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「象、死んだ魚、嘔吐」を使ってわるい知らせをチームで話し合う

まわりで試してみるという声がちらほら聞こえてきた「象、死んだ魚、嘔吐」をチームてやってみた。

これは、書籍『Airbnb Story』に出てくる、難しい会話を促すためのツールだ。

わるい知らせを共有するのは勇気がいる。非難されるかな、自分の能力が低いと思われるかな。後ろ向きな想像をしてしまう。

だけど、わるい情報は早く共有して対処するのがもっとも効率がいい。

「象、死んだ魚、嘔吐」は、わるい知らせを話し合い、チーム活動をより良くするための後押しをしてくれる。

それは、「象、死んだ魚、嘔吐」という、難しい会話を促すためのツールだ。「象」とは、口に出さないけれど全員が知っている真実。「死んだ魚」とは、早くゴメンナサイをしたほうがいい悩みの種のことで、これを放っておくとますます事が悪化する(「僕はしょっちゅう『死んだ魚』の後始末をしていた」とゲビアは語った)。「嘔吐」とは、人々が断罪されずに、思い切り胸のつかえを吐き出してしまうことだ。ゲビアはフィードバックを受けた中から、それぞれに関係する自分の行動を挙げていった。

『Airbnb Story』 「わるい知らせはなにかな?」より

ある程度の関係性と、チームの切迫感が必要そうなワークだなと思い、はじめは使わないようにしようと思っていた。今のチームの関係性はそこそこだが、そこまで大きな課題がないように見えており、(何かしらの不安や課題、リスクはあるはずではあるが)このツールを使う意味を持たせにくいと考えたのだ。だが、アイスブレイクを工夫すれば、うまくいきそうだと考えなおした。

隔週でしているチームのふりかえりで、「象、死んだ魚、嘔吐」を実施。そこで、いつもの「今の気持ち」を話すチェックインではなく、「言わなかったことで後悔していることはありますか?」という問いに答えてもらうことにした。

いろいろな「言ったほうが良かったもの」が出た。僕は、顧客への提案時に高すぎる価格設定を指摘することができず、失注したことを付箋に書いた。同じように仕事のことを書く人や、学生時代の青春エピソードをさらけ出してくれる方もいて、新鮮さを感じられるアイスブレイクとなった。

このアイスブレイクをすることで、文脈設定(わるい知らせははやく言おう!)がうまくできたように思う。本題に入り、ふだんのふりかえりでは出ないような、未来の不安やリスクを話し合うことができた。

ちなみに、今回はLeanCoffee形式で「象、死んだ魚、嘔吐」を扱った。

チーム作りというと、ポジティブ面を重視する人がおおい。しかし、プレモルテムのように、ネガティブな面を話しあうツールもいろいろある。良いチーム活動をするには、負の面を見るようにすることも必要なのだ。

こうした日々の活動からネガティブなフィードバックを扱う練習をすることで、心理的安全性や自律性が育まれていくのである。


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