袖をとおす瞬間に、今日への期待を高めてく
服は、福をつれてくるみたい。
気分はちょっとスキップしちゃいそうなくらい浮かれていた。
どのくらいって、こんな冗談が言えてしまうくらいにだ。 フンフンと鼻歌もうたってしまいそうになる。
おおきな紙袋を肩にかけて歩く、家までの道のり。ごそごそと歩きにくいことをさしひいても、ごきげんだ。
出かける前に雨が降りそうだった黒い雲は、いつのまにかどこかにいってしまった。青い空をみあげて、にっこりした。
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「んー、どうしよう。全然決まんない。」
ハンガーにかかる洋服を組みあわせながら、渋いかおをする。クローゼットにならぶ洋服とにらめっこする夜が、ここ2週間くらいつづいていた。
雨が降ったり、汗ばんだり、すこし肌寒かったり。天気予報の気温と天気だけでは、体感温度がわからないことが多い時期。起きたときに窓をあけて確認するまで、これ着てこうがなかなか決められない。
ただ、朝までに2つくらいにまでは絞っておきたくて、毎晩クローゼットで悩んでしまう。そのくらい、ピンとくる洋服がなかった。
なんでだろうとここ数ヶ月を思い返してハッとした。
買いにいこうとしても、いつも人の多さに参ってしまって何も買わずに帰ってきてしまう。気づけば、3ヶ月くらい新しい洋服を買っていなかった。
ちょっとおっくうになりながらも、明日はお買い物に出かようと心に決める。やっぱり、好きな洋服で毎日をすごせたらいいものねっと。自分の中でねむってしまった乙女心をおこすように。
とりあえず、これとこれっと決めて、眠ることにする。のそのそっとお布団にもぐりこみながら、スマホに手を伸ばして、あのサイトにアクセスした。
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あくる日、ずらりとならぶ洋服フロアのあるショッピングモールにきた。すこし緊張しながらも、とりあえずいろんなお店をのぞいてみることにした。知っているお店、知らないお店、どこも10分くらい洋服をみて、次へ。
入りにくそうなお店のときにも10分ルールは役にたつ。10分なら、ハードルがぐんとさがるものね。
勇気をだしてはいったお店。雰囲気とはうらはらに、シンプルだけど、女性らしさのでるカジュアルな服がたくさんあった。
なかでも、いちばん好みの服とであえた。鎖骨がきれいにみえるトップス。袖がふっくらとふくらんでいるのがかわいらしい。
こんな服がにあう女性になりたいな。
そう思えたのが決め手になって、購入することにした。
久しぶりの可愛い洋服にニヤニヤがとまらない。ひとついいなって洋服が買えたら、そのあとはどんどん楽しくなっていった。
こんな色もいいな、こんな模様もいいなっと、気づけばステキな洋服にたくさん出会えていたんだもの。
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こうなったらいいなぁって選ぶことの楽しさを感じて。
前夜にアクセスしたのは、わたしにとってはアドバイスをくれる頼れる存在だ。存在といっても、人ではなくて、メッセージ。
おみくじのように自分で選んで、メッセージをもらう。サイトの可愛さにひかれていたのだけど、だんだんメッセージのほうが重要になっている。そのくらい、今のわたしにぴったりなメッセージなんだもの。
今回もそうだ。
こんなにもたくさんの出会いがあったんだもの。明日からは、着たい服がいっぱいで迷っちゃいそうだな。なんて、幸せな悩みをかかえてしまうくらい、夜がたのしくなってしまうのだから。
いつも読んでくださり、ありがとうございます♡