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休職334日目 裏切りのホワイトカード

石田衣良「裏切りのホワイトカード」読了。
池袋ウエストゲートパークシリーズの第13巻。シリーズが仕切り直しされてからは、より現代的なテーマが取り上げられていて面白い。前にも書いた通り、このシリーズはミステリではなく、ハードボイルド×人情モノだと思っているので、ある程度、先の展開が読めてしまっても気にせず楽しめる。
昔の俺はその辺の理解が浅くて「先の展開が読めてしまうのはミステリとしては致命的」とかえらそうにほざいていたので、作品を読み取る力が低かったかな、ちょっと。

今回は、「東池袋スピリチュアル」でゼロワンが活躍する。ゼロワンファンとしては嬉しい。
ゼロワンは凄腕のハッカー。東池袋のデニーズを根城に年がら年中ハッキングし続けている情報屋。ガス漏れのような声が特徴。スキンヘッドで頭部に二本の細長い金属片をインプラントで埋め込んでいる。全身ピアスとタトゥーだらけで、俺のように厨二病を引きずる読者にはたまらないキャラクターだよね。更にゼロワンは、何十兆あるか分からないネットの情報の中に、自分だけに送られた秘密の聖なる情報があると信じている。それを探すために彼は頭部にインプラントを埋め込んでいるわけ。
このシリーズの登場人物は見た目のインパクトが強くても、その内面に何かしらの引っ掛かりのようなものがある。ゼロワンはその最も特徴的なキャラクターだと思う。だから、多くの人はこのシリーズが好きなのだろう。
逆に言うと、このシリーズの原作が好きになればなるほどドラマ版が嫌いになる。俺だけかな?
まぁ、ドラマ版のダメなところは挙げたらキリがないので、また別の機会に。

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