2022.1.18

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なんでこんなことになってるんだ。

憎きオミクロン株によって中止された、幻の国内組限定日本代表メンバーである。

負傷や体調不良によって離脱者が出ているものの、新たな原石を発掘する上でこんなにも心許ない選出でいいのだろうか。

ポジションごとに区切って私見を示したい。

GK

選出:権田修一

谷は怪我のため不参加。にしたって他に呼ぶメンバーはいたろ。
そもそもGKの主力が国内組なのが寂しいのである。海外でプレーしている選手の内で、ファーストチョイスになり得るのは川島永嗣か。
シュミット=ダニエルと中村航輔がいるものの、どちらも権田のハイパフォーマンスを脅かし得ない。というか権田クラスでも海外では通用しないってどないこっちゃねん。
シュミットは足元に優れるがセービングに不安あり。長身なのでハイボールの処理は得意だが権田の反射神経に比べると見劣りする。
中村はセービング技術は高いが権田ほどの反応速度がない。
川島は上手いがコンディションの波が激しい。だが当たれば権田を凌駕する(ロシアのときみたいに)。

とにかく、GKは相変わらず不作である。権田修一を越える存在が出てきてほしいが、有望な谷が負傷となれば後続に乏しい。
五輪世代の大迫、沖、小畑は谷の後塵を拝す。
前川、菅野、飯倉、梶川といった中堅選手もいるが、やはり権田を脅かすほどの存在感も年齢的猶予もない。
そうなれば鈴木彩艶やオビ・パウエル・オビンナといった更に若い逸材を試すべきではないのか。どうなんだ森保一。

ちなみに有望な若手といえばベンフィカに小久保ブライアンもいる。
そしてさらに少し前の選手権を湧かせた熊倉匠もいるが彼いま何してるの?

何にせよ、カタールW杯は権田いく気配がある。

CB

選出:谷口彰吾、中谷進之介、西尾隆矢

去年のベストヤンガー瀬古が体調不良なのは仕方ないとして、鹿島でハイパフォーマンスを見せた町田を呼んでないのはなんでだ。代表メンバー発表当時、まだ海外移籍は未確定だった。
町田は高さだけでなくスピードとフィード能力にも優れる。左利きの冨安である(さすがにガナーズ復活の立役者の並べるのはまだ早いか)。はっきり言って呼ばない理由が分からない。人材難の左SBだってこなせるのに。

だがまあ比較的妥当な選出とは言えよう。代表ではボランチ起用にも応えられるクレバーイケメン谷口に守備の鬼中谷。期待の星西尾まで。
新戦力開拓とサブオプション定着の意図は感じられる。

菊池流帆を呼べと批判も多いし、近い将来は呼ばれるかもしれないが、エアバトルに優れる”だけ”の選手なら植田直通がいるし、それ”だけ”ではダメなことも彼が証明している。

いま求められているのは、もう1人の冨安健洋なのだ。

右SB

選出:酒井宏樹、山根視来

妥当、異論なし。

1st酒井宏樹2nd山根視来に続く3rdを探してもいいが、海外に室谷成や橋岡大樹や菅原由勢らがいる。
酒井が圧倒的過ぎるだけで、後続は充実だ。

強いて言えば、例えば三笘を抑えた常本圭吾や攻撃センス抜群の小池籠太らも候補か。
だがもっとJリーグを席巻する目覚ましさを見せてからの招集が望ましい。山根はそれをしているのだから。

左SB

選出:長友佑都、佐々木翔

最悪。バカじゃねえの。

ぬるい長友はぬるいのでバテるし守備ザルだしクリアが雑。

佐々木翔はテクニックが覚束なくプレーも忙しないし対人も国内でしか通用しない。

海外組を含めてもファーストチョイスは長友である。控えに中山がいて、そろそ逆転するか……?という頃合いだ。
中山に不足はない。安定感ある守備と的確な攻撃参加が三笘薫の躍動を支えている。

問題は中山を支えるバックアッパーだ。

候補には旗手怜央がいるが、非常に不思議なことに森保一はスーパーユーティリティプレイヤーを持て余す。どのくらい持て余しているかは東京五輪を見ての通りだ。「バックでもハーフでも好きにやってて~」という感じである。それができるのが旗手の強みだが、連携を深化させればもっと綺麗に崩せそうだったのに。

例えば候補には吉田豊がいる。名古屋グランパスのルヴァン制覇の立役者にしてうっちー一押しのSB。
長友がよくて吉田がダメな理由ってなんだよ。こんなに対人の強い選手を呼ばない理由が不明である。

あるいは中野伸哉を呼ぶとか。安西幸輝を呼ぶとか。
荒削りだが一芸に優れる選手を活かすのが監督の仕事のはず……それができたらアジアカップも東京五輪も獲ってるか。

ボランチ

選出:稲垣祥、脇坂泰斗、渡辺浩太、松岡大起

中堅から若手まで納得の選出である。

ミドルシュートのある稲垣、総合力の高いバランサーの脇坂、守備力の渡辺、ボックスtoボックスの松岡。
味を占めた4‐3‐3にしても、ボランチからインナーハーフまでを見越して起用できる4人である。

能力で言えば大島僚太は欠かせないが、負傷状況が見えないので戦力にカウントできない。

海外組を見てみよう。
パサーに柴崎、ディフェンダーに遠藤と守田、バランサーに田中碧、アタッカーに川辺、その他高さのオプションに板倉がある。

パサーのバックアッパーに大島が欲しい気がする。というより、他に司令塔はいないのか?

今回はウインガーかもしれないが、攻撃的オプションとして荒木遼太郎と江坂任はカウントできる。
だがそれも司令塔タイプではない。

いかに柴崎が貴重な人材かが改めて分かる。

WG

選出:江坂任、相馬勇紀、鈴木唯人、荒木遼太郎

左右どちらもこなせる人材である。そもそも論だが、右WGは飽和しているのだ。

ベルギーで大活躍中のIJ伊東純也がファーストチョイス。その背を追うのは、オランダを席巻する超新星・堂安律。他に奥川雅也や坂元達裕といったメンツが揃っているのだ。
今回選ばれた4人に枠が残っているとは到底言い難い。

そうなると問題は左である。

不思議なことに、ポイチマジックに掛かれば左の一番手はミナミーノになる。可哀想なタキは左で窮屈な役割を任されている。中央でゴール前に走り込んだり背負ってからターンしたり、そういうプレーがしたい南野の嘆きが聞こえてくる。

そんな中、台頭したのが三笘薫である。
台頭というか「はやく使えよ」とみんなが言っていたことが、ようやく実現したに過ぎないが、とにかく彼は圧倒的である。
中島翔哉も復活しつつある。守備もできる人材なら原口がいる。

改めて考えるとどこに入るスキがあんのこれ?

FW

選出:大迫勇也、武藤嘉紀、上田綺世

妥当、というより対抗がいない。林大地も前田大然も海外組になった。

半端ない楽天さんは半端ない。点が獲れなくても異次元のポストプレーで貢献している。
そうなるとゴリゴリ独力タイプの武藤とサポート必須ストライカーの上田は十分な差別化ができているが、大迫のバックアッパーにはカウントできないのだ。

海外では林大地が似た役割をこなせる選手として頑張っているが、何故かやたらとオフサイドラインを超す。大迫ほどクレバーではない。
高さのあるFWとしては原大智もいるが、どちらかと言えば点取り屋タイプ。

他に、オナイウ、武蔵、北川も候補と言えば候補か。
しかしそれぞれ、
オナイウ:独力型(身体能力が高くて愚鈍な武藤)
武蔵:バランス型(クレバーだが総合力でやや劣るオナイウ)
北川:ストライカー型(シュート力が高くてメンタルの弱い上田)
と一長一短である。

ポスト大迫はいないのだ。

正確には鈴木優磨がいるが森保とは仲が悪い。

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