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イギリス宗教改革って離婚問題だったん

の巻。

ちょっと仕事でイギリスの宗教改革について調べており(どんな仕事や)
そしたら離婚問題やったことが発覚。

事の経緯:
イギリスの国王ヘンリー8世が妻で王妃のキャサリン・オブ・アラゴンと離婚したいと考える
何故?→2人の仲は良かったものの悲しい死産など、男児に恵まれなかったことがきっかけ。娘(メアリー1世)はいたもののヘンリー8世は世継ぎとして男児を欲しがっていた。そこで別れて、別の女と結婚して男児を産ませようという気持ち。

まー現代で考えるとクズクズなんですが、この時代や王家ではさもありなんですよね。それがどうして宗教改革に繋がっていくのか。

さて、離婚したいと思ったヘンリー8世。しかしそこには大きなハードルがありました。当時のイングランドはローマ・カトリック教会の影響下にあり、結婚も離婚も教皇クレメンス7世の許可を得なければならなかった。

ヘンリー8世「離婚させてくれ!王妃は拒否しているが、俺は再婚したい」
クレメンス7世「だめだめ!許さん」

何でクレメンス7世が離婚を許可しなかったというと、
「一度成立した婚姻は、原則として解消するべきではない」
というカトリックの教えの部分と、
王妃キャサリンがスペイン王カール5世の叔母だったためということが大きかった。

当時スペインは最も強力なカトリック国家で婚姻解消を許可すれば、カール5世を怒らせてしまう→俺(クレメンス7世)の立場が危うくなる可能性があった。

そんな色んな思惑から婚姻解消を許可してもらえなかったヘンリー8世。
しかし諦めない。

「じゃあ認めてくれなくてもういいで~す。自分で教会作って俺が最高責任者になりま~す」

ということでヘンリー8世はイングランド議会を動員し新しく教会を作るための一連の法律を通過させ、イギリス国教会を設立!
ヘンリー8世が教会の最高責任者となり、最終決定権を持つことができるようになる。
ついにキャサリンとの婚姻解消、アン・ブーリンと再婚。
これがイギリスでの宗教改革の始まりです。

いやヘンリー8世の行動力すご!解決法えぐくない?

で、離婚するまでにどのくらいの時間かかったんかな~って調べてたら
1527年 ヘンリー8世がクレメンス7世に結婚を無効にしてほしいと嘆願
1528年~1529年 クレメンス7世は教皇裁判所を設置→結論出ず
このあたりでヘンリー8世はイギリス国教会設置に向けて動き始める
1530年 クレメンス7世は最終的にヘンリー8世の嘆願を拒否
1533年 イギリス国教会設立、婚姻解消、再婚

ということは1527年にお願いしてから離婚成立まで6年もかかってる!
一般的な離婚騒動より長いよね。ここまで来るとヘンリー8世頑張ったねとすら思えてくる。

ちなみにヘンリー8世と別れた後、妻のキャサリンとその娘メアリー1世は協力しながら慎ましく暮らし、
ヘンリー8世と再婚したアン・ブーリンはエリザベス1世という女児を授かるものの男児は授かることができず。ヘンリー8世との仲も冷え込み。。。
また別れたいと思ったヘンリー8世は、アン・ブーリンが複数の男性と不倫したとでっちあげ(諸説あります)、彼女は反逆罪と姦通罪で斬首刑に・・・

無茶苦茶だ・・・傍若無人だ・・・この人男児できるまで同じことやるやん

その後、ジェーン・シーモアと再婚し待望の男児エドワード6世を授かることができたヘンリー8世。
彼の望みは多数の犠牲のもとにここに叶ったと言えますね。

しかしヘンリー死後、エドワード6世が9歳(!)で即位するものの、
病弱だった彼は15歳で死去。
その後、従妹のジェーン・グレイが即位するものの9日間で退却。
え!?何あった?なんで9日間で???次の王位は誰・・・?

次の王位はメアリー1世!
皆さん覚えていらっしゃいますか!(興奮)
イギリス宗教改革の発端の離婚問題、ヘンリー8世が別れたがっていたキャサリン・アラゴンの娘こそ
メアリー1世。ブラッディメアリーの異名が有名です。

メアリー1世死去後、王位についたのは
エリザベス1世!皆さま覚えてらっしゃいますか!?(2回目)
6年の時間をかけて離婚して再婚したアン・ブーリンの娘ですね。
彼女の統治期が「エリザベス朝」と言われ、イギリスの黄金期と言われています。

いやぁ~男児の世継ぎを求めて引っ掻き回したヘンリー8世ですが、結局彼の娘たちが王位に就くという。。彼の知らない出来事ではありますが。
何とも・・・何だかなぁ。

ふと気になった「イギリス宗教改革」というワードにこんな泥臭い人間ドラマが隠れていたとは・・・後、個人的な感情が世界を動かす様子も。

結局強い信念は良くも悪くも世界を変えるね。
受験勉強じゃない世界史、深堀してみたらとっても面白かった!

#雑学
#世界史
#夫婦問題


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