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読書記録

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僕が読んだ本の感想や印象的なフレーズが書いてある記事です。
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#朝井リョウ

2023年、僕が本から拾った言葉たち

SNSによる誹謗中傷、相手を配慮しない余計な一言、情報の先取り合戦、論破…… 「ファスト映画」が話題になっているように、「コスパ」「効率化」が重要視されているような令和の世の中。そんな世の中で、言葉がどんどん鋭利になっているのを感じている。また、日々のニュースを通じて政治家による不適切な発言が嫌でも目に付く機会が増えているように感じている。鋭利であるとともに、言葉が軽くてぞんざいに扱われているような気もしている。 僕にとっての読書の楽しみの1つが、様々な言葉に出会えること

#96 2023年11月に読んだ本【読書日記】

こんにちは☺️ 当記事は、僕が11月に読んだ本の中から12冊をまとめたものです。 それぞれの本で、読んだきっかけ、このような方にオススメ、感想、印象的なフレーズを書きました。読む本を迷っている方にとって、参考になっていただけたら幸いです。 1.『正欲』(著:朝井リョウ)📖読んだきっかけ 朝井さんの作品といえばメッセージ性の強さ。本作はそれが色濃く出ているような気がして、以前から気になっていました。また、11月公開の映画の前に読みたいとも思っていました。 📖このような方に

#74『Another side of 辻村深月』(著:辻村深月)を読んだ感想【読書日記】

辻村深月さんの『Another side of 辻村深月』 数々の作品を生み出す作家・辻村深月さん。執筆で考えていること、好きなものなどの辻村さんの裏側に迫った1冊です。『この夏の星を見る』のスピンオフも掲載されています。 読んだきっかけ本作が3月に発売されたことは知っていましたが、もっと後になってから読もうと思っていました。 しかし、『この夏の星を見る』を読んだことでその考えが変わります。今年読んだ本の中で一番感動したことで、今すぐにでもスピンオフを読みたいと思い購入し

#58『ままならないから私とあなた』(著:朝井リョウ)を読んだ感想【読書日記】

朝井リョウさんの『ままならないから私とあなた』 読んだきっかけあらすじとタイトルが気になり手に取った1冊です。 妙に気になるタイトルは、読み終わって「なるほど!」と納得しました。 このような方にオススメの本です朝井リョウさんの作品が気になっているが、まだ読んだことがない 色んな価値観に触れたい 人間関係について考えたり、悩んだりすることがある あらすじ感想対立する価値観の両者に共感でき、どちらも正解なのだと思った 自分の考えを押し付けず、相手の気持ちを思いやる「想

2023年4月に読んだ本【読書日記】

こんにちは😌 2023年4月は15冊の本を読みました。 内訳は、 小説12冊 エッセイ1冊 ビジネス・自己啓発本2冊 今回は、2023年4月に僕が読んだ小説、エッセイなど13冊をまとめた記事です。 各作品で、印象に残ったフレーズを載せました。 あなたにとって響くフレーズがあるかもしれません。 1.『食堂かたつむり』(著:小川糸)2.『成瀬は天下を取りにいく』(著:宮島未奈)3.『羊と鋼の森』(著:宮下奈都)Audibleでの再読です。 4.『今宵も喫茶ドードーの

#41.5『スター』(著:朝井リョウ)を読んだ感想・番外編【オンラインサロンについて】

朝井リョウさんの『スター』 僕は先日読了し、『スター』を読んだ感想について書きました。 物語の中でオンラインサロンについても書いてありましたが、読んでいて共感できる部分がありました。朝井さん何かしらのオンラインサロンに入ってる?と思うくらいに。 その点についての感想を書いていなかったので、僕が実際にオンラインサロンに入っていた経験も合わせて軽く触れたいと思います。 『スター』を読んでオンラインサロンについて感じたことを振り返ってみたオンラインサロンとは会員制のコミュニテ

#41『スター』(著:朝井リョウ)を読んだ感想

朝井リョウさんの『スター』 先月に文庫版が刊行されました。 今の世の中におけるSNSやメディアに関して、モヤモヤとした何かを感じていることは誰しもかあると思います。それが見事に言語化されていました。 あらすじ大学の同じ映画サークルだった立原尚吾と大土井絋。 2人が監督を務めた作品『身体』が、ぴあフィルムフェスティバルでグランプリを受賞します。 慎重派で「細部に神が宿る」を信念にしている尚吾と、感覚派でかっこいいと感じたものをかっこよく撮る絋。 2人は大学卒業後に対照的な道

2023年3月に読んだ本【読書日記】

こんにちは😌 2023年3月は14冊の本を読みました。 内訳は、 小説11冊(内Audibleで2冊) エッセイ2冊 ビジネス・自己啓発本1冊(Audible)。 今回は、2023年3月に僕が読んだ小説、エッセイ13冊をまとめた記事です。 各作品で、印象に残ったフレーズを載せました。 あなたにとって響くフレーズがあるかもしれません。 1.『麦本三歩の好きなもの 第二集』(著:住野よる)2.『噛みあわない会話と、ある過去について』(著:辻村深月) 3.『爆弾』(著

#28『時をかけるゆとり』(著:朝井リョウ)を読んだ感想

朝井リョウさんの『時をかけるゆとり』 朝井さんのエッセイ集第一弾です。 本作を読む前に、重厚なミステリーである『爆弾』(著:呉勝浩)を読んで身体が緊張していたので、力を抜こうと手に取った1冊です。 読み始めてすぐに、抜け過ぎないか心配になりました(笑) あらすじ感想すべてのエピソードが面白くて笑える 朝井さんの鋭い観察力、表現力が発揮されている1冊 人がいる環境で読むのは推奨できない? 戦後最年少で直木賞を受賞した朝井リョウさんのエッセイ集。 朝井さんの小説で印象

2023年2月に読んだ本【読書日記】

こんにちは😌 2023年2月は14冊の本を読みました。 内訳は、 小説10冊 エッセイ1冊 ビジネス・自己啓発本3冊(すべてAudible) どの本も出会えて良かったと思ってます。 今回は、2023年2月に僕が読んだ小説10冊をまとめた記事です。 各作品で、印象に残ったフレーズを1つ載せました。 あなたにとって響くフレーズがあるかもしれません。 1.『武道館』(著:朝井リョウ) 2.『ラブカは静かに弓を持つ』(著:安壇美緒)3.『宙ごはん』(著:町田そのこ)4

#14 アイドルの見方が変わる?『武道館』(著:朝井リョウ)を読んだ感想

朝井リョウさんの『武道館』 過去にアイドルを応援していたことがきっかけで手に取った1冊でしたが、予想以上に面白かったです。 あらすじ感想アイドルの見方が変わる1冊 僕はかつて、あるアイドルを応援していたことがあります。 今の言葉で言うなら「推し」がいたってことですね。 単にテレビやYouTubeなどで見ていただけでなく、県外へライブや握手会に定期的に行ったり、色んな企画を考えたり。 そんな中で見た本作。 懐かしい気持ちだけでなく、改めてアイドルの凄さを感じたり、新たな

#12 高校時代の青春を思い出す『桐島、部活やめるってよ』(著:朝井リョウ)を読んだ感想

朝井リョウさんの『桐島、部活やめるってよ』 朝井さんのデビュー作であり、映画化もされた作品です。 あらすじ感想まるで高校時代に戻ったかのようなリアル感が溢れる描写 タイトルだけは知っていて、原作も映画も見てなかった本作。 桐島を何とかして部活に戻そうぜっていう熱血青春小説だと思ってました。 それは自分の勝手な思い違いでした(100%そうだったわけではないですが) ただ、これほど青春というものを感じさせる小説はなかったかもしれません。 高校時代の、勢いのまま生きる様子

#9 人は、たった140文字では分からない。『何者』(著:朝井リョウ)を読んだ感想

僕が朝井リョウさんの本を読みたいと思ったきっかけ。 それは、若林正恭さんのエッセイ『ナナメの夕暮れ』文庫版の解説でした。 数ページなのに、的確な解説が強く印象に残っていたんです。 今回読んだのは、直木賞受賞作でもある『何者』 あらすじ感想心に刺さりました、いや刺されました。 特にラストは、静かな部屋がさらにシーンと静かになった気がしました。 ホラーではないのに怖さを感じています。 『何者』は、大学生の就職活動(就活)をテーマとした作品です。 5人の登場人物を中心にし