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#5 家で靴を脱ぐとは

021/09/10 7:22
 朝食を食べにキッチンへ来ると、ナチョスの残りとぶどうの残り一房が食卓の上に残っていた。昨夜は私が22時過ぎに帰ってくると、寮のフランス人の子たち4人がさらにフランス人の男の子たちを呼んで、食卓でThe Weekend辺りのHot 100を流しながらカードゲームをやってワイワイ楽しんでいた。楽しそうでいいなあとは思ったけれど、あそこに一度私が入っていけば、途端にあの場の共通言語がフランス語から英語に変わってしまう。アメリカ人の子が一人転校してきただけで学校内の主言語が英語になってしまう日本の中学の英語の教科書と同じ悲惨さを感じたので、無邪気に「入れてー」と入っていくことはとてもできず、すんなり自分の部屋へ戻った。でもすごく気になったのが、女の子たちはここの住民なので靴を脱いだり部屋履きを履いたりしていたけど、男の子たちは靴を脱いでいなかったこと。一応ここの寮の緩いルールとして、ロビーの手前辺りで靴を脱ぐことになっているのだけれど、どこで靴を脱ぐのかはかなり曖昧。あとこれは日本人の私には本当に理解できないのだけれど、別に脱いでも脱がなくても良いらしい。初日に室内履きを持っていなかった私がロビーに入るのを躊躇っていたら、裸足で歩き回っていたフランス人の子が「近いうちに室内履き買ってくれば良いから今は土足でいいよ」と言ってくれたのだが、私には「なぜ良いのか」がわからなかった。今も全然わからないし、正直自分がスリッパを履いているのに男の子たちが土足でキッチンを歩き回っているのはなかなか心がパニックだった。結局自分は室内履きでも気が休まらず、邪魔にならない程度に小さいラグを買ってベッドの横に敷き、完全に靴下のままで座り込めるスペースを確保した。座るときは大きめの体育座りをするかあぐらをかくくらいしかできないサイズなのだけれど、このスペースを確保したときの安心感は本当に半端じゃなかった。ついでに低くてちょうどいいサイズのベッドテーブルも買って、ラグのわきに設置した。私はとっても日本人だ。

小さいラグと小さいベッドテーブル

 もう一つ!こちらの方々は手洗いうがいをマジでしない。平常時はまだわかるが、今はコロナ禍だ。うがいが嫌なら手洗いだけでもお願いしたいのだが、フランス人もスペイン人もやらない。リガの中心街の寮に住んでるもうひとりの日本人の子にも聞いたところそちらでも彼女しか手を洗わないらしく、そういうものなのだと思わされた。なんというか、こういうことは文化だから仕方ないと片すべきなのか、「手洗って!」としつこく言うべきなのか、、、わからない。この子たちだって、私がいるせいで我慢したりとか、私の行動にショックを受けたりしているのだろう。自分でも極力気を付けているつもりだけど、節々で日本人が出ているに違いないと思う。小さいラグにあぐらをかいて(時々正座して)、ベッドテーブルにMac Bookを置いて大学の課題をやっている私の姿、彼女たちにとっては超カルチャーショックなのかもしれない。文化って、文化の違いって本当に何なんだろう。

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