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一家離散6

 あらすじ
 父はあまり家に帰らない。
 家はいつも散らかっている。
 幼稚園に通いだした頃、僕に弟が出来た。

 僕は自分の取り分が減ったからか、弟の事をしょっちゅう苛めていた。
 弟はちょっと叩いたらすぐに泣いた。

 ある日、母が僕たちにパジャマを買って来た。
 ミッキーとドナルドのパジャマだった。
 ミッキーが人気でミッキーの取り合いになった。
 僕は自分の物だと主張するのにツバをぺっと吐きかける。
 弟は潔癖なところがあったので、それだけでわんわんと、わんわんと、大きな声を上げて泣いて諦めた。
 常に虐げられていた弟は、俺への恨みを日々詰み重ねていった。

 父は次男だった。
 三人兄妹の末っ子だった。
 父も常に兄と姉から虐められていた。

 ある日、父は僕に言った。

 「俺は次男やから、弟をえこひいきする。お小遣いから何もかも弟と一緒だ。わかったな」 
 
 事あるごとにそう言う父の話しに僕は納得していた。
 父も人間だから好き嫌いがあるのだろう。
 そんな風に思っていた。

 「お前は橋の下から拾ったんだ」

 そんな事も、事ある毎に言っていた。
 俺は大人になり、自立出来るまで見放されないように、従順であろう。
 幼稚園の時から、父の前ではそんな風な心構えでいた。

 なぜなら、父は、母に対して、常に別れたい。と嘆願し、
 部屋の散らかり具合にいつも怒っていた。

 母に付随してる僕も嫌われている。そんな風に思っていた。

 でも、僕はそんな二人にも愛?があるんだろう。

 と、そんな風に期待も持っていた。

 僕は幼稚園で友達は作らなかったが、好きな子ができた。

つづく。

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