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【学習塾経営】SNSの口コミから分析するオンライン授業・映像授業の活用・改善事例


今回は、学習塾を経営する弊社が、オンライン授業・映像授業を取り入れるか否か、また取り入れるのであればどの様な点に注意すべきかを知る為に、SNSの口コミを分析しました。

本記事では、その分析の工程と得られた結果について解説します。

◆こんな方必見◆
・ソーシャルリスニングに興味がある
・SNS分析でどの様な事ができるのか知りたい
・まだ自社でSNS分析を取り入れていない
・オンライン授業・映像授業の導入を検討している
◆活用ツール◆
マーケットリサーチツール「Brandwatch」


新型コロナウイルスの影響で、教育の現場は大きく変化しています。
学校に次いでその影響を受けているのが学習塾でしょう。

弊社でも3ブランドの学習塾を運営しておりますが、その影響は少なくありません。

・ご家族の状況から通塾ができない
・電車やバスなどの公共交通機関を使えず通塾が難しい

こういった相談を受ける回数がグッと増えました。


私たちと同様に、このような理由から退塾を選ぶ生徒様・保護者様を抱える学習塾も少なくないでしょう。

学習塾は長く通っていただくことで、収益につながります。
もちろんそれまで見ていた生徒を志半ばで手放すことは教育に携わる者として避けたいことですよね。


そこで、このタイミングで学習塾経営者・運営者の方が考えるのは「オンライン授業」「映像授業」の導入・活用でしょう。

とは言え、私たちの年代には馴染みもなく、
「導入して生徒がついてこれるのか」
「導入して生徒満足度・保護者満足度を維持・向上できるのか」
という不安を抱えている方も多いでしょう。


そこで今回は、SNSの口コミ分析(ソーシャルリスニング)から分かる、オンライン授業・映像授業の活用・改善事例についての調査結果を解説していきます。

==この記事のポイント==
・インターネットを活用した授業は形態が様々なので、メリット・デメリットを正しく把握することが重要
・実際にオンライン授業・映像授業を使っているユーザーの生の声が一番参考になる
・SNS上の口コミから懸念点を事前に予測し、対策を立てておくべき
=============


◆オンライン授業・映像授業とは?

教育に携わる方であれば、「オンライン授業」「映像授業」という言葉を聞いたことがない方は少数派でしょう。

とは言え、このような新しい形の授業が多くの学校や塾で取り入れられるようになり、その形も少しずつ変化しています。

そこでここでは、今回の前提となる「オンライン授業」「映像授業」について改めて解説します。


①オンライン授業

オンライン授業とは、インターネットを通して行う授業です。

北海道大学のオンライン授業導入ガイドによると、オンライン授業は
・同時配信授業
・オンデマンド授業

に分類されます。

一般的なオンライン授業は、同時配信授業に分類されます。


同時配信授業では、講師がリアルタイムで授業を行い、生徒はそれを視聴します。

1対1の授業はもちろん1対複数人の授業も可能で、双方向でコミュニケーションを取ることができます。

今までの授業スタイルを崩さずに授業を行うことができるのがオンライン授業です。


②映像授業

映像授業もインターネットを通して行う授業です。先ほどの分類で言えば、オンデマンド授業にあたります。

こちらは講師が事前に撮影した授業動画を、生徒が好きなタイミングで視聴します。

講師も生徒も好きなタイミングで授業撮影・視聴ができるので、双方に負担が少ない授業スタイルになります。

オンライン授業との大きな違いは、双方向でのコミュニケーションができず、そのために講師が授業スタイルを変える必要がある点です。


◆SNSの口コミから分析するオンライン授業・映像授業のメリットとデメリット


インターネットで検索すると、オンライン授業や映像授業に関するメリット・デメリットが出てきます。

しかし導入や改善にあたって私たちが知りたいのは、ユーザーである学生たちの生の声=口コミでしょう。


そこでここでは、実際にSNSの口コミ分析(ソーシャルリスニング)からわかる、オンライン授業・映像授業のメリットとデメリットを解説します。

今回はSNSのマーケットリサーチツール「BrandWatch」をお借りして、
分析を行っていきます。


①オンライン授業のメリット・デメリット

まずはオンライン授業のSNS上の口コミを見ていきましょう。

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(Twitter分析/2019年10月〜2020年9月)

こちらは、Twitter上のオンライン授業に関する投稿で、多く使われたワードがピックアップされています。

文字の大きさによって、使われる頻度の多さが表現されています。


【オンライン授業のメリット】

この口コミから、メリットにつながるワードをピックアップしてみます。

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「良い」「頑張っ」のようなワードが、ポジティブな口コミだと考えられます。そこで実際にこのワードが入ったツイートを見てみます。


パターン1:「良い」の口コミ

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このように、オンライン授業によって移動時間が短縮される点にメリットを感じている学生さんは少なくないようです。

小学生や中学生であれば遠方から通っている塾生さんは少数派でしょうが、高校生になると電車を乗り継いで通塾していたり、部活動などのハードスケジュールの中で通塾している塾生さんもいるでしょう。

こういった学生さんにとっては、学校や自宅でも受けられるオンライン授業のメリットは大きいと言えるでしょう。


パターン2:「頑張っ」の口コミ

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こちらは大学のオンライン授業に対する口コミですが、ここからは、オンライン授業だからこそ、学びの姿勢に主体性が現れていることがわかります。

オンライン授業を導入して今までの授業スタイルから変わることで、
「生徒が受け身になってしまうのではないか」
「生徒がきちんと授業を受けられないのではないか」

などの不安を感じてしまうのは当然だと言えるでしょう。

しかし生徒たちも自らの勉強がなかなか進まないことを危惧しています。

このような中でのオンライン授業だからこそ、今まで以上に積極的に学ぼうとする姿勢を見せてくれる学生さんもいます。

言い換えれば、塾生への促しや声がけによっては、今まで以上の学習効果を生むことができると言えるでしょう。


【オンライン授業のデメリット】

では次に、オンライン授業のデメリットがわかる口コミを見てみましょう。

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パターン1:「PC」の口コミ

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オンライン授業の導入・活用にあたって気になるのが、塾生の受講環境ではないでしょうか。

パソコンなどの機材や通信環境が整っていないと受講できないのがオンライン授業のデメリットです。

こちらも大学のオンライン授業への口コミですが、実際にパソコン機材やインターネット環境で苦労している学生が存在することがわかります。

学習塾においてオンライン授業を導入・活用する場合には、
・パソコンやスマホの有無やインターネット環境を確認する
・オンライン授業ができない場合の代替案を考えておく

必要があるでしょう。


パターン2:「良い」の口コミ

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一見良い口コミに見える「良い」ですが、よく見てみるとオンライン授業に伴うデメリットがわかります。

オンライ授業導入に8割以上の学生が肯定的である一方で、1年生の約半数が孤独や不安感を感じていることがわかります。

こちらも大学生の口コミではありますが、学生の心理は同じでしょう。

学習塾においてオンライン授業を導入する場合には、こういった塾生の不安や孤独感を解消できるような取り組みも導入する必要があると言えるでしょう。


②映像授業のメリット・デメリット

では次に、映像授業(オンデマンド授業)のSNS上の口コミを見ていきましょう。

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(Twitter分析/2019年10月〜2020年9月)

映像授業(オンデマンド授業)に関してよく使われているキーワードはこのようになっています。

ここで「塾の映像授業」というキーワードをピックアップしてみていきます。

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このように、映像授業(オンデマンド授業)では、生徒はあらかじめ撮影された授業を視聴することになるため、講師側から見れば、生徒の状態に合わせて臨機応変に対応することができません。

そのため、視聴している生徒の集中力を持続させられなかったり、理解度を高められなかったりして、退塾につながる可能性もあります。

映像授業(オンデマンド授業)を導入するのであれば、これらへの対策が必要になるでしょう。


◆弊社での活用事例


弊社の学習塾では以前から映像授業を導入しておりましたが、これらの分析をもとに以下の点を改善しました。

・オンライン授業と映像授業(オンデマンド授業)の併用を開始
・コミュニケーションアプリの導入
・オンライン面談の実施


①オンライン授業と映像授業の併用開始

映像授業は講師の負担が軽くなる一方で、生徒の状態に合わせた臨機応変な対応が難しくなるデメリットもあります。

そこで、映像授業とオンライン授業を併用することで、講師の負担を軽減しつつ、生徒の満足度を高める施策を実施しました。

<併用方法>

・文法や公式の解説は映像授業で行い、授業の冒頭で視聴してもらう。
・生徒は映像授業を視聴後、講師が指定した問題演習を行う。
・映像授業の視聴と問題演習が終わったら、オンライン上で講師が質疑応答をし、生徒の理解度を深める。

視聴する映像授業は全生徒共通である一方で、演習する問題は生徒に合わせて講師が選定するため、生徒も集中して取り組むことができるようです。

また映像授業も生徒の集中力が途切れないよう、できるだけ短時間のものを活用しています。


②コミュニケーションアプリの導入

オンライン授業や映像授業で、生徒とのコミュニケーション不足を懸念する方も多いでしょう。

実際に口コミでも、孤独感や不安を感じやすいことがわかりました。

そこでコミュニケーションアプリを導入し、生徒が気軽に講師と連絡が取れるような施策を実施しました。

ここでは、授業日程の相談などはもちろん、進路の相談や勉強の質問まで受け付けます。

そのため、生徒と講師のやりとりが今まで以上に密になるという効果を得ることができました。


③オンライン面談の実施

さらに生徒満足度を高めるため、オンラインでの面談も導入しました。

今までは対面のみの面談でしたが、オンラインでも実施することで生徒・保護者様もより気軽に面談ができるようになったようです。


◆まとめ


今回はBrainPad様より、マーケットリサーチツールの「Brandwatch」をお借りして分析を行いました。

ツールを活用したソーシャルリスニング分析を行う事で、弊社におけるオンライン授業・映像授業の導入活用事例について解説させていただきました。

>今回活用したSNSのマーケットリサーチツール「Brandwatch」はこちら

<この記事のポイント>
・オンライン授業や映像授業は生徒にとってもメリットがあり、声かけ次第で主体的な学習への姿勢を導くことも可能
・オンライン授業は双方向コミュニケーションができ、映像授業は講師と生徒の負担が軽くなる
・どちらにせよパソコンなどのインターネット環境の充実は必須
・ユーザーの生の声が一番参考に、通塾生の懸念点を予測し、対策を立てておくべき

弊社では、SNS上の口コミをもとに生徒にとっても保護者様にとってもより充実したサービス提供が可能になりました。

新型コロナウイルスの影響によってまだ不安定な教育現場で、どれだけ生徒の学力向上を促せるのかは、学習塾の腕の見せ所と言えるでしょう。


◆最後に

本記事を最後まで見てくださってありがとうございます。
弊社では学習塾以外にも、マーケットリサーチツールを活用し、様々なソーシャルリスニング分析サービスを行ってます。

ソーシャルリスニング分析サービスはこちらまで

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