ウェストがゴムのズボン
もはやウエストがゴムになっているズボンのウェスト部分を見せて歩くことは全く恥ずかしいことではないようだ。
数年前から、女性を中心に、ウェストがゴムになっているズボンを履いてTシャツやシャツをインして着ているスタイルを街中で見かけることが多くなった。最初見たときは、お世辞にもスタイリッシュとは言えないし、ウェストがゴムだから履きやすく楽なんだろうけれども、どこかもんぺのようだし、私が学生時代に学んだファッションにおける普遍の真理であるはずの、おしゃれは我慢、に真っ向から反するため、かなり違和感を覚え、少なくとも自分は認めたら負けと思った。
私が小学生や中学生の頃はジーパン全盛期で、かっこいいジーパンが欲しいとずっと思っていたが(EDWINではなくできればLevi’s)、ウェストがゴムになっているジーパンなんて履こうものなら、ましてTシャツをインしようものなら、友人たちにからかわれ、母親かおばあちゃんが選んだ服をそのまま着てる奴とレッテルを貼られることは必至だった。
しかしながら最近のウェストゴムインスタイルは、数年経って衰えるどころか完全に定着した様子である。職場で着る服のカジュアル化が進んだこともあるし、何よりウェストがゴムだと楽なことは間違いないだろう。
私自身も流れに乗ってウェストがゴムのズボンを買ってオフィスに履いていくこともあるが、楽な格好をしてると思われたくないというプライドが捨てきれず、ベルトをしてゴム部分があまり見えないようにしている。
おしゃれは我慢、の時代は終わったのだろうか。我慢しているほうがダサいと言われたら確かにそうかもしれない。真夏にスーツを着てネクタイを締めて汗だくになっている姿は、見るだけど暑苦しいからやめてくれという人もいるだろうし、汗が生乾きになろうものならもはやスメハラの実害発生である。
とはいえ、ウェストゴム感丸出しのデニムにTシャツをインしたら、さすがにいまでもダサいという扱いになるのではないか。でもウェストゴムインスタイルがもはやおしゃれなのであれば、ダサいと思われるのではないかという臆病な気持ちを我慢して着ないとおしゃれにはなれない。
やはり、おしゃれは我慢、は普遍的真理のようだ。
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