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コロナ下で「おしゃべりな地蔵」と化した記者の買い物備忘録

2020年2月。それは突然やってきた。

私は経済記者という立場であったため、それまではとにかく外出が多かった。世の中の「取材」「説明会」「発表会」というものはほぼ対面であったからだ。

それが突然なくなった。

それまでも、仕事は私物のSurface Proのみでこなしていた。今思えば、原稿を書き、赤入れをするためだけにPCを使っていた。幸せな頃だった。

そうして、コロナ感染者が増加する中、ほぼすべての対面取材がリモートに移行した。

もともと直行直帰が多かったとはいえ、実際ずっと家で仕事をするにはいろいろなものが足りなかった。なんせ、机がなかった。もっというと、机を置くスペースがなかった。

あれから2年弱。必要なものを継ぎ足し継ぎ足し秘伝のたれ状態になりつつある。なんとなく状況が改善し始めたのを体感しつつある今、回顧録として買ったものをただただ書き連ねていこうと思う。

ただただ買ったものを並べる

「なぜそれを買ったのか?」はお察しください。

ここには書いていないが、Zoomのライセンス契約もした。サブスクリプション系の出費も増えたなあ。

あと、この記事を書くためにAmazonの注文履歴を見てみたら、とにかくマンガの購入量が異常だったな……。ストレスたまってたんだろうな……。

直近で買ったアイリスオーヤマのドラム式洗濯乾燥機は、本当に買ってよかった。それまで使っていたのは10年前に買った縦型の洗濯機(乾燥は送風)が壊れてからの買い替えだったから、生活の質も洗濯の質も劇的に上がった。他のメーカーの1/3以下の価格なのが不思議なくらい、悪いところが何もない。

なぜこんなに物を買ったのか

本来あまり物欲はない。しかし、自分が一日中家にいることになり、暮らしに快適さを求めるようになってしまった。

今までは、「家」で過ごす割合は意外と低かった。それが、一日中過ごさねばならない場所になり、面倒で目をつぶっていたことがはっきりと見えてしまうようになってしまった。

とにかく、モノがあふれている。片付いていない家にいると、自分がダメな人間であると言われているようでストレスがたまる。

こんなところで過ごすのは嫌だ。散らかっている。狭い。机も置けない。家族がさらに散らかす。掃除するのは私一人。無理だ。

私の中で何かが切れた。

ストレスが限界に達し、掃除片付けに手を付けたのは2021年に入ってからだ(遅)。捨てないけれど使わないものは片っ端からサマリーポケットに預け、片付けをするためのスペースを作った。

私一人ではとても片付かない。casyなどで部屋を片付けてくれる人に来てもらった。計6回×各3~5時間ほど来てもらい、家の中の配置換えも全部お願いした。片付けというより、断捨離の要素が強く、毎回ゴミ袋が5個以上たまった。こんなにもいらないものがあったのかと愕然。すっきりした押し入れが生まれ、サマリーポケットから呼び戻した荷物を収納した。

この作業で、物置になっていた部屋が空いた。ここを子供部屋にあて、散らかり放題だったもう一つの部屋(こっちもほぼ物置)に布団と机とPCを配置し、いつでも夜間作業OK体制の部屋を作り、現在に至っている。

そういえば、子どもたちが取材中に「ただいまー」と部屋のドアを開けてしまうことが地味にストレスだったので、仕事をする方の部屋に内カギを取り付けてもらった。自宅で仕事をしているからといって、子どもと遊ぶ時間が増えるわけではない。子どもにとって、親が家で仕事をしているのはかえってストレスなんじゃないかなあと心配になる。実際どうなんだろう。

買ってよかったものナンバーワンは

さて、買うことで劇的に楽になったNo.1グッズとしては、オフィスチェアを挙げたい。

自宅作業になって一番つらかったのは、座り仕事で姿勢も変えずに原稿を書き続ける羽目になったことだった。今までは外出して動いていたが、それすらなくなったのため、もはや「おしゃべりな地蔵」と化していた。

コロナ禍で在宅勤務が始まった当初、キャンプで持ち運ぶような折り畳みの簡易テーブルを布団の上に置き、そこでPCを開いて仕事していた。はたから見るとなかなかシュールな光景であったと思われる。

ずっと正座に近い状態で座っているのと、作業スペースが狭いために体を丸めることになってしまったことで、とにかく首と背中が鉄板のように固まってしまった。

これはいかんと昇降式のテーブルを購入。なんとか椅子に座って作業ができるようになったが、椅子はなかった。そのため、余っていた食卓用の椅子を使用して仕事することになったのだが、それがいけなかった。

当然だが、ダイニングチェアは長時間座ることを想定していない。座面が固く、背もたれも角材の組み合わせのようなもの。しばらくして、腰を痛めて歩くのもままならず、お尻に痛み止めのブロック注射を打つ羽目になってしまった。

そこで、「そうだ、椅子は買うべきものだったんだ」と悟る。椅子なんて座れたらいい、そう思っていたあの日の私にグッバイ・フォーエバーである。

でも、どれを買えばいいのか。椅子ってそもそもどこに売っているんだ。ネットで買えるのか。

そんなことを友人にメッセンジャーでまくしたてると、「椅子は座ってみないとわからない」と忠告される。経験者は語る。彼女もかつて腰を壊した旅人の一人であった。

オフィスチェアのショールームがあると知り、某家具店で座りまくることができた。前傾姿勢でも自然な姿勢が取れる独特の座り心地に感動し、オカムラのルーチェを購入した。

しかし、椅子がこんなに高いものとは知らなかった。その後、たまたまオフィスチェアに詳しい人に話を聞いて知ったのだが、オフィスチェアは金型を作ることにお金がかかるのだという。5万円以下で作ると必ず何かの機能をあきらめなくてはならなくなるとのことだった。会社で何も考えずに使っていた椅子も、そこそこの価格なのである。みなさま、会社に感謝し、座面に感謝してお座りください。

家でオフィスチェアを買う日が来るなど、2年前には考えもしなかった。

とはいえ、こういう日がいずれ来るはずだったし、それが早まっただけだったように思う。この2年の投資が無駄にならないよう、私は今日も元気に原稿を書く。

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