第1回「サビをいつも『パッと散って咲いて灰に』って間違えてしまう」

始めまして。鈴龍かぶとと申します。

カクヨムというサイトで小説を投稿しており、その執筆練習の一環としてnoteを始めてみました。使い方がまったくわかりませんが見守っていただければと思います。

拙著です。よろしければ是非。

『魔術オタクは、裏口入学した名門校から世界一の魔術師を目指す。 』 

 https://kakuyomu.jp/works/16816700425956540573

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Creepy Nutsさんの新曲『パッと咲いて散って灰に』が刺さりました。

以前関ジャムで彼らの特集をやっていたとき、ハマ・オカモトさんがR-指定さんのリリックは聴こえる、的なことを言っていました。そのときは物理的な、聴覚的な話かと思いましたが。違うなと。

ヒップホップはアンダーグラウンド、不良文化と呼ばれています。その歌詞の芸術性の一端は、壮絶な体験からの成り上がり、リベンジの描き方、そこに付随する強さにあります。

しかしだからこそ、聴きづらい。エンタメ性と共感性は比例するので、共感する人が少ないことはそれだけコアな人にしか刺さらない。

そういう意味でR-指定さんのリリックは聴きやすい、という意味だったんでしょうね。

描いているものは間違いなくヒップホップ的な強さ。しかしそのリベンジの対象は、劣等感だったり周囲に虐げられた過去だったり、時には己の後悔だったり。曲中でも彼はそのことに言及しています。

そして新曲。

「「ここまでくりゃ大したもんだ」なんて誰ぞがほざいた 耳を貸すな 振り返りゃ美化できる轍だが お前が下した お前が退かした あの日お前の手で終わらした いくつもの声や 願いは そう簡単に許しちゃくれないさ」(Creepy Nuts『パッと咲いて散って灰に』より)

2番の冒頭、個人的にキラーフレーズでした。

勝つって殺すってことだよなぁ、と改めて気づかされ、そのあとこの曲を聴き返すと、誰も傷つけないで勝とうなんて甘い、と言われているような表現が随所にありました。

撃っていいのは撃たれる覚悟のあるやつだけだ、じゃないですが。

夢を追うには、他人の夢を潰す覚悟が必要なのかもしれません。

…第一回 了

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ちなみに今回の楽曲は第94回選抜高校野球大会MBS公式テーマソングです。

1番と2番、2番とラスサビ、それぞれの間でトラックが一度止まります。

これなんでかなと思ってたんですが、野球の曲ということで多分ツーアウトなんだろうなと。

そして最後、この曲は次のように締めくくられ、余韻を残しトラックもピタリと止まります。

「誰のせいにも出来ぬこの土壇場で かっ飛ばしてくれ派手に どこまでも遠くへ」(Creepy Nuts『パッと咲いて散って灰に』より)

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