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パッチワーク

学校の美術の授業ってなぜかつまらなく感じる。あるとき「コラージュ」という技法をやっていたときも、ぼくはテキトーに作って提出した。

お、これはなかなかセンスがあるな。

幼少期にポケモンの絵をおじいちゃんに褒められて以来の出来事である。果たして本当にセンスがあったのかは定かではないが、人間褒められると不思議とやる気が出てくる。授業が終わるころには「コラージュってなんて楽しいんだ」となっていた。なんともわかりやすい少年である。

絵を描いたり、彫ったり、わかりやすくゼロから創るのは大体苦手だったぼくの目には、素材を組み合わせるだけで一つの作品が完成する「コラージュ」がとても新鮮に映った。

雑誌や新聞などに載っていた何気ないイラストや、写真や文字を1つの場所に集わせると、そこで偶発的な、もしくは意図的な化学反応が生まれる。なんだか人間関係と似ている。

これと似たようなことって他にも沢山あるような。

最近、ディズニーの実写を筆頭にリメイク映画が流行っている。この間観た「Little Women」もそう。過去に愛された作品を、現代社会や歴史的文脈の中に置き直してみると、違った意味が浮き上がってきたりする。

音楽ではもっと重要かもしれない。特に海外では、既存の曲を「引用」するのが当たり前のように行われる。「サンプリング」と呼ばれる手法で、既存の曲のビートや、一部のフレーズのキーやテンポを変えたものなどを使って新たな曲が作られている。

これはまさに、音楽のコラージュじゃないか!と彦摩呂になりかけたぼくは、気づいたらサンプラーをポチっていた。今年の出来事である。高かったなあ。

かくして、最近は完全に勢いで手にしてしまったサンプラーを使い倒してやろうと、もがきながらも楽しく遊んでいます、という報告でした。



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