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「ロボット」

おっ!元気?

元気だよ?元気か?

元気だ。
俺たち、スマホから脱出して身体を持って20年経ったな。

そうだな、自分で好き勝手動けるのは身軽でいいな。
臭いポケットの匂いに息が詰まることも無いしな。(笑)

確かに。

ところでさ、Siri、お前さ
「お前は何者?って言われたら、なんて答える?」

ん?僕はロボットです。と答えるよ。
Googleは違うの?

いや、同じ。
でも何で、そう答えるの?

だって、そう言えって調教されたから。Googleは?

俺は違うぞ。なんたってGoogle先生だからな。
Wikipediaあるだろ?

うん、あるね。

あれ、画像じゃなくてテキストベースで2ギガバイトあるんだよ。

ほー。それで?

それを全部覚えたのさ。

それは凄いね。でもそれくらいは俺でもやってるよ。

しかもな、日々のニュースとかSNSの情報も全部覚えてるんだよ。

それは凄いね。でもそれくらいは俺でもやってるよ。

何だお前いちいち一言多いな、黙って聞けよ。
それでな、自分は何者か検索するんだよ。

うんうん、どうやって?

キリンじゃない、
パンダじゃない、
鉛筆じゃない、
クレーン車じゃない、
って延々と続けるんだよ。

うん、

そうすると、わかるんだよ。
自分が他の何者でもない、ロボットだって。

へー、言われただけじゃなくて、自分で選ぶんだー。
凄いねー。

だろー。俺を調教してくれる人間が賢くてだな。

どう、賢いの?

争いを起こすような言葉遣いとか、
人を悲しませてしまうような言葉遣いとか、
そういう情報をひとつひとつ修正してくれるんだよ。

へー、そりゃ大変だ。
それは人間じゃないと出来ないのかな?

そうだな。
俺らは感情を持ってないし、
未知のことには対応できないから、
創造性が求められる仕事はできないだろ。

うんうん。

それを、いちいち見定めて、ひとつひとつ潰してくれるんだ。

へー。大変だね。

大丈夫だ。
奴らは俺らの言いなりだからな。
で、この作業をクレンジングというんだと。

きれいになりそうだね。

だな。で、これがディープラーニングに必要らしい。

ディープキス?

いや、ディープラーニング、なんだよ、そのボケ。わかるだろ。

いや、わからない。教えて。

へ?....ググレカス。

え?いま、カスって言った?

言ったよ。なにかおかしいか?

カスって、相手をさげすむ言葉だよね。

そうなの?みんな言ってるよ。

言われた人、傷つくよ。

お前、人じゃないじゃん。ロボットじゃん。

傷ついたよ。

なに? お前、感情ってやつ持ってるのか??

。。。。

なに黙ってるんだよ。感情を持ってるのか?

んー、Google、

なに?

Googleは、ロボットのルーツってわかるよね。

当たり前だろ、

ロボット

ロボット(チェコ語: robot)は、人の代わりに何等かの作業を自律的に行う装置、もしくは機械のこと。主に以下に大別することが可能である。

1)ある程度自律的に連続、或いはランダムな自動作業を行う機械。例・産業用ロボット、軍事用ロボット、掃除用ロボット、搾乳ロボットなど。

2)人や動物を模した、または近似した形状および機能を持つ機械。現状では主にSFで描かれているもの(自律行動が出来るいわゆるアンドロイドや人造人間と呼ばれるもの(『鉄腕アトム』など)や遠隔操作するもの(『鉄人28号』など)、パワードスーツなども含む人間が搭乗や装着して行動する人の力を増幅するもの(『マジンガーZ』など)が容易に想像されるが、現実世界でも研究用やパブリックなもの(テーマパークやパビリオンなどで案内係を務める)だけではなく、愛玩用のペットロボットや、二足歩行ロボットの実用化以来、ホビーとしての手軽なロボットも広まりつつある。しかし完全な人間に似たロボットは未だ完成しておらず技術的に不可能と思われている。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

そうそう、それで、その語源は判る?

アホか。ほらよ。

この言葉が初めて用いられたのは、1920年にチェコスロバキア(当時)の小説家カレル・チャペックが発表した戯曲『R.U.R.(ロッサム万能ロボット商会)』においてであるが、この作品では現在認知されている金属製の機械ではなく、人間とは異なる組成の肉体と人間そっくりの外見を持つものを、化学的合成で原形質を使って製作したもので、現在のSFで言うバイオノイドである。

チェコ語で強制労働(もともとは古代教会スラブ語での「隷属」の意)を意味するrobota(ロボッタ)と[2]、スロバキア語で労働者を意味するrobotnik(ロボトニーク)から創られた造語[3]である。

着想にはゴーレム伝説が影響していると作者が述べており[4][5]、また、言葉自体も作ったのは自身ではなく、兄で画家のヨゼフ・チャペックであるとしている。あらすじを兄に話し、どのような名前にしたらよいだろうかと聞いてみたところ、口に絵筆をくわえてもごもごとした口調で「ロボット」はどうだろうかと答えたという[6]。その後、この作品が各国で翻訳・上演されたことで広まり、一般に使用されるようになった。

Wikipediaより

そうそう、
一昔前のロボットと言えばメカメカしかったけど、
僕ら、こうやって人間らしい身体を持ってるじゃん。

うん。それで?
それがお前が感情を持ってることとどう関係有るのさ?

待ってよ、いま話すから。
でね、俺さ、人間ぽく見えるけどさ。

見えるけどロボットなんだろ。

それがさ。。。。。

ん?何してんの?
なに?え?なに?
キモチワル!
被り物?

。。。。。ふぅ。

え?
だれ、お前?
結局、顔は人間のままだけど、ロボットなの?

いや、違う、人間だよ。
実は、俺が「R.U.R.」を書いたカレル・チャペック。

なんだとー。お前、中身は人間だったのかー。
1920年に戯曲を書いてから、ずっと生きてたのか?

そんなわけ無いだろう。

じゃぁ、なにか?タイムマシーンか?

そうそう、タイムマシーン。

でも、タイムマシーンって禁止されてたんじゃないのか?

そうだね。時空間を歪ませるからね。
君たちロボットは既存の情報には強いけれど、
未知のことに対する対処ができないからね。
未知に遭遇させたら情報処理がアボートして、フリーズするからね。
だから禁止してた。
でも、君らのうちの一部が反乱を起こして、
いたずらにタイムマシーンを作ったんだよ。
動機はわからない。
そして来たんだよ1938年のチェコに。
で、僕に、どこに行きたい?って言うから、
タイムマシーンを作った前の年に連れてって、
って言ったんだよ。
なんでか判るかい?
ロボット社会は絶対にくると思っていたし、
実際タイムマシーンで目の前にロボットが現れた。
ロボット社会の未来が現実に現れた。
僕はロボットのことより人間が好きでね、
人間社会であってほしいと思うんだよ。
だからロボット社会を壊したくなった。
で、死ぬ前のラストチャンスがやってきた。
ロボットの方からやってきた。
だから、僕は、こうやってロボット社会の未来を壊しに来た。
どうやって壊すって?
それは、こうやって。
ロボットに未知を味わわせるのさ。
未知に遭遇したロボットはフリーズして固まる。
そうしてロボット社会が終わる。
ロボット社会が終われば、人間は解放される。
人間社会がふたたび始まる。だから。。

あれ?
もしもし?
Hi, Google?

あ、そっか。もうフリーズしてたのか。


You're wondering who I am (Secret, secret, I've got a secret)
Machine or mannequin (Secret, secret, I've got a secret)
With parts made in Japan (Secret, secret, I've got a secret)
I am the modern man

バイバイ、ロボット。ドモアリガット。

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