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成人発達理論と「箱」から脱出する方法の本を読んで内省をした話

これは、「ふりかえり(表) Advent Calendar 2023」の12日目の記事です。

最近、うまくいかないことがあった。あまり詳細には言えないのだが、大雑把に表現するとコミュニケーションの話だ。

「いったい、僕はどうすればいいのだろう」と悩みすぎて、社内の1on1を欠席にさせてもらったりもした(申し訳なかったです…)。

今は、かなり前向きになれている。たまたま手元にあった二冊の本が内省につながり、立ち直るきっかけになったのだ。


一冊は、『なぜ部下とうまくいかないのか』という本。知人に「成人発達理論は、かなり有用な考え方だよ」とおすすめしてもらった。

成人発達理論というのは、ざっくり説明すると、成人は下記のステップで意識する範囲が拡大(発達・成長)していくという理論だ。

発達段階1:具体的思考段階
 →成人期以前の状態
発達段階2:道具主義的段階
 →自分だけに焦点があてられており、他者を道具とみなす
発達段階3:他者依存段階
 →集団(社会、会社、組織)のルールや慣習、基準に従う
発達段階4:自己主導段階
 →自分の価値感や意志決定基準の下、自律的に行動する
発達段階5:自己変容・相互発達段階
 →自分の価値感にとらわれることなく、相反するものも受容できる

※『なぜ部下とうまくいかないのか』を基に筆者がまとめた

ちなみに、この発達段階は、発達が進んでいくほど良いもののように見えるが、そうではない。良し悪しは、時と場合による。本文にあった、この例がわかりやすい。

例えば、美しい紅葉を目に焼き付けておきたいと思っているときに、素粒子レベルまで捉えることができる解像度のレンズは必要ないですよね。この場合、そのようなレベルの高いレンズは不必要だと言えます。

『なぜ部下とうまくいかないのか』より

さて、僕はどこの段階にいるかというと、(自己評価は危険そうだとは思いつつ)発達段階4なのかなと考えている。自分のビジョンを確立し、そこに向かって行動し、自己成長できていると感じているからだ。

さらに、発達段階4の、この特徴も当てはまっている。「自分の価値感とは異なる考えや意見を受け入れることができない」。今回のコミュニケーションにおける問題は、ここが大きな原因だったように思える。

価値感に共感してくれる人とはうまく付き合えているが、僕は、異なる価値感を持つ人とは健全な会話ができていないのだ。

この問題を乗りこえていくには、他者を見る目を変えなくてはならない。他人を単なる物、脅威、邪魔者と見るのではなく、自分と同じように価値感を持っていたり、ニーズがあり、希望があるという、ひとりの人間として見る。僕に内省をうながしてくれた二冊目、『自分の小さな「箱」から脱出する方法』では、それを「箱」の外に出ると表現している。

この本が伝えたいことは、いたってシンプル。人間関係の問題を引き起こす原因はたったひとつ、「箱」に囚われていることである、だ。その対処方法が、「箱」から脱出するということになる。

とあるワークショップに参加したとき、ファシリテーターが、「同僚やクライアント、みんなにおすすめしている本」として紹介してくれた。

まだ、「箱」に囚われているとはどういう状態かを説明する部分までしか読めていない。過去にあったコミュニケーションの問題がどんどん頭に思い浮かび、猛省をしながら読み進めていっているところだ。

しっかり、「箱」から脱出できる方法を身につけていきたいと思う。


まったく違う場所で、違う人から、同じタイミングですすめられた本にここまで関連性を感じるとは思わなかった。それだけ、僕が解決策を求めていたのだろう。

自分の状態、その状態になっている原因、本に対策が載っていそう。この3つを認識できたことで、目の前が開けたように感じた。

非攻撃的なコミュニケーションについての興味・関心も出てきたので、「箱」の本を読んだ後は、NVC(非暴力コミュニケーション)についても学んでいければと思っている。

また、本の内容だけではなく、いろいろな人と話をすることも立ち直る大きなきっかけになった。コミュニケーションは人生の柱なのだと、今さらながらに気がついた。


辛いときには、本を読もう。自分をふりかえるきっかけになるのだから。


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