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【ヤクルトスワローズ】プロ野球史上初11球団連続カード勝ち越し

本物の“TOKYO”を決めようか。
なんてクールなコピーがつけられた今年のTOKYOシリーズは、都会的でもなければ大人ぶることもない、両チームが容赦なくバットを振りホームラン合戦を繰り広げるボッコボコの打ち合いとなった。

6/24㈮〜6/26㈰に行われたVSジャイアンツ3連戦。
それまでの対戦成績は9戦を終えてスワローズが5勝4敗と1つ勝ち越していた。

21日㈫からのVSドラゴンズを2勝1敗で乗り越え、連続カード勝ち越しを「11」に伸ばし、絶好調のまま週末の神宮球場に帰ってきた。

チーム状態を考えれば、“盤石”や“安泰”というワードが頭に浮かび、派手なことが起こりそうな予感というのは全くなかった。


合計67得点・87安打・18発!


ミドリユニ VS オレンジタオル

“TOKYOシリーズ”というのは毎年行われる、本拠地を同じく東京に構えるスワローズとジャイアンツ、両球団のダービーマッチだ。

「この6試合は胸にTOKYOの文字が入ったユニホームを両球団の選手が着用。」
(ホーム&ビジターで計6試合)

と公式ページにあるように、ユニホームにこだわっているらしい。
だが、どうしても僕はTOKYOの文字よりもスワローズのミドリが気になってしまう。


奥川投手がプロ初勝利をした日、チームはミドリユニホーム着用の日だった。
YouTuberでスワローズファンのお笑い芸人さんは、「これからずっとこの映像が使われる」と物言いをつけ、嘆き気味だった。

毎年デザインが変わっているらしいが、よくよく見ないと違いはそれほど気にならない。
僕はオフィシャルショップのくじ引きで当たった山田選手のミドリユニ1着をずっと着ている。
たぶん、2018年か2019年のモデルだと思う。
その時、嬉しくて絶句したのはいい思い出だ。

参院選が近いということで神宮球場周辺には選挙カーが来ていて、候補者が観戦帰りの人たちに声をかけていた。
「スワローズカラーの私が〇〇〇〇」と言われるとどうも違和感があってムズムズしてしまう。
ファンがイベントや球場に合わせてユニホームを変えるのは楽しくていいのだが、それ以外の人に「ヤクルトはミドリ」と言われてしまうと少し寂しくなる。

ジャイアンツファンの皆さんは、タオル回しが解禁されて良かったですね。
早く声を出して応援したいものです。


譲らぬ大空中戦

スワローズとジャイアンツ、どちらもホームランが多いチームだ。
球場どうこう…、という話題は両チームのファンは言われ慣れていると思うので触れない。

スワローズ 84本
ジャイアンツ 84本
6/28㈫試合前の時点で同数、リーグトップだ。ちなみに、パ・リーグトップはファイターズで56本。

84本中、村上選手が26本。
岡本(和)選手が20本。

二人はスポーツニュースで互いについて質問されることが多いが、話を聞いていると、“尊敬しあえる良き存在”なのだろうと思わされる。
味方にしたら頼もしく、敵にしたら勝負を避けたい、どちらも最強の四番バッターだ。

だが、もちろんチーム本塁打全てを彼らが打っているわけではない。
TOKYOシリーズ(神宮)では彼ら以外にも10名の選手がホームランを打った。
ど派手な3試合の結果を振り返ってみる。


試合結果

6/24㈮ ヤクルト  16―6  巨人

勝利投手 高橋奎二 6勝1敗0S

本塁打  巨  岡本和 20号
     
     ヤ  中村  1号
        中村  2号
        村上  24号
        村上  25号
        長岡  3号


6/25㈯ ヤクルト  5―19  巨人

勝利投手 シューメーカー 4勝4敗0S

本塁打  巨  増田陸 3号
        ポランコ 9号・10号
        ウォーカー 16号
        丸 14号
        湯浅 1号
     
     ヤ  青木 3号
        オスナ 7号


6/26㈰ ヤクルト  11―10  巨人

勝利投手 清水昇 3勝1敗0S
セーブ マクガフ 0勝0敗22S

本塁打  巨  中田 7号
        丸 15号

     ヤ  長岡 4号
        村上 26号


安打数 初戦 ヤクルト 19 巨人 12
    第二戦 ヤクルト 9 巨人 19
    第三戦 ヤクルト 14 巨人 14

両チーム3戦合計 67得点・87安打・18本塁打
僕が現地観戦したのはもちろん第二戦です。
めっちゃ日焼けしました。暑かったです…。


阪神から巨人

5月10日〜12日の神宮球場でのVSドラゴンズで負け越してからスワローズは連敗をすることがなく、連続カード勝ち越しを続けた。
TOKYOシリーズを2勝1敗で乗り越えると、その記録は「12」にまで伸びた。

「どこまで伸びるんだろう」と注目しながら試合を見ていた。
行けるところまで行ってほしいと思っていた。

と、ここまでは割とスポーツニュースで扱ってくれるのだが、実はスワローズ、交流戦を最高勝率で駆け抜けたことで、この“連続カード勝ち越し”を未だなかったものに昇華させていた。
意識する人はもちろんしていただろうが、僕は全く気づいていなかった…。


日程に不思議あり

5月17日からのタイガース戦、20日からのベイスターズ戦、2カードを勝ち越して交流戦へ突入。
パ・リーグ6球団に連敗を喫することなく、リーグ戦へ戻っても勢い止まらずカープに3連勝。
唯一負け越していたドラゴンズに初戦を奪われ危機感がよぎるも、その後連勝で勝ち越し。(現在対ドラゴンズ5勝6敗)
この時点で、交流戦と好調が重なったことで10球団連続勝ち越しを決め、全球団連続勝ち越しにリーチをかけていた。

「“本物のTOKYO”をかけて負けられない戦いに臨みます。」

というジャイアンツ戦は“本物のTOKYO”以外…というか、それ以上にデカイものがかかっていたのだな…。「言われてみれば!」という感じだった。


タイガース、ベイスターズ、パ・リーグ6球団、カープ、ドラゴンズ、ジャイアンツと戦い貯金を減らすことはなかった。

これは“史上初の11球団連続での同一カード勝ち越し”だという。
意識していたらいつもより緊張してしまうので、知らなくてよかった…と思うようにしている。


赤から赤へ!秋山翔吾

今日から始まるカープとの6月最後の三連戦。もちろん、勝ち越し記録を伸ばしてほしいのだが、先日カープにまつわるニュースを耳にしたとき、他にいろいろと思いが浮かんだ。
シーズン216安打のプロ野球記録を保持する秋山翔吾選手の広島カープへの移籍が決まったというものだ。

帰国濃厚とされてから、スポーツ紙やニュースで移籍先が話題となっていた。
古巣西武か、待遇面でソフトバンクか…
その見方が多かった。
僕はチーム名は浮かばなかったが、たぶん「パ・リーグに行くかな?」と思っていた。
メジャーを経験したとはいえ、慣れ親しんだパ・リーグの方が断然戦いやすいだろうからだ。
ところが、カープだった。

聞いた瞬間もちろん「ヤバイ…」と思った。
スワローズファンのみならず、セ・リーグに推し球団がある人は皆思ったのではないか?

そして次に「目に優しいな」と思った。
選手が移籍したときよくあるのが、見慣れないユニホームに違和感を覚えてしまうこと。
その点、シンシナティ・レッズと広島カープのユニホームは似ているので、すんなりと脳と目に入ってきてくれそうだ。


神宮球場のライトスタンドから、よく鈴木誠也選手を見ていた。
酔っ払って多少視界はブレていたが、いつも「デカイな」とそのサイズ感に驚かされた。

アメリカ行きと日本帰りが重なりすれ違いとなってしまったが、「マツダは最高なので暴れちゃってください」という誠也選手の秋山選手に対するコメントを聞いたとき、どこであろうが“野球をする”というのに変わりはないと思った。
日本とアメリカ、彼らはこれからも挑戦者なのだ。

誠也選手がいたライト。
スワローズの“41番”がいつも背中を見せてくれた神宮球場のライト。
そこを守る秋山選手を見てみたい。



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