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元旅行者の視点から(12)~環境問題②

旅行していた頃には環境問題には無関心でした。

北京で、夜、同じ宿に居たアメリカ人旅行者と歩いていた時、闇にぼんやりと黄色の電灯があるだけで、でもそれがちょうど良い感じの無理のない明るさと感じる北京の夜の街の風景に、日本の都会の夜はだいたいどこも白熱灯に照らされていることを話すと、アメリカやヨーロッパでも夜間の電灯は黄色が多い、白は眩しすぎる、と彼が語ったことが思い出されます。

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列車やバスが時間通り来ることは当たり前ではない国がほとんどで、バスなどは途中で動かなくなって修理に時間を要したり、は、ほとんどの国で起こり、馬や牛が車を引っ張っている所もまだまだあり、

旅を重ねるうち、日本のような資源を駆使した便利で快適な国・社会が世界的にはまれであることを体感し、

もし、中国やインドといった多くの人口を抱える国や、発展途上国と呼ばれる国々の人達が全員自家用車を持つようになったら。

と考え、そうなったら二酸化炭素排出量的には地球が持たない、ということを知り、また実感し、

同時に、インドや中国や東南アジアの国々や東欧など、日本よりも経済的に貧しい国々で遭遇した不便さや、頻回な停電や衛生面の不備など、まあ旅行者の気楽さもあって、そんなに不便や不快とは感じず、

むしろ、この方が人間的で自然で、日本など先進国の、常に便利で清潔で快適でなくてはならない、といった窮屈な感じよりも生きやすい、と感じたほどで、

ただ、医療面などの問題もあるから、実際にその地で生活する、となると違った感覚になるとは思いますが。

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旅行を重ねるごとに環境やエネルギーについて考えるようになり、電気がないことが考えられない社会よりは、毎晩のように停電はあるが、電気が消えたら慌てず騒がずろうそくに火を付けたり発電機を回したりする社会の方が生きてる実感が湧くように思え、帰国後は環境問題にも関心を持ち、毎年開かれるCOPなど環境関連のニュースに注視するようになりました。

COPは90年代から毎年開かれている各国の二酸化炭素排出量を調整する国際会議ですが、資源をたくさん使ってきた先進国に何で規制されなくてはいけないのかという途上国側の抵抗もあり、なかなか前に進まず、2000年代に入ってからも世界の二酸化炭素排出量は増えていきます。

それが少し収まったのは、2020年からの新型コロナウイルスの流行による企業などの活動停止によるもので、PM2.5で常に曇っていた中国などでは空がきれいに見えるようになったそうで、

今回のパンデミックは今までの社会で必要とされてきたものの見直しを迫る面がありました。

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環境問題も同じなのですが、パンデミックは実際に人が病気を発症するので待ったなしで、社会の必要不必要が浮き彫りになったところがあり、

しかし、今後、コロナが終息しないまでも共存していけるようになったら、また今までの活動も再開され、二酸化炭素排出量もまた増えて行くのでしょうか。

今回の世界的なパンデミックの経験から、ある程度は、恒常的な行動変容があったのでは、とも思います。この経験を二酸化炭素排出量抑制に結び付ける方向で世界が動いていくことを願います。

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