急須

備忘録として始めました。何か有益な情報を発信するわけではなく、頭の中を垂れ流しながら整…

急須

備忘録として始めました。何か有益な情報を発信するわけではなく、頭の中を垂れ流しながら整理するためのものです。あしからず。

最近の記事

「ラーゲリより愛を込めて」を見てきた。

「ラーゲリより愛を込めて」を見てきた。 鑑賞後の言いようもない感覚を、悪戦苦闘しながら言語化したものを、ここに書き留めておく。 この作品は、山本幡男という優れた人格を有する人物が、シベリア抑留という極限の状況の中で、「人間であること」を辞めなかった物語である。 この作品のHPには「過酷な状況下でもあくまでも人間らしく生きようとする姿に心打たれ、前を向いて歩かねば、と鼓舞されました。」「この映画はいわゆる“戦争映画“ではありません。人間賛歌の映画であり、愛の物語です。」などと

    • 「ウーマン・トーキング 私たちの選択」を見てきた。

      まずは予告編を見てほしい。 優れた考察やコメントは、すでに各所にある。私は、自分が考えたことを、私のために書き残しておく。 どこか遠くの、まるでファンタジーのような世界でおこった出来事のように見える作品。しかしその実、この映画の中で起こった出来事は、今まさに、私たちが生きている社会の中に、構造的な暴力の問題として存在するのだということを、確固たる現実としてつきつけてくるような、そんな作品だった。 閉鎖的な、ホモ・ソーシャルな空間が支配する村で、女性たちは何世代にもわたっ

      • ケニア大使の国連安保理での演説

        ケニア大使の国連安保理での演説。ケニアは安保理の非常任理事国。 ------- 「ロシアは、平和のために植民地時代の国境とともに生きていかなければならないアフリカの国々から、言葉を借りなければならない。」 この状況は、アフリカの歴史と重なる。ケニアもその他の国も、帝国の終焉によって誕生した。国境はロンドンやパリ、リスボンといった大都市で、我々を無視してひかれた。アフリカでは国境の向こう側に、歴史的、文化的、言語的に深い絆で結ばれた同志が住んでいる。民族が国境で真ん中に切

        • 「クナシリ」を見てきた。

          昨年からずっと気になっていた映画がある。 2022年になって、ようやく見ることができた。 作品は1時間程度。私たち日本人が「国後島」と呼び、ロシアに対して「返還」を呼び掛けている、そんな島に暮らす人々にスポットをあてた作品である。 作品を手掛けたコズロフ監督の問題意識は、現代ロシア社会が抱えている矛盾を描き出すことにある。 出典:https://kounachir-movie.com/ また、当該作品について、ロシア人留学生も交えて交わされた意見交換会では、 との

        「ラーゲリより愛を込めて」を見てきた。