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視点を複数持つことが大切

この記事は、ふりかえり Advent Calendar 2021の19日目の記事です。

複数の視点がないと本当の姿は見えてこない。

チームで行うふりかえりに限らず、参加者の色々な意見を出すことが重要なポイントとして挙げられます。あらためてそうだよなぁと感じたことが何度かあったので、その体験をふりかえってみようと思います。

意思決定における複数の視点

今年読んだ本の中で、特に勉強になった中の1冊である『決断の本質』にも視点の大切さが書かれていました。

意思決定の本質は良い決断をすることではなく、決断に至るまでの過程を正しく運営することです。その過程の中で、(感情的ではない認知的な)対立や衝突をうまく組み込むことが良い意思決定につながります。

対立を起こすための手法として、「悪魔の代弁者(あえて反対意見や指摘をする役割の人を設ける)」や「シックスハット法(客観的、主観的、悲観的、楽観的、創造的、統制的とう6つの視点に立って議論やアイデア出しをする)」が紹介されています。何の補助もなく複数視点でものを考えるのは難しいので、このような半ば強制的に複数視点を持てる仕掛けの重要性をあらためて認識することができました。

その分野の本を複数冊読む勉強法

何かしらの勉強をする場合は、関連する本を複数冊読むと良いというアドバイスをよく耳にします。これは資格試験でもそうなのだなと感じました。

ぼくは今年、2つの資格試験に合格しました(AWS ソリューションアーキテクトアソシエイト、情報処理安全確保支援士)。試験対策として参考書+過去問を解くというオーソドックスな勉強法をしていたのですが、参考書は複数冊読みました。

特定の試験の内容をまとめたものなので、もちろん内容は似たり寄ったりなのですが、内容のまとめ方、構造化のしかたが異なるので自分の頭の中を整理するのにとても役立ちました。明らかにゴールが見えているようなものでも、人によって捉え方が違うのですね。

いろいろな人がいるから多様性があるわけではない

「多様性」という言葉を聞かない日がないくらい、いろいろな人のいろいろな意見が重要視されている時代になりました。ただ、この多様性を扱う際に、「多様な人がいる状態」と「多様な意見が出ている状態」を分けて考えた方が良さそうだと考えています。

今年ぼくが支援をしたあるチームのふりかえりで品質保証担当の方がつぶやいた一言がとても印象に残っています。

「今まで、こんなにテスト担当者の意見を聞いてもらえるチームはなかった」

おわりに

けっきょく、なぜ多様な視点が必要なのかというと、より良い結論を導くためだと思っています。そのために、「多様な意見が出ている状態」が作れるようにしていきたいですね。

「討論は、写真をコントラストをはっきりさせるプロセスによく似ている。その結果、画像がよりはっきりすると、より多くの情報に基づいた意思決定ができるようになる。それはまた、より正しい決定である可能性が高い」

書籍『決断の本質』

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