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高校担任の個人面談の流れ

 大阪府立高校で担任をした時、クラス生徒の指導、特に個人面談は、大体次のような流れでした。

①4月中…顔合わせ
 本人と一対一で面談を行い、顔と名前(通名の人もいます)を確認し、健康上の留意点、その他、気になる点について、質問したり、されたります。

②一学期中間後…成績・出席確認
 中間後に懇談期間がある場合には、保護者・生徒・担任で三者懇談をします。単なる顔合わせの人、進路相談の人、成績出席に問題のある人、生徒保護者側から相談事のある人、さまざまです。

 なお、生徒・保護者に待ってもらっている間に、4月から学校や担任からホームルームで配布したプリント全てファイルしたものを机に載せて廊下に出しておき、見ていただきます。生徒は全部を保護者に渡さない(特に月間予定を含む、学級通信などは本人しか見ていません)ので、保護者は結構熱心に見ていかれます。学校が何をしているのか知らせるのは大事なことだと思いました。

 また、懇談の「お土産」を用意しました。よく懇談前、担任団で「わざわざ来て下さるのだから、お土産、用意しとかなアカン」と言ってみな準備したものです。「お土産」とは、保護者に渡す成績個票や資料(各教科のコメントなど)などです。また進路関係の書類やパンフレットをお渡ししたものでした。

③8月末〜9月…状況確認
 高校三年生は、2〜3月に授業がないため、8月末に授業があります。また、学校によっては9月初めに短縮授業をしています。これは暑さもありましたが、就職指導をしている学校では、午後に企業訪問や面接練習などしていたからです。
 この間の放課後に、保護者を呼ぶことがありました。全員ではありません。4、5月から不登校気味になった場合や、高校斡旋就職や指定校推薦などの進学で確認が必要な場合です。
 本音を聞くために保護者だけにしていたと記憶しますが、調整が必要な場合は生徒を入れて三者面談でした。

 学校によっては9月に行事がたくさんあり、教員は忙しいのですが、保護者も行事関係でPTA役員が来校されますので、保護者が校内を歩いても、あまり目立たないということもあったと思います。

④二学期期末後…今後の確認
 全員呼ぶかどうかは、学校の指導方法によっても違いますが、成績不振や出席が危ない生徒については、必ず保護者を呼びます。
 三者面談にすることもありますが、これもケースバイケースです。呼んでも、本人が来ないことは少なくありません。

 今、どういう状況で、進級のためにはどうしたらよいか、また、これからどうなったら留年するか、システムを淡々と説明します。

 あまり力を入れて説明すると、教員が何とかしてくれる、と勘違いされますし、この時期、教員側にできることは、生徒の友人関係からのアプローチや教科科目担当教員の支援を担任から要請することぐらいで、たいしたことは出来ないのです。

⑤1〜2月…本人に確認
 保護者に年度末に確認したことが、上手く伝わらないこともあるので、生徒本人に状況を確認します。

 何故か、まだ大丈夫な人に限って、「もうダメだ❗️」と投げていることが多いので、可能性があるなら、ハッパをかけます。

⑥3月…連絡
 成績会議終了後、すぐに確定の連絡をします。留年の場合は特に急ぎます。翌年度をどうするか、至急、意思確認が必要だからです。
 意思確認を急ぐのには理由があります。
 基本的には高校生の身分を守るため、簡単には退学にできないため、進級できなければ、自動的に「原級留置」になり、留年数が多い学校では、転退学の人数が翌年度のクラス数に関わります。
 逆に、留年数が少ない学校では、下の学年に入りづらくて転編入を考えることが多いのですが、転編入の日程がタイトで、翌々日には願書提出だったりしたので、かなり急ぎました。

★連絡方法
⑴自宅電話の時代
 地元校で教えていたときは、まだ携帯電話のない時代でしたので、皆に連絡がつくように全員自宅待機を命じたことを覚えています。その学校中、そういうシステムでした。
⑵スマホ
 連絡先がスマホになってきたときは、定時制で教えていたので、全員のスマホに「進級おめでとう」連絡をしたこともありました。
⑶書面
 一学期から不登校のような、生徒保護者との関係性が薄い場合には、電話では連絡が付かず、書面でのお知らせになったこともあります。
⑷クラスメイト
 担任や学校からの電話を取らない、ないしは着信拒否でも、意外とクラス内の友人関係は切れていなくて、クラス生徒から連絡をつけてもらって、話をしたこともありました。

★一番困ること
 生徒自宅から固定電話がなくなり、スマホになってから、保護者につながらなくなることが増えました。その時に困るのは、教科書代金や授業料・諸費用など金銭関係です。
 近年、大阪府では授業料は無償化になりましたが、諸費用(いわゆる私費)はそうではありません。
 修学旅行や遠足や体育祭・文化祭に参加しない場合に返金があるのは事実ですが、全員払わないと行事が維持できないので、ある程度のクラス費は支出されます。
 在籍する限り、諸費用は発生する(生徒保護者の借金になる)ので、それを避けるためにも、とにかく音信不通が1番困りました。

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