スポーツ選手への誹謗中傷が起こる理由を考えてみた
女子プロレスラーの木村花さんがわずか22歳で急逝されました。
あまりにも若すぎる。本当にご冥福をお祈りします。
気になるのは、花さんがSNSでの誹謗中傷に悩み、自ら命を絶ったのではないか?と言われていること。
※事務所からはまだ正確な亡くなった経緯は発表されておらず、これらは憶測でしかありません。
まだ彼女の行動の詳細がわからない状態で、この話をするのはためらわれました。
ですが、多くの人に反響があった今、「スポーツ選手への誹謗中傷」この課題について考えてみたいと思います。
以前、スポーツ選手への誹謗中傷についてnoteを書きました。
このnoteで取り上げていたのは、スポーツのルールに対する異議から、選手への誹謗中傷に発展してしまうというもの。
その他、よくありがちなのは、
・選手が期待する結果を出せなかったことを責め立てる
・選手のプライベート写真や動画について
・選手のテレビ出演時の行動、言動について
・選手のSNSでの投稿について
この他にも様々な要因で叩かれることがあります。
大方、先ほど挙げた4つの要素が多いほど、誹謗中傷が多くなる傾向にあります。
(あくまで雑感です)
木村花選手はSNSやインスタグラムをやっており、「テラスハウス」という番組にも出演していた女子プロレスラーだったので、批判に晒されやすい環境であったといえます。
(批判していいということでは全くありません)
ですが、これらの批判要素には、多くの誤解も含まれていると感じます。
選手を批判する行動に走るメカニズムを考え、多くの誤解に関して伝えたいメッセージと共にお話しします。
批判1.選手が期待する結果を出せなかったことを責め立てる
特にオリンピックなどの大きな大会の後はこれが多いです。
「メダルが取れなかった」
「金メダルじゃなかった」
「若手に負けてる」
「なんで試合出たんだ」
などなど…。
アスリートとして結果を出せなかったとき、コーチや関係者から苦言を呈する記事が出ることもあり、それに便乗するように悪口合戦が始まることもあります。
しかし、ずっと選手を育ててきたコーチからの叱責は愛があっても、
一般人からの批判に愛はあるのだろうか?
そう考えてしまいます。
コーチや選手のスポンサー、連盟といった団体は、選手のために時間やお金を投資しています。
選手のために何ができるか、常に考えています。
そんな人たちが、結果を出せなかった選手に叱責したとしても、それは「あなたはもっとやれる」「こんなもんじゃない」という愛情も含まれていると感じます。
(もちろん行きすぎた暴力ではいけませんが…)
関係者じゃなければ何も言ってはいけない、とは思いません。
たとえば社会正義に反することをした場合、それを「悪くない」などと言うのもどうかと思います。
ですが、何も悪いことをしていない選手に、「結果が出せなかった」というだけで、一般人が手のひらを返したように批判をするのはどうしても違和感があるのです。
批判2.選手のプライベート写真や動画について
近年、選手がSNSで自分のプライベート写真や日記を投稿する機会が増えてきました。
こういった何気ないものが批判の対象になることもあります。
ちょっと変わったことをしていると、
「そんなことしてる暇あったら練習しろ」
など言う人がいるのです。
選手のプライベート写真が何かと批判の対象になる現状は、
「スポーツ選手なんだから競技に専念すべき」
という考え方が根底に垣間見えます。
これはスポーツ界全体に根強く残る考え方でもあり、一つの課題と考えています。
ですが、スポーツ選手が競技だけに専念することは、多大なリスクを伴います。
これについて詳しくは別途取り上げたいと思いますが、スポーツでいくら結果を残しても、社会に出れば普通の人間です。
実際、スポーツ界引退後もテレビで活躍しているように見える人はほんの一握りですし、タレントとしての素質もある人だからできるといえます。
だから、スポーツ選手が趣味に勤しんだりスポーツ以外の才能を開花させることは、むしろ自然であり、必要なことなのです。
批判3.選手のテレビ出演時の行動、言動について
スポーツ選手がテレビ出演することに関して、批判を受けることが多いです。
多くは出演時の行動、言動に関してですが、
「スポーツ選手がテレビに出るなんて…」
という声も多いです。
ここに大きな誤解があるのですが、スポーツ選手でテレビに出たくて出てる人はほとんどいないです。
番組収録なんてかなり時間を取られますし、時給換算したら普通のバイト程度の報酬しかありません。
ではなぜ、彼らがテレビ出演を選ぶのか。
それは、スポーツそのものや選手への認知度を高めるため。
木村花さんも、女子プロレスへの認知度を高めるために、テラスハウスに出演していたといいます。
だからこそ、「番組に出るな」という批判は相当こたえたでしょう。
きっとテレビ出演は苦手だけれど頑張って出ていたのではないかと思います。
そんなときに「出るな」と言われて、それでもプロレス界のために頑張らなきゃ、と思い出演し続ける。
一般人には想像し難いですが、それはとても辛いことだったと思います。
批判4.選手のSNSでの投稿について
選手のSNS投稿が増えた現代ならではの批判要素がこれです。
いわゆる炎上ですね。
選手のプライベートを批判するのとかぶる部分が多いですが、多くは選手が投稿したたわいもないつぶやきや写真が発端となる場合が多いです。
リプライという形で一斉に通知が来て止まらない状態になりますから、本人にとってかなりの恐怖とダメージになります。
確かに、本当に問題行動をしている動画や写真を載せる人も一部いますが、多くはたわいもないことです。
最近、コロナ関係でストレスが溜まっているためか、特にそれが多い。
よく、「批判や個人の感想だから問題ない」という人がいます。
しかし、「顔も知らない人間に寄ってたかって批判される」というのは
「個人の感想だから問題ない」
「正当な批判だから問題ない」
これらで済ませていいものなのか?
疑問が残ります。
批判がヒートアップして誹謗中傷に繋がっているパターンも多いです。
これらを無くす仕組みを作れないか、スポーツ界全体で考えてほしい。
もちろん私も日々考えます。
それではまた明日!
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