
自治体が土をつくり有機農業を推進する|ユネスコ食文化創造都市の臼杵市の事例
多様化する消費者ニーズに応えて世界に通用する食体験を届けるためには、主体的な選択のための情報提供、コンテクストとしての食体験の提供、持続可能な食に向けた取り組みの実践の3つのステップが必要です。
本記事では持続可能な食に向けた取り組みを推進する自治体の事例として、ユネスコ食文化創造都市に認定され、地域をあげて有機栽培を推進しながらガストロノミーとサステナビリティの両立を図っている大分県臼杵市の事例を紹介します。
1. ユネスコ食文化創造都市~臼杵市とは
2021年11月、大分県の南東部に位置する臼杵市は、大切に守り育ててきた多彩な食文化が評価され、ユネスコの食文化創造都市に認定されました。食分野における日本国内での認定は、山形県鶴岡市に続いて二都市目です。
臼杵市は地質と地形により、きめ細やかでまろやかな水に恵まれています。恵まれた自然環境のもと、酒・醤油・味噌といった発酵文化や、質素倹約な暮らしのなかで知恵を絞って生まれた郷土料理など、多様な食文化が発展してきました。

(2023年1月に筆者撮影)

質素倹約の精神が受け継がれている郷土料理(2023年1月に筆者撮影)
近年では多様な食文化に加えて、地域をあげて有機農業や地産地消を推進しています。その中心的な存在であり、日本で唯一、自治体が草木等を発酵させた完熟堆肥を生産し、生命力のある土づくりを実施しているのが「臼杵市土づくりセンター」です。
2023年1月に臼杵市食文化創造都市担当の方々にご案内をいただきながら、土づくりセンターを視察してきました。本記事ではその様子とともに同市の取り組みを紹介します。

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