アンテナ

目指せスーパースター。蕎麦宗です。

客足こそなかなか元のようには戻っていないものの、日々楽しいことや嬉しいことに囲まれて暮らせていることは有り難い限り。先日は電飾みたいなホタルの群を観てきたし、昨日も仲間と共に宝の山を見つけてきたし、明後日には25年来の願望が実現する。

偶然の重なりと奇跡の連続と、友人知人やお客さんからの沢山の刺激や愛情はとっても嬉しく幸せなこと。でも、それは多分僕のアンテナが「幸せのもと」みたいなものを拾い上げている側面もあると思っている。なぜならば、楽しいことや嬉しいこと、つまり《幸福》は案外小さくて、いや、ひょっとしたら大きすぎて、ただ世の中に流されて生きていたら、気づかないままに通り過ぎてしまうことが多いから。

例えば。もう半分終わろうとしている2020年だって、ほとんどはコロナの話題で終わるだろう。何年後かに新入社員として入ってきた若者に向かって、「コロナで高校総体が中止になった世代」や「コロナの年の生まれ」と言っている姿が、目に浮かぶ。

自分たちが「オイルショックの…」「オウム事件の…」「震災の…」と、幾度となく語り、言われてきた通り、悲しい出来事や悪い事件や気分が沈んでしまうことで、その一年を象徴させてしまうことを今までも繰り返してきた。おそらく人間というものが、特に日本人は、明るく楽しい話題よりも、暗く苦しい出来事に焦点を当て強く記憶してしまうという特徴があるからだろう。

人生には哀しいこともある。でも、たくさんの小さな幸せに包まれていて、それは大きな悲しい出来事よりもはるかに多く、本当は大きな幸福が僕らの目の前に広がっているはず。だから、2020年を「コロナの…」とつまらない話題で総括してしまわないように、今日も小さな楽しい出来事に目や耳を傾け、匂いや手触りで探りながら、大きな幸福へ向かって、「今」この瞬間の人生を走っていけ。

光るような伊豆の青い海と緑の山を、サドルから降りて立ち止まって眺めた時、ふと、そんなことを思った。

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