見出し画像

兵書『孫子』ー君は戦争を知っているか?④

 戦争は勝ったとしても、長引けば元も子もなくなる、これは実際の戦争を見れば明らかです。 

『孫子』第二 作戦編(2)
【本文書き下し】
 其の用戦や、勝ちて久しければ、則ち兵を鈍らせ、鋭を挫く。
 城を攻めれば則ち力屈し、久しく兵を曝せば則ち国用足らず。

【現代語訳】
 その(10万の兵団の)戦いの動かし方だが、勝って長くなると、兵団を鈍くさせ、鋭さがなくなる。
 城を攻めると力が挫け、長く兵団をその場に曝すと、国の費用が足りなくなる。

☆評釈☆
 勝ったとして、その後どうなるか、普通は完全制圧を求めて、戦いが長引くだろう。
 しかし、勝っていたとしても、戦いが長引けば、軍団は弱くなっていく。
 また、現在は城を攻めることはないが、都市を攻めることはある。長くその場で戦い続けると、国に費用がかさみつづけて、拠出できなくなっていく。

 まるで見て来たような……。

 「城を攻めれば則ち力屈し」とある「屈」が訳しにくかった。
 また「兵を曝せば」は、訳しにくいのでそのままにしたが、兵団は、攻めている間は野営で、そのまま敵の攻撃に曝されているので、想像はしやすいだろう。

サポートよろしくお願いします。また本を出します〜📚