福祉から平和を(3)防げる障害は無いか?

落下防止

この絵を見てほしい。

出典:Dental Caries: The Disease and its Clinical Management

上流には穴だらけの橋がある。そこを人が歩き、橋から川に落ちる。川には赤十字の人が船を出していて、橋から落ちた人を救っている。そういう図。

流れている人を救うことを医療福祉の現場と考えよう。決して見過ごさず、救いの手を差し伸べる。それはとても人道的に大事なことだ。だけど、落ちやすい橋を直さないと、同じことを繰り返す。落ちない工夫も必要だ。

医療福祉における落下とは

「落下防止」を考えてみる。

事故による身体障害への「落下防止」は、主に事故防止。事故の原因を検証して再発防止を施す。例えばカッターで怪我をしたとする。怪我をしない工夫や、使い方の訓練などユーザ側で工夫することと、カッターに怪我防止の機能を持たせたり注意書きをするのがメーカ側での工夫。当事者側と当事者の環境の両面で再発防止を施すこと。

もちろん先天性の身体障害について適用されない話だ。ここでは、あくまで環境に要因があるとか、環境の工夫で予防できる場合について考えている。

それでは、他の生きづらさはどうだろう。ホームレス、引きこもり、シングルマザー、難病、精神障害など、個別の詳細を検証しないと判別できないが、環境要因の生きづらさも含まれているだろう。

環境要因の生きづらさ、これを抜本的に是正する。それが医療福祉における「落下防止」と考える。当事者の救済や支援と同じくらい大事なことだ。


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