火のない所にも煙は立つ
旅するスーパースター、蕎麦宗です。
袴田事件をご存知だろうか。1966年に静岡県清水市の民家で味噌製造会社の専務一家4人が殺害された事件の通称である。
その犯人として逮捕・投獄された袴田巌さんが無実を訴え、60年近い長期に渡って闘い続けた再審の結論がいよいよ下されんとしている。
味噌樽に隠し漬けられた血痕の付いたTシャツが、一年後に真っ赤な鮮血のまま証拠として現れ、それが決め手となったという。実にあり得ない話だが、そういった不可解な検察の捜査や捏造疑惑、あるいは裁判の在り方にも一石を投じる事件として知られ、まもなくそれに終止符が打たれることになる。
さて。なぜにこの話を持ち出したのか。実は同時期に同じ静岡県内で起きた冤罪事件騒動が報じられていたからで、天竜林業高校成績改ざん事件 という。2008年当時、県立高校の校長が天竜市長から孫の成績改竄ざんの依頼を受け、それを部下の教員に指示したうえに、市長からその報酬を受け取ったとされる事件で、詳しい経緯を知りたい方はこちらのリンクをご覧ください。↓
さて、では何故にこの事件を取り上げたのか。それは、静岡県立天竜林業高校は、僕が大学卒業後に教職員の初任で4年間勤めた学校であり、北川校長(当時は学科主任)先生は、お世話になったとても身近な方だからだ。温厚で真摯で、正義感とバランス感覚に溢れ、人間出来てるってこの先生のような人なのだなぁと思っていた。こういう大人になりたいと思えるような、尊敬するお手本のような人格者だった。
だから、ニュースでこの事件が流れた時、僕は耳を疑った。
『まさか、この人(北川先生)に限って絶対にそんな不正をやるわけがない』
だった。ひょっとすると誰かにはめられたのか？！教職員とはいえヤクザのように悪い奴もいる。成績改竄の話を持ちかけたものの、北川先生から却下一蹴されたことに逆恨みして、偽装の内部告発をして…。そんなドラマめいたことも実際にはあり得る。
その後、一貫して無罪主張したものの、市長の証言が決め手となって2010年に有罪判決を受けた。しかし、事実無根だとして2016年に再審請求すると、なんとその場に、当の市長も加わっている。
『警察からの自白強要により《嘘》の証言をした』
と、天竜市長は自白を撤回し、謝罪会見をした。良心の呵責に耐えきれなかったためだと言う。
やはりだ。僕は、北川先生は絶対にやっていない、無罪だ、これは冤罪事件だ。そう思っていた。その後、地裁での棄却を受け、2021年には最高裁での再審請求をしている。
…そこへ、ニュースからの一報が飛び込んだ。
『天竜市長にアリバイ。無実を求める校長の証言を裏付ける』
もともと|賄賂を手渡したとされた日に、天竜市長が学校ヘ来ていないことは、事務の来訪手続きの記録にも一切なく、当初より明らかだった。そこへ加えて、その日時に銀行への来店記録が見つかり、やはり来校していない、賄賂を手渡していないことが証明されたのだ！。
やはりだ！良かった。北川先生は無実だ。
2024年6月現在、残念ながら裁判の結論はまだ出ていない。検察は隠蔽のための引き伸ばし工作をしてるとしか思えないのは、袴田事件と同様だ。
冤罪に限らず、不当な逮捕も枚挙にいとまがないのは*ホリエモン、鈴木宗男やカルロスゴーンの事件でも周知の通りで、警察や検察、あるいは裁判所といった公的機関の悪しき体質の改善は急務だと思う。
《火のない所に煙は立たない》
と人はいう。しかしながら、そんなことはなく
【火のない所にも煙は立つ】
正確には、全く否のない所に煙(疑惑)を立てる不届きなヤツがいる、だ。
それでも、この人に限っては本当に100%その悪はあり得ない、という人間がこの世にはいる。それゆえに真逆な、対局にある《悪》と対峙せずにはいられない人生となるのだろうか。
一見気の毒にしか思えないことではあるが、そのような方が世の不正を正してゆくのだろう。崇高な魂のお役目とその行く末を、しっかりと見届けたいと思う。
よし、ガンバラナシませう。
*ホリエモン、鈴木宗男やカルロスゴーンの事件…国家権力に都合の悪い人物や活動を抹消するために、特別立法までして人権を無視して不当逮捕した事件。実刑、最長抑留の後釈放、海外逃亡と結果は異なるが、歪んだメディア報道のせいで名誉は回復していない。
#袴田事件 #冤罪 #人格者 #魂 #お役目 #カルロスゴーン #ホリエモン #鈴木宗男
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