一家離散3
あらすじ
父の趣味の部屋で雑に歩くと殺される。
父は常にドロドロとした溶岩を噴き続けている火山の様な人であった。
父からの叱責で僕が泣くと余計に怒鳴られる。
なので僕は怒鳴られると硬直し沈黙した。
失敗は許されないので父の前では何時も緊張していた。
でも、父が家で眠るのはなかったので、僕が耐えるのも少しの辛抱であった。
我が家には父の趣味の部屋以外に3つ部屋があった。
父の衣装と僕のパンツが詰まった黒いタンスの部屋
父が眠る時はこの部屋に寝ていた。
洗濯機があるキッチンの部屋に置いてあるテーブルには物がたくさんのっていた。
床はビニールフローリングだが酒瓶とかが転がって掃除がしずらい部屋であった。
シンクには洗われていない食器がいつも溜め込まれていた。
洗濯物も部屋干ししか出来ない家だった。
洗い物は3回分くらいは常にたまっていた。
収納ができない量の衣類だった。
奥の畳の部屋は万年床だった。
テレビもあって僕はNHKとバラエティーとウルトラマンとゴジラばかり見ていた。
怪獣がミニチュアの街を破壊して回るのが楽しかった。
破壊衝動が強く。
いつも大きな怪獣になって街を破壊したいと考えている子供が僕だった。
街を踏みつけるくらい大きくなりたい僕は、公園や空き地の草むらをジャングルだと思い込んで雑草を踏みつけたり、ジオラマを見ると興奮する子供だった。
キッチンには緑色の冷蔵庫が、
畳の部屋には赤色の冷蔵庫が置かれていた。
どちらも使わない食材がたっぷり入っていた。
父は料理をたまにするが母は料理をしない人だった。
料理をしない母を片付けない母を父はいつも罵倒していた。
父が罵倒し、怒りを噴出している時、僕は沈黙していた。
週に1度くらいしか夜はいない父と一緒に家族で過ごす時間があった。
僕はその間は沈黙を通していた。
家でのご飯は今は思い出せない。卵かけご飯があればよかったと思う。
いつも怒鳴られてばかりの母はとても、とても、辛抱強い人であった。
つづく。
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