日。
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