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在カンボジア日本大使館賞受賞作品【SDGs×アートWhiteCanvas】

WhiteCanvasカンボジアは、新人賞の立ち位置として始まった。
対象者は、Kids部門は18歳未満。一般部門は18歳以上。

その中で、最年長のノミネートは55歳。

その最年長アーティストKim San氏が描くPagoda Around Khao I Dang Refugee Camp』は、一見のどかな田舎の風景に見える作品だ。

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この作品は、彼が10代後半の頃、クメール・ルージュの大虐殺から逃れ、流れ着いたタイのカオ・アイ・ダン難民キャンプを思い出し描かれたものである。

Kim San氏はそのキャンプで、生き残ったカンボジア人画家から絵を学んだ。

クメール・ルージュの大虐殺では、知識層や芸術家が真っ先に殺されているので、それは本当に貴重な出会いだったはずなのだ。

カンボジア、そしてクメール・ルージュについての歴史はこちらを参照

脊髄性小児麻痺だったKim San氏は、1990年代のカンボジア内戦に徴兵されることなく、アートのキャリアを追求する。その精密で美しい筆使いは、長い経験の上に成り立っているのだろう。

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そんなべテランのアーティストKim San氏も、2020年度のWhiteCanvasカンボジアに参加した。

彼の作品はノミネートされ、私たちは作品を回収のために彼が住むシェムリアップへ訪れた。

「オークン、オークン」

と、英語が話せない彼は、何度も感謝の言葉を繰り返してくれた。ベテランなのに、腰は低い。

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そして、Kim San氏が描くPagoda Around Khao I Dang Refugee Campは在カンボジア日本大使館賞を受賞する。

授賞式でKim San氏が壇上に上がると、他の受賞者と違い、大きな笑いがこだまする。Kim San氏がユーモアたっぷりに、受賞のコメントをしているのだ。

決して、この作品の題材は明るいものではない。
カオ・アイ・ダン難民キャンプの生活は、とても苦しいものだったはずだ。

しかし、彼にとっては大切な思い出の一コマなのかもしれない。

なぜなら、その美しい筆さばきで描かれたのどかな風景からは、決して悲壮感は感じられないからだ。

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こちらの記事でもWhiteCanvasについて書かれています。


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