休職142日目 読書家はオーディブルの夢を見るか

オーディブルに登録してみた。30日間は無料なので、イマイチだったら料金がかかる前に退会すればいい。
オーディブルとは、書籍を俳優や声優が朗読するサービス。TVやYouTubeでCMが流れることがあるので、ご存知の方もいると思う。俺は昔からこの手のものが好きで。小学生の頃、図書館でたびたびカセットブックを借りて聴いていた。小泉八雲や太宰治とかね。
手始めに、村上春樹の短編「螢」を聴いてみた。朗読は、俳優の松山ケンイチ。
好きな短編なので、下手くそだったら嫌だなぁ、と思ったけれど、そこはさすが松山ケンイチ。めちゃくちゃ朗読が上手い。淡々とした読み方なのだけれど、それが作風と合っている。村上春樹の作品は世界観が独特なので、セリフを声に出すと違和感がありそうなものだけれど、松山ケンイチの声だと、それが耳にすーっと入ってくる。
次に聴いたのは、やはり村上春樹の作品で、随筆の「猫を棄てる 父親について語るとき」。朗読は中井貴一。これも素晴らしかった。中井貴一は地声が良いので凄く聴きやすいし、落ち着いた読み方が村上春樹の少し痛みのある内容とマッチしていた。

他にも、中嶋朋子が朗読の宮部みゆき「ばんば憑き」、笹野高史が朗読の宮部みゆき「影牢」なども聴いてみた。どちらも夜に聴かなくて良かったと思えるほど怖かった。鳥肌が止まらなかった。怪談は語り手を選ぶけれど、大正解。特に中嶋朋子が素晴らしくて、まさに怪演だった。

今は俳優の向井理が朗読の村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を聴いている。向井理は嫌いではないけれど、先に聴いた手練の役者陣に比べると、多少、物足りない。とはいえ、まだ序盤なので、これから印象は変わるかもしれないね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?