環境とマンガの街・北九州市【ワッティーってなに?】
世界遺産・八幡製鐵所を抱える北九州市は環境都市だ。
八幡製鐵所を含む北九州地域は明治期より重化学工業地帯として、日本の四大工業地帯の一つとして発展する。
しかし産業の隆興に伴い、大気汚染や水質汚濁も深刻化する。「公害の吹き溜まり」と呼ばれ、激しい大気汚染に市民も悩まされていた。
しかし、水俣病や四日市喘息のような公害問題と比べると、北九州の公害問題の知名度は低い。
なぜなのか?
それは、八幡製鉄所で働いている労働者の妻たちにより組織された婦人会の頑張りの賜物だったのだ。
婦人会は、自分たちの子どもたちが公害の危険に晒されていることに気づき、公害に対する反対運動を起こす。しかし公害の健康被害が、まだ一般に良く知られていない時代。
八幡製鐵所側も世間も簡単には動かない。
そこで婦人会は、独自に専門家を招いて調査項目や手法を検討、汚染状況や被害実態を調査する。そして1965年、婦人会は自主制作ドキュメンタリー映画「青空がほしい」を自分たちで制作・上映をする。
当時の北九州を伝えるこの映画は、多くの人の共感を得て、公害に対する社会の問題意識を高めることに大きく貢献することとなる。
まさにクリエイティブの力。
朝の連続ドラマでも取り上げられそうなほどの大ストーリーだ。
ところが、水俣病や四日市喘息などは、企業と裁判になりメディアに取り上げらる。
そのせいで、北九州市の公害問題は他の公害問題に比べると知名度も低い。
皮肉なものだ。
そんな、環境都市・北九州市。
小倉駅前で降りると、聞き覚えのある美しい声が響き渡る。
駅構内のアナウンスが「銀河鉄道999」のメーテルなのだ。
「皆さん、ゴミを散らかさないようにしましょう。
みんなで協力しあい、気持ちの良い駅にしましょう。(声・池田 昌子)」
と、母性溢れるメーテルの声で言われたものなら、言うことを聞くしかないだろう。
北九州は銀河鉄道999の作者・松本零士のゆかりの地。多くの漫画家を排出している漫画都市でもある。
そんな、漫画都市・北九州にある制作会社COLTは『街をMANGAにする会社!』をコンセプトで活動する制作会社。
そんな制作会社COLTが、北九州市上下水道局からの依頼で制作したのが『ワッティーの環境紙芝居』の動画だ。
我々ソーシャルコンパス以外が、初めて作ったワッティーアニメ。
違う制作会社がワッティーアニメを作ってくれるということが、生みの親としてとても感慨深い。雛鳥が巣立つところを見る思いだ。
『ワッティーの環境紙芝居』は動画だけではなく、実際の紙芝居も制作された。
北九州市上下水道局が、プノンペン市内の小学校で環境イベントを実施した際にも、紙芝居の読み聞かせも行なった。
プノンペン市と北九州市は姉妹都市だ。
上水道や下水道など、プノンペン市と北九州市を繋ぐプロジェクトが動いでいる。
それに続いて、ワッティーや漫画カルチャーなどを通じて北九州市と連携していきたい。
環境や文化などたくさんのことで、カンボジアは北九州市から学ぶことがたくさんあるが気がしてならない。
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