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わたしの描いた”光の教会”

自己紹介

雪月(ゆづき)といいます。私は、絵や詩を通じて私の願いや想いを表現したいという夢があります。今回は、私が表現したいものをたくさんの人に知ってもらいたいという気持ちで、これまで描いてきた絵の一部を解説させていただきます。絵も文章も拙い部分がありますが、最後まで読んで、興味を持っていただけたら嬉しいです。

ふたつの「光の教会」

私は図書館で偶然安藤忠雄さんが建築された「住吉の長屋」の写真を見ました。シンプルだけど心惹かれるコンクリートのその家の写真を見て心惹かれるものがあり、私は初めて”建築家”に興味を持ちました。そこから、安藤忠雄さんが手がけられた建物を調べ始め、とりわけ”光の教会”と呼ばれる「茨木春日丘教会」は私を夢中にさせました。幸運にも私は大阪に住んでいたため、すぐに見学予約を入れました。予約は3ヶ月ほど先まで空いておらず、その3ヶ月間私はとても楽しみに、一体どんな空間なんだろうと想像を膨らませていました。そこで私は実際に見るのを待たずに一枚、”光の教会”の絵を描きました。

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これがその絵です。私が”光の教会”の写真だけを見て、その空間を想像して描いたものです。私は当時、『光』が人を感動させる空間なのだろうと思っていました。コンクリートの暗い空間に十字架が光を運ぶ...、そんな『光』ばかりに注目してこの絵を描きました。全体的に明るく光が誇張されて、二人の人物がお互い希望に出会う。今この絵を見ると、そんな物語が浮かびます。

2020年1月、私は遂に「茨木春日丘教会」に行きました。実際に見たその空間は、私が想像し絵に描いた雰囲気とは違っていました。まず教会に行き慣れていない私は、教会という場所がキリスト教徒の人たちにとっての神聖な場所であるということを改めて思い出しました。空気が清らかで、しゃんと背筋伸びるような気持ちになりました。それでいて優しく包まれているようなそんな空間でした。見学客で人は結構多かったけれど、何も気にならず心が静かに保てる不思議な場所でした。そして一見冷たいような印象の灰色のコンクリートの壁や、薄暗さがとても心に落ち着きをくれました。きっと私のあまりポジティブではない部分が共鳴したんじゃないかと思います。もしもその場所が、明るくてキラキラと美しい場所ならその共鳴はなかったと思うのです。人間は苦しいとき、辛いときは、圧倒されるような美しさや、飾り立てられた華やかさよりも、自分と同じ気持ちで寄り添ってくれているような安心感のある場所が必要なのではないかと思います。光の教会は、静かで、少し暗いけれど、確かに”光”が差していて、人々の生活の拠り所としてそこに訪れる人を包み込んでいるのではないかと思いました。心が解けて感動を覚えました。また、教会を建てるまでの経緯が書かれた文章を読み、この場所が必要とされて建てられた教会であることに深く納得したのです。安藤忠雄さんをはじめ、たくさん苦労をかけて建設に関わり、情熱を持ってお仕事をされた方々を本当に尊敬します。私はその空間に感動し、新たな気付きもありました。20年間生きてきた中で、一番来てよかったと思える場所でした。

こうして、”光の教会”を訪れて、1年半以上経ちました。世の中はコロナ禍で今までとは全く違う生活になり、また私自身もうつ状態で苦しむことになりました。私がまた”光の教会”の絵を描いたのは、心身の調子がなかなか良くならず、入院しているときでした。

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”光の教会”を実際に目にする前の絵とは全く違う絵になりました。その空間には、光が差し込む十字架があり、二人の人間がいるという似たシチュエーションではあるけれど、この絵は鉛筆画でモノトーン、二人の人間の構図も変わりました。描いているときに意識していたのは、『弱きを肯定する。』『今を生き抜く。』そんなことだったような気がします。未来への希望の前に、今生き抜くためには何が必要か、耐え続けたけれど最後まで強くはいられなかった人たちに向けて、強くなくても弱くても、そんなあなたを肯定する。ここに存在していて大丈夫。そんな私の想いがこの絵から誰かに伝わって欲しいなと思っています。そして”光の教会”「茨木春日丘教会」は私にそう思わせてくれました。今はコロナ禍で難しいけれど、興味を持った場所や絵画、音楽は生で視聴することで想像では及ばない新しい価値観に出会えるから、これからもいろんな場所に行き、見て、聞いて、私の想いを表現する糧にしていきたい、今この文章を書きながら改めてそう思いました。私の苦しみや痛みの経験を優しさに変えて誰かに届けられる表現者になることが私の夢です。

長い文章を最後まで読んでくださってありがとうございます。文章も絵も拙くて、まだまだ勉強しなければいけませんが、この記事を見てくださった方がいたら嬉しいです。詩を書いたりもしているので、もし私に興味を持ってくださった方がいたら、是非過去の記事(詩がメインです。)も見ていただきたいです。instagramもやっていますので、見ていただきたいです。また自分の描いた絵や詩について文章にしようと思います。最後まで見てくださりありがとうございました。

instagram:snowmoon_1999

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