首都
長期旅行者にとって首都へ行くことは、体勢を整える意味があったように思います。
首都には日本大使館や中央郵便局があり日本からの手紙や荷物が受け取れたり、各国の大使館でビザの申請をしたり、あるいは滞在国のビザの延長やパスポートの増刷をしたり、首都ならではの大きなショッピングセンターで買い物をしたり。または体調に気になることがある場合、旅行保険がカバーしている大きな病院があるのは圧倒的に首都が多い。
インドの首都デリーには日本大使館附属のジャパンインフォメーションセンターがあり日本の新聞雑誌が数日程度のタイムラグで読むことができました。タイのバンコクにもジャパンセンターのような所があってNHKの衛星放送を見ることができたように記憶しています。
旅行記1994~2000(54)インド・ヤムノートリー~ムスーリー~デリー~マナリ~デリー(1998.5-6) https://note.com/so6/n/nbeac633c290f?magazine_key=mb0358aadde14
長期旅行者や日本人旅行者が集まり新鮮な情報が得られる宿も、首都ばかりにあるわけではないが、やはり首都に多く、あらゆる意味でリセットができるのが首都でした。
90年代当時は通信手段が郵便がメインで国際電話の通話料は高く、98年頃になって大きな都市でぽつぽつとインターネットカフェができてきた過渡期にあって、今の長期旅行者は海外でスマートフォンを使って情報を得たり通信通話もできるのでしょうから首都に出る意味は薄くなってきているようには思います。
国によっては、首都がその国で一番大きな都市ではなく、つまり首都機能と都市機能が分散している場合もありました。
トルコは首都がアンカラで最大都市はイスタンブールだったのでイスタンブールで手紙の受け取りや診察や旅の情報集めをしました。交通の要所でもあったので、何度も出入りし、それぞれの滞在期間も長くなったので、イスタンブールの街の情景は今でもすぐに思い出すことができます。アンカラも大きな街で地下鉄も通っていたりするのですが、旅の拠点とはならなかった。
旅行記1994~2000(69)トルコ・イスタンブール~イズニック~サフランボル~アンカラ~エルズルム~トラブゾン~リゼ~グルジア・バトゥミ~トビリシ~アルメニア・エレヴァン(1999.3-4)
https://note.com/so6/n/n157de25fddf1?magazine_key=mbc40075c809c
インドの首都デリーは大都市でもあり旅の拠点にもなりましたが、最大都市かと言われると、カルカッタもボンベイもあり、中国も首都北京は大都市でしたが上海の方が大都市と言えるでしょう。イスラエルの大都市で観光地で一大宗教都市のエルサレムには長期滞在しましたが首都ではなく、首都テルアビブへは行くことはありませんでした。
旅行記1994~2000(65)イスラエル・エルサレム(1998.12)
https://note.com/so6/n/n638e8403cdd0?magazine_key=mbc40075c809c
日本の東京のように首都イコール最大都市という各国の都市は、タイのバンコク、マレーシアのクアラルンプール、ラオスのビエンチャン、イランのテヘラン、シリアのダマスカス、ヨルダンのアンマン、エジプトのカイロ、そして東西欧州の国々が思い浮かびます、ロンドン、パリ、ベルリン、ブリュッセル、ローマ、マドリッド、プラハ、ウィーン、ブダペスト、などです。
以上のようなその国の最大都市イコール首都というのはそう多くはなく、ミャンマーは、当時どうだったか分かりませんが最大都市ヤンゴンは首都ではなく、別に、首都機能だけを集めて造ったような都市ネピドーがあります。パキスタンの首都イスラマバードも国会や大使館などの首都機能だけを切り取って集めたような無機質で静かな街で、ミニバスで10分程度の距離にツインシティとしてラワールピンディがあり、そこは人や車でごった返す大都会で、その落差が面白かったです。
旅行記1994~2000(46)パキスタン・ラワールピンディ=イスラマバード~タキシラ~ペシャワール(1997.11)
https://note.com/so6/n/n2188cc066355?magazine_key=mb0358aadde14
国によって首都も様々ですが、日本にも首都移転論があり、いや、最近知ったのですが、日本の首都は正式には京都から東京へ移転したわけではないのだとか。
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