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至福の朝ごはん|記憶に残るひと皿

朝からこんなに贅沢をしていいのでしょうか?

早起きは三文の徳、の辞書の例文にピッタリだ。
理想の朝食、焼き鮭とお味噌汁が、目の前にある幸せ。

分厚く焼かれた立派な鮭。
おはしを入れた瞬間、皮がパリっ!と音を立て、
ふっくらジューシーな身から、おいしい肉汁が溢れ出してくる。

Sioの朝定食のメモ|メインの鮭に加えて飯泥棒な小鉢の数々|筆者作成
Sioの朝定食のメモ|メインの鮭に加えて飯泥棒な小鉢の数々|筆者作成

あぁ、たまんないな…

どれから食べようか思考停止になる、こだわりの小鉢の数々。
しかも、味噌汁じゃなくて、豚汁なんだな。
どう考えても、ご飯のおかわりは避けられない最強のラインナップ。

さすがのミシュラン獲得店、もちろん料理はおいしい。
でも、それ以上に素晴らしいのが、体験設計だ。


二時間を、二年間に。


この朝食の仕掛け人、鳥羽シェフは、
おいしい料理だけではなく、感動の食体験までつくってしまう。

料理を味わう二時間を、
二年間にまで拡張しようと体験を設計しているのだ。


まずは来店前。
インスタで流れてくる厚切りの鮭と、投稿者の感動コメント。
食べに行く前にネタバレしているんだけど、それも戦略のうち。
オンラインを活用して、来店前からの情報体験が設計されているのだ。

そして来店時。
ホスピタリティあふれるスタッフが出迎えてくれて、
暖かいお茶をいただきながら定食の解説が書かれた紙に目を通す。

控えめなトーンながら、こだわりが詰まった朝定食。
控えめなトーンながら、こだわりが詰まった朝定食。


しばらくすると、出来立ての焼き鮭定食が目の前に。
これこれっ!という感動に満たされながら、インスタ用に写真を撮る。

出張中の男二人が早起きして
仕事では行くことのない代々木上原まで足を伸ばし
「まじで分厚っ!やばい止まんねー」って盛り上がりながら
ご飯を三杯もおかわりしてしまう破壊力。


鳥羽シェフの恐ろさは
体験設計が来店後にもしっかり続くことだ。

この日の夕方、空いた時間にインスタに投稿したら
すぐに今朝担当してくれたスタッフさんからお礼のストーリーが。

「今まではレストラン時間の最大化に注力していましたが、レストランの外(レストランに来る前と食べた後)の体験も設計することで、お客様のレストラン体験をより最大化させられるのではないか」

PLAID プレスリリース|2022.03.24|https://plaid.co.jp/news/20220324/

というシェフの言葉がそのままに体現された
素晴らしい体験設計でした。

高千穂の蕎麦に続く)


記憶に残るひと皿シリーズに掲載しているイラストとコメントは僕の個人的な解釈です。またメニューの内容や価格は訪問時の情報です。

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