今よりもっとステキをまとって、ひるがえして

場違いかな。

誰かに何かを言われたわけではないのに、そわそわしてしまう。

色とりどりのかわいい洋服。シンプルだけど、女性らしいデザインがたくさんならぶ空間。雑誌でよく見かけるブランドのお店でわたしは洋服をみていた。

いつもは来ないお店にはいったのは、背中をおされたから。セールという勢いもあった。もしかしたら、手を伸ばせるものも、あるかもしれないって。
だけど、このソワソワした気分はどうにもならない…っておもってたんだけどな。

かわいい洋服にかこまれて、気分はどんどんたかまっていく。
気になる洋服をあてて、鏡にじぶんをうつしてはニコニコしてしまう。わたしもやっぱり女の子だなっとクスリとわらった。

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あれ？
もしかして、前回もおんなじコーディネート？

月末の旅行をひかえて、洋服をかんがえていた。なんだか見慣れているなっと思ったら、いっしょに旅行にいく友だちと先日ランチしたときと同じコーディネートだった。

まえに洋服かったのいつだったかかんがえても、全然思い出せない。そのくらい、おしゃれから遠のいていたみたいだ。困ったなぁっとスマートフォンをてにとると、スケジュール機能からお知らせがきていた。

お休みエンドロール！！

その通知にはっとする。忘れるところだった、わたしの週末の日課。

お休みエンドロールというサイトから、週末のスパイスをとりいれること。サイトにアクセスして、うつりかわる金色のオーナメントをえらぶ。そうすると、明日がたのしくなるような週末の過ごし方をおしえてくれるんだ。

今日はなにかなぁっと、オーナメントをおす。それは、今のわたしにぴったりすぎた。

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どの洋服もかわいいなぁ。でも、似合うか微妙なだった。もちろん、ヘアスタイルやヘアカラー、メイクをがらりと変えればどうにかなるはずだけどね。

残念だけど、また今度かなっとお店をあとにしようとすると、目があった洋服があった。

わぁ。

繊細なレースが背中側にあしらわれたトップス。前からみた感じがシンプルなのに、このさりげないかわいさは、大好きだ。
どうしよう、試着してみたいな。

「そのトップスかわいいですよね。」

顔をあげると、ふわふわと髪をまいたふわりと笑顔とめがあう。まつげがながくて、かわいくメイクしていて、すれ違ったらふりかえってしまいそうな。

「あっ、はい。」

思わず、目をそらしながら、答える。トップスの下に名札があるから、きっとこのお店の店員さんなのだろう。一気にソワソワがもどってくる。どうしよう、試着してみたいのにな。そんなとき、言葉がよぎった。

おしゃれしたい気持ちに壁はない！

お休みエンドロールから受けとったメッセージ。
これからかわいくなるのだから、気後れなくていい。今日をかわいくなるための一歩にしてこう。わたしは、ドキドキしながら、口をひらいた。

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へへへ。

電車にゆられながら、口角が自然にあがる。ひざのうえには、ショルダーバッグとかわいいショップバック。

たくさん悩んで、色ちがいも試着して。いちばんはじめに気にいったトップスを購入した。カラーは黒にしたけど、透けていてかわいいのだ。

勇気をだしてよかったと、ココロがほかほかしていた。きっとこの洋服を着る日には、また何かをしてみたくなる。もちろん、あのエンドロールの言葉もいっしょに。