続いてほしい時間をつないでいく、タイムリミットの優しさ
あと10分だけ。
アラームがなってから、お布団からでる間までにつかってしまうことが多いけど。
楽しい時間を過ごしているときにも、こう言ってしまう。
あと10分だけ、あと5分だけ、あとすこし。
ちょっとだけ、ほんとにあとちょっとだけ。
そうして、時間がすぎていく。
★
ちょっとだけ、はやく帰らない?
そう言ったのは、半月くらい前の自分だった。
はやくベッドに入って眠りたいのに、なかなかできなくて。夜遅くになってしまっていた。
なんとなく、あれこれ手をつけて。
なんとなく、どれも中途半端だったから。
まずは、ちょっとだけ、はやく家に帰ることにした。
あともう一軒だけ。
あともう1ページだけ。
あともう、ほんとにちょっと。
そう言い切る前に、帰り支度をする。
うんうん、また明日ねっていいながら。
たったそれだけだから、時間にしたらあんまり変わらなくて。いつもとおんなじになっちゃったなぁなんて日も多いけれど。
とんとんとんとリズムよく進んで。いつもよりも1時間もはやくベットに入れることもあって。そんなときの幸せをたくさんたくさん感じた。
いつもならこれからお風呂なのに、今日はあと眠るだけってね。
そしたら。すこし自信がついた。えっへん!っていう感じじゃなくて、やればできちゃうねっていう自分への信頼が。
★
あと10分だけ。そんなタイムリミットは、ときに厳しさでもあるよつに感じていたけど。
タイムリミットは、厳しさよりも優しさだった。
ほかにもあるでしょ、やりたいこと!
気づくことのできる優しさだったり。
もう、ほんとは疲れてるくせに!
労わることのできる優しさだったり。
ほら、また明日ね。
眠たそうなのに、眠らない子をあやすような優しさでもあったんだ。
★
あと10分だけって言いたくなるのをぐっとこらえて、明日のお楽しみねって。
たまにたまに、いいよって言えることも、特別になるくらい。
いま楽しい時間がこれからも続けられるようにね。
自分の居場所がほんのすこし好きになるように。
自分のからだを労われるように。
自分のこころがほぐれるように。
明日を迎える用意ができるように。
やさしいタイムリミットをたくさんもっとこう。
いつも読んでくださり、ありがとうございます♡