【徹底解説】2年で全国16道府県でラグビー教室を開催した現役ラガーマンが教えるラグビー教室の開き方
ラグビー選手の岸岡智樹です。
早稲田大学を卒業後、現在Japan Rugby League Oneという日本最高峰のラグビーリーグに所属するチームでラグビーをしています。
昨年2021年度から開始した #岸岡智樹のラグビー教室 という活動を行い、2年で全国16道府県にてラグビー教室を開催することができました。そこで培ったノウハウを記事にしてまとめていきたいと思います!
◇この記事を読むことで知ることができること◇
そもそも岸岡智樹のラグビー教室とは!?という方は以下をご参照ください。
2022年の告知はこちら👇
2022年の報告記事はこちら👇
【この記事を読んでほしい人】
まず、ひとえに「ラグビー教室」と言っても人によっては捉え方が異なるかもしれません。
昨年からはじめ、2年間で延べ16道府県での開催が実現しました。
参加者数は2年間で800名を超える方々にご参加いただきました。
ラグビー教室の開き方ということで、まずは開催に至るまでの時系列を整理し、その中で必要なことを重要度に分けて分類してご説明していきます。
1.開催までの5ステップ
開催までは大きく分けて5つのフェーズに分類することができます。
それぞれのタイミングで準備すべきものは発生しますが、イベント主催者の意向やイベントの方向性や規模感によって準備すべきtodoの重要度が異なってきます。
①目的の設定
なんと言ってもまずはその活動における目的を明確にしましょう!
言わずもがなですが、目的や大義名分がなければ活動に迷いが生じてしまい、変更・修正が必要になった場合に立ち戻る部分がなくなってしまいます。
拡大、発展を考える上でも必ず必要な部分になります。
それくらい重要な部分になってきますし、この部分に共感してもらえる人を増やすことで自然と活動が認知され、協力していただける人も増えてくるようになります。
②開催場所の選定&施設の予約
目的設定ができれば次に、開催場所の選定を行います。
好きなところやゆかりのある地域でも良いですし、人が集まりやすそうな場所でもOKです!
【開催場所選定手順】
1)活動目的に合うように大枠(都道府県)の場所を決めましょう
2)都道府県の次はより詳細な場所を決めましょう
岸岡智樹のラグビー教室は地域格差の是正という目標を掲げているので、ラグビー人口が比較的少ない地方を候補としてあげました。
例)東北地方、中国・四国地方など
大枠が決まると、次はより詳細な場所を選定するための基準を明確にしていきましょう!
上記が見えやすくわかりやすい場所の判断基準だと思います。
その他として競技の特徴を考えられているのかが、場所を決める上で大切な要素になってきます。
それ以外にも雨天時に対応があるのか、施設の事前申込方法がややこしくないのか、抽選などではないかなども付随して検討材料に入れると良いと思います。
せっかくであれば良い場所で!と言う気持ちは本当に理解できますが、費用やその準備など発生することも増えることを事前に理解していただけると良いと思います。
③募集案内の作成
場所が決まれば後は応募に向けて動くだけになります。
一番大切かもしれない”応募フォーム”の作成。
なぜなら集客の数字を管理する部分であり、お客さんと直接的につながる部分になります。かなり時間をかけておく必要があると個人的には考えています。
これらに共通するポイントは【預ける身になって考える】と言う視点。
対象者によって変わる話でもありますが、仮にジュニア世代を対象とするイベント形態の場合、参加申込をしたり参加費を支払うのは参加者ではなくその保護者になります。
つまり、『保護者を安心させる必要がある』ことになります。
参加者を増やすことが大切だと考えるのであれば、参加させたいと考える保護者を増やす事を意識しておくことが重要になります。
マーケティング要素にも絡む話ですが、誰に向けて情報を発信していくのか。その情報はどのような内容だと適切なのかを考えていくと良いと思います。
ではどんな応募フォームだと保護者は安心するのでしょうか。
おそらくこの記事を読まれた事がある方は応募フォームでもアンケートフォームでも形式はなんでも良いので、フォームに記入して回答をした事があると思います。
その時にどんな事を感じましたか?
少し思い返していただき、改善するとしたらどんなところが改善ポイントになりますか?
仮に参加費を払ってまで参加したいイベントの応募フォームはどうなっていて欲しいですか?
これらのことを考えて、申し込みをしようと思う立場に立って考えてみると見えてくるでしょう!
上記で変化した点としては、有料ツールを使用しました。
理由はシンプルで使用感の満足度を高めたかったことと、フォームの見た目や機能を向上させたかったことです。
3年目を考えるのであれば、自分で独自のプラットフォームを作成して応募フォームを作成することを検討しています。
もしプログラミングあるいはエンジニア関連で興味のある方は以下までご連絡ください🙇♂️
応募フォームの充実だけで、預ける保護者様に安心感をいただいていただくことが可能なのか?と考えました。答えは「No」です。足りない部分や、こんなこともやってみるのはいかが?と試行錯誤した結果、FAQを作成することとしました。
他にもできることがあるかもしれません。
イベントなので、人を集める集客の部分が一番苦労するところになります。その解決につながることは全て行うようにしましょう!正解はないので、こんなこともやってみると良いのでは?と考え、実践してみましょう!
④募集開始
応募フォームができれば募集開始をしましょう!
ここで必要なことは単にSNSに掲載すれば人が集まるだろうと言う安直な考えは、取ってはいけないNG行為になります。
媒体にもよりますが、その媒体の属性やイベントとの相性を考えて投稿方法も考えていきましょう。
効果的な集客を行うことができなければ、準備してきたものをお披露目する場面がないことになるので、意味がありません。
当日を迎えて初めてスタートラインに立てるようなものなので、試行錯誤しながらではあると思いますが、集客には力を入れていきましょう!
特に今の時代はSNSに力を入れることも大切です。
上記にもあるように、使用する媒体によって属性や相性があるので、そこを理解して使い分けることをしましょう!
\岸岡智樹のラグビー教室の集客戦略/
そんなに大掛かりな集客力があったわけではありませんが、いかに口コミで応募情報を広めてもらえるのか。ここに絞ってみました。
1年目は主要都市である程度の参加人数が集まることが見込めていたことと、新型コロナウィルスの影響とイベントの斬新さから集客に力を入れずとも勝手に応募者が集まっていただけ背景がありますが、2年目になり対象地域も地方へと移動していき情報をどのように届けるのか、価値を感じてもらい参加意欲を掻き立てるのかという部分はかなり苦労しました。
そこで感じたのは、もちろんSNS媒体の使い分けもそうなのですが、"開催場所によって告知方法を変える"ということでした。
同じ内容のイベントであっても、届ける先によって方法を変えるという思考はSNSの使用媒体での発信内容の変化と同じです。
特にSNSが届かない可能性があった場所に関して、人伝いで情報を届けてもらうことに注力しました。
各都道府県のラグビー協会へ情報拡散の協力を仰いだり、各チームの代表の方へ直接連絡をしたり、高校大学世代の監督さんから小中学生の指導者へ連絡を入れていただいたりと様々な工夫をしました。
こう言ったことに注力してみるのもイベントの形態によっては効果的かもしれません!!
その他で心がけることは、適切な応募期間を確保することです!!
応募期間を設ける理由としては、期間によって情報が届く層が変わってくるからです。
もし仮に身近な存在を集客したいのであれば応募期間は短くて良いと思います。なぜなら身近な方々はご自身の発信を日々チェックしていることが多いため、応募期間が短くてもいち早く応募をしてくれると思います。
一方、遠くの存在を集客したいのであれば十分な応募期間が必要になります。自分自身から遠ざかれば遠いほどそこまで情報が届くには時間がかかります。その方々が応募するまでに時間が足りないと集客にはつながりません。
一方、応募期間が長すぎると、応募のし忘れや、予定が見えない中での仮予約状態が増えてしまうので直前でのキャンセルが増える可能性があります。
上記のことを考えて応募期間の設定は行うようにしましょう!!
プチお得情報!!
募集開始をし、応募いただいた方々には日々メール配信をしましょう!
岸岡智樹のラグビー教室では開催2種間前から計5~6回ほどは最低限としてメール配信するよう心がけていました。
その理由は当日が待ち遠しくなる作用を意図的に起こすことができることと、メールでの案内が複数視点から届くことでイベントの価値増大や参加に向けた安心感の増大につなげることができます。
さらに、心配事があれば連絡しやすいと言う雰囲気作りにもなります。
イベントへの関心を高めるということも含めて複数回の連絡というのは心がけると良いと思います!
⑤当日
ここまでこればあとは当日を迎えるだけでなります。
過去2年間は新型コロナウィルスが流行していたので、感染症対策をばっちり行いました。
どのような項目を感染症対策として行なっているのか、またどんなことを参加者にお願いしたいのかは事前に案内しておくようにしましょう。
有料イベントをお考えの場合は、何か参加者限定のノベルティなどを手渡すことができれば、イベントの思い出にもなりますし、活動の付加価値をつけることもできます。
さらに岸岡智樹のラグビー教室では専属カメラマンを必ず帯同させ、プロが撮影する子供たちの写真を参加いただいた方々へ共有するなども行い、満足度アップにも注力していました。
その撮影写真はSNSにも掲載することにも活用できるので、今の時代には必要項目だとも思います!
2年目で力を入れた岸岡智樹のラグビー教室Instagramアカウントはこちら!
何はともあれ、イベントで一番大切なことは当日です。
この出来栄えでイベントの価値や評価は決まると言っても過言ではありません。
ですが、運営サイドの方々が持つべき認識としては「準備段階で全てが決まっている」と言うことです。
準備がしっかりとしていれば、当日は必ずうまくいきますし、準備に不備があれば当日必ず綻びが出てしまいます。
仮にうまくいってもそれは"たまたま"なだけであり、イベントが続いていく場合や再現性が求められる場合は必ず意識してもらいたいです。
不安点がある状態は可能な限り無くしてから当日を迎えることを心がけましょう!
2.組織編成
イベントを行うにあたり、1人で行うこともできるものもあると思いますが、規模を拡大したいあるいは細部までこだわりたいと考えている方には、チームを組んでイベントの設計を行なっていくことをオススメします。
実際に岸岡智樹のラグビー教室での組織編成は以下です。
簡単な話で会社でも部署は1つではないですよね。
それぞれの得意分野があると思いますし、全て1人で担うことはあまりにも負担が大きすぎます。自分の得意分野を最大限活かすためにも、適材適所で能力を発揮できるよう活躍の場を意図的に制限することが理想です。
また、活動を細部までこだわるにつれ、この組織編成はもっと細分化されていく可能性があります。組織として活動を運営していくことや、法人の事業として扱われる場合はできるだけ細かな単位に分割することで、抜け漏れも防げますし、細部まで検討し準備することができます。
準備で全てが決まっていると書いたように、この組織編成からこだわって活動を企画していくことが成功への近道かもしれません!
3.各グループでの役割とToDo紹介
上記で紹介した組織編成でのそれぞれの役割と、実際にどんなことを行なっていたのか、準備物を紹介していきます。
各グループの役割
Maneger Group
一言で表すと裏方全般。開催地選定や日程調整から始まり、お金関連や応募に関わること、その他雑務と呼ばれる小さなことまで他のグループで担当できない部分を全て担う。
SNS Group
SNS全般の管理、運営を行う。特に2022年はInstagramに力を入れていた。
Coach Group
参加者と一番触れ合う当日最も大切なグループ。練習メニューを決め、当日の価値を最大化させる役割を担う。
Photographer Group
活動の付加価値を高めるためプロとして参加者の勇姿をカメラに収める役割。撮影した写真はSNSでの発信にも活用。
Medical Group
活動の安全を確保する役割。怪我や最悪の事態に備えるだけでなく、緊急事態を起こさないための準備を行う。
各グループのToDo紹介
Maneger Group
活動の目的・目標作成 / 参加者ターゲット選定 / 開催地域決定 / グラウンド手配 / ECサイト構築 / 写真販売サイト構築 / 見積り作成 / グッズ販売見積り / グッズ作成 / ロゴ作成 / スポンサーメリット検討 / スポンサー営業 / 事業計画書作成 / メール定型分作成 / FAQ作成 / 参加規約作成 / 応募フォーム作成 / 請求書フォーマット作成 / 交通費精算フォーマット作成 / ゲスト選定 / ゲスト参加依頼書作成 / 謝礼基準決定 / オンライン決済導入 / 参加費決定 / EAP作成 / グラウンド備品購入 / タイムスケジュール作成 / 講義スケジュール作成 / 各回参加者名簿作成 / 各回部屋割り作成 / 移動・宿泊の手配 / 備品発送 / 告知メディア営業 / 活動リリース / 受付動線の確立 / 備品の作成&調達 / 開催地との連携
SNS Group
SNS使用媒体の決定 / SNS使用目的の明確化 / SNSアカウント作成&運用 / 活動名決定 / ハッシュタグの決定 / イベントリリース / キャンペーンの検討・実施 / 画像編集 / 動画編集
Coach Group
グラウンドメニュー作成 / ゲスト選定 / 講義内容検討 / コーチ選定 / グラウンド備品検討
Photographer Group
写真販売サイト構築 / 写真販売サイト運用 / 写真撮影 / 撮影写真の共有
Medical Group
EAP作成 / 医療グッズ手配 / 緊急事態の対応
ざっとそれぞれのグループのToDoを書き出しただけでもこんなにも多く、幅の広い分野です。正直こんなにも準備していたのかと後から驚いています。
「◇この記事を読むことで知ることができること◇」で書かせていただいたスポーツイベントで準備すべき必要な事柄は上記全てです!
というと反感が飛んでくるかもしれません。
それもそうで、ここまでできなくてもイベントを実施することは可能です。
4.スポーツイベントで最低限準備が必要な5項目
必要最低限の5項目
2年間実施してきて分かった最低限必要なことは上記の5項目です。
これらに共通することは参加者の目に触れる部分だということです。
この5項目があれば参加者は不安はあれど、日時や場所を間違えることなく、参加当日を迎え会場に足を運ぶことができるでしょう。
オンライン開催であれば開催場所すらいらない形になります。
(その分、使用媒体や入室の案内などは必要)
この5項目さえ押さえておけば良いにも関わらず、岸岡智樹のラグビー教室ではなぜあんなにも準備をしていたのだろうか。
その理由はこれまでになかったイベント運営を行いたかったことです。
もう少し深く言うと、これまでのイベントよりも価値を最大化して行いたかったからです。
だからこそ「そんなにやるの?」と思われるようなことにも手を抜かず、突き詰めた結果です。正直に言って、よくこのレベルでイベント運営ができたなと自画自賛してしまうほどですし、サポートしてくださった運営チームのメンバーからも、「この人数でこれだけのことができているのは本当にすごい!」と言う言葉が飛び交っています。
価値を最大化させることに注力したからこそ実感できているんだと思います。
5.+αの価値を創り出す6項目
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いつも読んでいただきありがとうございます。 一人でも多くの方に読んでいただき、ラグビーをより楽しんでいただけるようこれから頑張っていきます。 コメントお待ちしています!! よければスキもお願いします。