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隣の芝生と自分のいる景色 

世の中には仕事に悩んでいる迷える子羊たちのなんと多いことか。
仕事に生き甲斐を求めるなら当然だ。
転職もどんどんすれば良いと思う。

でもふと思う。

良い環境、合う仕事って何だろう。

世の中、専門職でもない限りそんな高給な仕事は無いし自分は職をあれこれ選べるだけの技量なりがあるのかといえばほとんどの人が資格も特技も無いだろう。

大企業で働いてるのはほんの一握りの人で
その他はほぼ零細企業で働いている。

テレビは大企業の今年のボーナスを毎年高らかに発表するが、はて?なんのはなしですか?だ。

私が大事だと思うのはどのような職であれ朝起きて仕事場に行けるか、さらには仕事先に居場所があるのか、だけの違いだと思う。

私は今の仕事を辞める気はない。
居場所があるからだ。

人間関係はというと、まるでクラスだ。
馴れ合いが強いアットホームな職場である。
あの人がどうやこうやという噂話もあるし不満も笑い話も突然の団結も、とにかくクラスで起こりがちな光景が日常的にある。

そんな職場の生活を私は自分の生活の中の「景色」にすることに成功した。
私がこの会社で働くのは生活の中の景色なのだ。捉え方を変えたのだ。
以前記事にしたワークアズライフの考え方だ。

会社への不満が死ぬほど募り、うっかり辞める決心をするとこだったことも1回や2回ではない。実際、私は40代半ばに体調不良でどうにもならなくなり今の会社を一度退職している。
そして退社後半年という期間で3社で働いたがいずれも短期間で辞めた。自分は社会不適合者ではないのかと悩んだ。3社とも今の会社よりも断然簡単に仕事ができ、きちんとしたマニュアルもあり全般的にホワイトだったのに、私は適合できなかったのだ。

隣の芝生は青く無かった。逆に隣の芝生から見た自分の会社は限りなく安全地帯だったのだ。

私は愕然とした。今の会社以上に楽しく働けるところは無かった。時給も今の会社が1番高かった。結果、退職から1年経たずに私は今の会社に出戻ったのだ。出戻って6年になる。トータルで11年だ。

出戻った以上、もう辞める気はない。
諦めもあるし、年齢もある。
私は資格も特技もない。
資格を活かした仕事とは無縁だ。
だが、私を必要だと言って再び受け入れてくれた職場なのだ。40代以上でこの会社を辞めた人間は高確率で出戻る。

きっと皆気づいてしまったんだ。
不満を抱えて飛び出したはずなのに
隣の芝生と比べたらうちの会社は断然優しく居心地が良いことに。そして40オーバーが新しい居場所を作ることの難しさに。

私は動ける限りこの会社にしがみつく。

今更何者にもなれないが生活をするには充分だ。
私はこれからもこの会社で過ごす自分を毎日の「景色」にしてうまく生きていくのである。




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