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Instagram分析の教科書

本記事は、Instagram上のインサイトを利用したアカウント分析の解説です。企業アカウントの運用担当者、個人で活動してるインフルエンサー、または一般ユーザーの「インサイトの見方がわからない、ざっくり傾向はわかるものの、見るべき指標や分析視点がわからない」を解消できればと思います。

アカウント分析は、Instagram内のインサイトから見ることができる数値で十分可能です。外部ツールは主にインサイト上のデータを見やすくまとめたり、数値を蓄積して傾向を見る際に有効です。※一部、Instagramのインサイトのみでは見ることができない、ハッシュタグ関連の数値を抽出できるツールを見たことがありますが、ポリシー的にグレーゾーンなのでオススメはしません。

インサイトはどこから見れば良いのか?
注目するべき数値は?
フォロワーや投稿の傾向は?
この辺りを主に解説していきたいと思います。

※インサイトは下記赤枠ボタンから閲覧可能です。

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■はじめに~用語説明~

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*はInstagramのインサイト上には出てきませんが、分析指標として使われることがある用語です。

■フォロワー分析

フォロワー分析は大別すると以下の2つに分かれます。

・フォロワーの属性を分析

・フォロワーの傾向を分析

■フォロワーの属性分析

インサイトで見ることができるフォロワー属性の項目は以下。

※期間は直近1週間のもの限定。

【オーディエンス】

・性別

・年齢層(男性・女性・全体)

・住所(国または市区町村)

・アクティブな時間

・アクティブな曜日

では早速、項目毎に解説していきます。

・性別、年齢層:割合を把握する必要があります。属性毎のコンテンツの反応差が見られないため、随時割合を把握することで今の投稿はどの層に受け入れられているのかを知るための指標になります。今後の投稿案やターゲットを決める上で、とても重要です。狙っている層と違えば、投稿のトンマナを変更し、その後のフォロワー属性の推移をみることでアプローチ層への反応・効果を判断できます。※Instagram全体の利用者層は下記のため、アカウントのポジションも把握してください。

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https://gaiax-socialmedialab.jp/post-30833/

・住所:投稿への反応に地域差があったり、フォーカスした商材の地域毎のエンゲージメントを把握することで、投稿はもちろんオフラインイベント開催地はどこにするか等の参考資料にも使えます。また投稿に使用しているハッシュタグが英語の場合、海外ユーザーの割合が意外と多い場合もあるため注意が必要です。

・アクティブな時間:Instargamを含む、SNS利用者の基本的な傾向として11~12時(お昼休み)、19~20時(帰宅時)、24時~翌1時(就寝前)が比較的アクティブな可能性が高いです。ですが、アカウントにより例えば午前中に活発に動いている場合もあるため、フォロワーの傾向を掴む事が必要です。

・アクティブな曜日:こちらも曜日差はあまりないか、週末に寄っている可能性が高いです。しかし特定の曜日のみ著しくアクティブな場合(毎週○曜日にイベント開催等)は、そこに投稿を寄せ、リーチを最大化させるためにも毎週変化をチェックしておきたいです。

▼オーディエンスタブ実例

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■フォロワーの傾向分析

インサイトからみられる項目として

【オーディエンス】※ フォロワーが100人以上いる場合のみ閲覧可能。

・直近1週間のフォロワー増減数

【アクティビティ】

・発見(リーチ・インプレッション数)

・インタラクション数(プロフィールへのアクセス・ウェブサイトクリック)

【コンテンツ】

・直近1週間に投稿した「フィード」「ストーリーズ」「広告」が一覧表示されます。※下画像は同インサイト画面。

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※【オーディエンス】直近1週間のフォロワー増減数

フォロワーが増減した際の要因は?

フォロワーが増減したタイミングから、その要因を把握することで今後の運用に役立てられます。フォロワーの増減にはアカウント側から何らかのアクションを行った際(自然流入からの増加・減少を除く)、投稿の有無・投稿時間・外部要因と3つの可能性が該当します。順に解説。

・投稿の有無:フォロワーの増加や離脱が起こった日に投稿を実施していたか?これは主にフィード投稿が関係してきます。投稿がフォロワー外にリーチし、新規フォロワーを獲得できる可能性がある一方、反対にフィード投稿がタイムラインに流れると既存フォロワーは改めてそのアカウントの存在を認識します。このタイミングでアカウントへのエンゲージメントが下がっている場合、フォローする価値がないと判断されフォロー解除に繋がります。特に企業アカウントでは、キャンペーン期間終了後にフィード投稿を実施する度、離脱が顕著に起こるケースがあります。

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・投稿内容:フィード・ストーリーズ投稿どちらにも言えますが、「投稿を見る→プロフィール画面に飛ぶ→フォローorフォロー解除」がフォロワー増減の一連の流れになるため、フォロワーの動きが大きくあった日の投稿内容は注目です。また内容だけでなく投稿時間の違いや投稿されたのがフィードなのか、ストーリーズなのか、静止画なのか動画だったのか、ビジュアルメインなのか文字入れコンテンツだったのか等、投稿とフォロワー増減の関係を細かく分析する必要があります。

・外部要因:ここはもう案件次第ですが、TVCM・他媒体告知(投稿)・オフライン施策等が挙げられます。ここを把握していないとInstagram上のインサイトのみでは、フォロワー増減の理由が永久に判明しないため別施策の把握はマストです。特にInstagramへの流入を促している施策がある場合は要確認。


【Instagramはフォロー整理を促している】

Instagramは現在、ユーザー個々人に最適なコンテンツを届けることをポリシーとしているため、特定のアカウントの投稿のみを表示しないようなアルゴリズムにしていたり、フォローしたもののあまり見ていない(コミュニケーションをとっていない)アカウントをピックアップしフォロー解除を促す仕様になっています。そのため、アカウントは投稿へのコメント返信やストーリーズ投稿でユーザーにアクションを促すなど、常時ユーザーとコミュニケーションを密にとることで、投稿の優位性を高め、フォロー解除を留める等の必要があります。(これをシグナルを高めると言います。)

▼やりとりの少ない・表示回数の多いアカウントをピックアップ

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▼過去90日間にやりとりが少なかったフォローアカウントを表示(フォロー解除を促している)

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■投稿分析

こちらも大別すると2つに分かれます。

・フィード投稿分析

・ストーリーズ(ストーリー)投稿分析

■フィード投稿分析

【各投稿のインサイト】
投稿毎のリーチやいいね!数などの詳細を確認したい場合はこちら。インサイトが見たい投稿を表示したら、「インサイトを見る」をタップ。

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▼投稿の「いいね!」「コメント」「シェア」「保存」数が上部赤枠内。

ここで注目なのが中央赤枠内のフォロワー外へのリーチ率。フィード投稿はInstagramの仕様上、フォロワー外にもリーチさせられる重要なコンテンツです。この投稿ではフォロワー外へのリーチ率が83%となっていますが、通常フォロワーへのリーチ率は80%前後、フォロワー外へのリーチ率は20%前後がおおよその基準。つまり、ハッシュタグや発見タブ、アクティブコミュニケーションからフォロワー外への露出をしなければ、フィード投稿といえど80%はフォロワーへのリーチになる可能性が高いため、いいね!数や保存数はもちろんですが、フォロワー内外へのリーチ率を見ながら投稿の改善を行うことが重要です。

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またフィード投稿の過去投稿一覧を見ることも可能です。コンテンツタブの「すべて見る」から↓

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ここで一覧が表示されます。赤枠内で投稿のジャンル・期間・数値毎の並べ替えやフィルターをかけることができます。※画像はリーチ数でソート。

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【フィード投稿項目毎の解説】

・基本数値:「いいね!・コメント・シェア・保存」数を表示。

・インタラクション数:「プロフィールへのアクセス・ウェブサイトクリック」を足した数値です。

・発見:「インプレッション数・リーチ・フォロー数・フォロワー内外へのリーチ率」を表示。

※リーチ:投稿毎のリーチ差は、「投稿日・投稿時間・ハッシュタグ・メンション・発見タブへの露出・タグ映え(人気投稿)・投稿時のフォロワー数・ストーリーズ投稿の有無」が影響します。その中でも、ハッシュタグ、発見タブからのリーチをいかに最大化できるかがポイントになります。

※インプレッション数:「ホーム・ハッシュタグ・発見・プロフィール・その他」に分かれるため、どのチャネルからインプレッション(リーチ)に繋がったのかを確認し、今アカウントがインプレッションを伸ばしやすいチャネルに投稿を最適化していく事が重要です。

・宣伝:投稿を広告に使用した際に表示される。

■ストーリーズ(ストーリー)投稿分析

※IGTVについては今回割愛します。

大前提として、ストーリーズ投稿にリーチ・反応するのは大部分フォロワーです。理由はフィード投稿に比べ、フォロワー外にリーチする場が極端に少ないからです。どちらもフォロワー外へリーチする場は、ハッシュタグ検索・発見タブ(🔍)からが多くを占めますが、ハッシュタグ検索・発見タブ(🔍)共にストーリーズ投稿が表示される割合は極端に少ないです。※下記画像参考。1画面内でストーリーズ投稿は赤枠のみ。

▼発見タブ(🔍)では2スクロールでストーリーズ1投稿程度の表示。下記は表示面をピックアップ。

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▼ハッシュタグ検索画面でのストーリーズ投稿は左上のみ。下にスクロールしても表示されるのはフィード投稿だけ。

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ではインサイトの見方から。フィード投稿と同じように、ストーリーズ投稿でも数値確認は可能です。数値を含めた一覧表示は直近1週間しかみられないため、今回はメニューのアーカイブから投稿毎の数値を確認します。

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過去ストーリーズ投稿一覧表示画面に。その中から、該当投稿をタップし投稿が表示されたら画面下から上にスワイプアップするとストーリーズ投稿のインサイト画面に移ります。

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▼5/3投稿のインサイト。ここでのポイントはインタラクション数やリーチしたアカウント数。ナビゲーション以下はあまり気にしなくて良いです。投稿からプロフィールへ何人遷移したか?フォローにつながったか?またフォロワーに対し、何%リーチしたか?がストーリーズ投稿のインサイト見る上でのポイントです。

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【ストーリーズ投稿項目毎の解説】

・インタラクション数:「プロフィールへのアクセス・シェア数・返信・リンクのクリック数・スタンプのタップ数(@や#)」を足した数値です。※投稿へのリンクは公式アカウントorフォロワー1万人以上でなければ挿入できません。

※スタンプのタップ数:投稿内の「@や#毎のタップ数」が表示されるため、投稿内のどのスタンプに反応が集まったかを確認しユーザーの傾向を把握する。

発見:「インプレッション数・フォロー数・ナビゲーション・リーチ」を表示。

※リーチ:投稿毎のリーチ差は、「投稿日・投稿時間・ハッシュタグ・メンション・発見タブへの露出・タグ映え(人気投稿)・投稿時のフォロワー数・フィード投稿の有無」が影響します。厳密にはこのほか、アカウントがいかに賑わっているか(キャンペーン開催や外部施策)にも影響をうけます。その中でも、投稿日・時間、発見タブへの露出、投稿時のフォロワー数の影響が他投稿とのリーチ数差のポイントです。

※ナビゲーション:「戻る・次へ・次のストーリーズ・ストーリーズからの移動数」を足した数値。


【投稿において重要な考え方】※ここ重要!!

復習になりますがフィード投稿では、フォロワー以外のユーザーにいかにリーチさせるかが重要です。何度も言いますが、広告やキャンペーン、インフルエンサー施策以外(オーガニック)でフォロワーを獲得しようと思ったら、フィード投稿を活用するしか方法はありません。もちろんプロフィールを作りこんだ上で。またストーリーズ投稿では、フォロワーとコミュニケーションを密に取ることでアカウントへのエンゲージメントを集め、投稿の優位性を高めることが重要です。これが結果的にフォロワー離脱防止や新規フォロワー獲得にも寄与します。この2点を必ず念頭に置いて、運用を行ってください。

■他アカウント分析

・競合他社や投稿・世界観作りが上手だと思うアカウントを10社ほどベンチマークし、日々観察すると良いです。リソース確保できれば、毎月月末に月毎の主要数値(反応数、反応率、フォロワー数)をピックアップし、データを蓄積しておきたいです。

■ピックアップアカウント

メジャーどころをピックアップしています。マニアック編はアップデート時に。

■企業アカウント3選

・tokyodisneyresort_official

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https://www.instagram.com/tokyodisneyresort_official/


・starbucks_j

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https://www.instagram.com/starbucks_j/


・pokemon

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https://www.instagram.com/pokemon/


■個人アカウント3選

・watanabenaomi703

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https://www.instagram.com/watanabenaomi703/


・rolaofficial

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https://www.instagram.com/rolaofficial/


・takayukiyamadaphoto

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https://www.instagram.com/takayukiyamadaphoto/



以上長くなりましたが、こんな感じです。ここまで読んでいただきありがとうございました!気が向いたらアップデートします。もし気に入っていただけたら♥やフォローお願いします!めっちゃ喜びます!それではまた次回お会いしましょう!


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