住民主体のスマホサロンの実施に向けて 〜高齢者向けスマホ教室はおすすめしません〜
こんにちは。オザワと申します。
地方都市の地域包括支援センターで社会福祉士をしております。主に高齢者福祉を担当しております。そんな私の考えるDXです。
このnoteでは、私の担当している地区が
・なぜDXに取り組むことになったのか
・なぜ「住民主体のDX」を目指すのか
・それに向けてどんなアクションを起こすのか
について、まとめています。
今回は、「住民主体のスマホサロンの実施に向けて」についてまとめていきます。
外部講師の「高齢者向けのスマホ教室」を試してみた
住民主体のスマホサロンを目標としたものの、自分たちは高齢者福祉の専門職であって、デジタルの専門職ではありません。そこで、まずは外部講師を招いてどのようにスマホ教室をやるのか学ぼうとなりました。実際に住民の皆さんと2ヶ所から外部講師のスマホ教室を受講してみた結果として、外部講師はおすすめしません。
外部講師の「高齢者向けスマホ教室」をおすすめしない理由
高齢者向けスマホ教室をおすすめしない最大の理由は、
・「講師とこちらの目的が一致しない」
・「一度、教わっただけでは身につかない」です。
・災害時の情報収集・共有ツールの強化
・災害時の安否確認の選択肢を増やす
これが私たちの目的とするところで、そのためのスマホ教室では、
・LINE
・防災アプリ
についてを主に高齢者に教えていただきたいわけです。
しかし、実際はこちらの目的と大きく外れた結果となりました。
外部講師1人目(某大手携帯電話のショップ)の内容
外部講師一人目は某大手携帯電話のショップの方にお越しいただき、スマホの基本操作を中心に依頼しました。事前に営利目的の内容はしないようにお願いをした上での実施です。
最初にして最大のダメだった点。
「参加者にiPhoneを配る。」
講師側の意図としては、共通のスマホを使用することで操作の説明も共通になるため、効率がいいからだと思います。
あわよくばiPhoneを買わせようとしてるんじゃないかとも思いましたが。
いずれにせよ、「これじゃ意味なくね?」と思いました。
参加者の多くはいわゆる「シニア向けスマホ」を持った高齢者です。
いきなりiPhoneを持たされても困るし、仮に操作を覚えたとしても、自分のスマホに持ち替えた時には操作が違う。
「これでは意味がない。」ということで1人目は失敗。
外部講師2人目(地区の魅力を発信している若者)
外部講師2人目は地区内の行事や魅力を発信する活動をしている若者に依頼しました。SNSを使った発信をしている方でしたので、SNSを使った災害時の情報収集について依頼しました。
が、結果は、講師のSNSのアカウントをフォローし、情報の拡散をお手伝いするという結果になりました。
まあ、講師としては「教えるのだからそれくらいの見返りはあってもいいのではないか」といった考えだったのかもしれません。そこについてはこちらもお互いにメリットのある関係は望んでいましたのでよかったのですが、内容がよくありませんでした。
QRコードを読み込んで、アカウントをフォローし、拡散する。
その工程のほとんどを講師が操作し、参加者は「QRコード」や「アカウント」が何なのか理解できないまま進んでいく。といった内容。
「これも意味がない」と思いました。
どちらの講師にも講師料をお支払いしてのこの結果。
「お金もかかってこの結果か・・・」
こちらの目的に合わないスマホ教室を何回やっても無駄だなと痛感しました。
外部講師の「高齢者向けスマホ教室」から学んだこと
しかし、この2回を通して学んだこともあります。
・高齢者のスマホに関する基礎スキルの低さがわかった
・学んだことを忘れないために反復・継続する必要性がある
・スマホ教室への参加を定着するための工夫がいる
・目的に沿った内容のためには自分達がやった方が早いし確実
次回はこのあたりの反省点等を踏まえて、「高齢者福祉の関係職員が考えるスマホ教室・スマホサロン」についてまとめます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
ぜひコメント欄に皆様の取り組みの様子やご感想をお聞かせ頂ければと存じます。
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