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読書記録

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僕が読んだ本の感想や印象的なフレーズが書いてある記事です。
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2023年3月の記事一覧

#35『めぐり逢いサンドイッチ』(著:谷瑞恵)を読んだ感想

谷瑞恵さんの『めぐり逢いサンドイッチ』 今年は色んな料理が作れるようになりたいと思っていて、最近は食べ物・料理系の小説の開拓を始めています。 その中でパン・サンドイッチが好きなこともあって手に取った1冊です。 あらすじ感想サンドイッチが食べたくなる1冊 サンドイッチの素敵な魅力が発見できた どの短編も心が温かくなり癒される 『めぐり逢いサンドイッチ』の舞台は大阪にあるサンドイッチ店『ピクニック・バスケット』 そのお店で販売されるサンドイッチによって、さまざまな物語が

#34『おやすみラフマニノフ』(著:中山七里)を読んだ感想

中山七里さんの『おやすみラフマニノフ』 岬洋介シリーズの第2作で『さよならドビュッシー』の続編です。 『さよならドビュッシー』が印象的な作品だったので、続編もぜひ読みたいと思い手に取った1冊です。 あらすじ感想演奏を聴きながら読みたくなる音楽描写は前作同様すごいの一言 ミステリというのを忘れるくらい演奏に引き込まれた ミステリ要素に関しては前作に比べて驚きは少ない? 『おやすみラフマニノフ』は岬洋介シリーズの第2作。 主人公の城戸晶は、秋の演奏会に向けて練習に励みま

#33『完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込』(著:若林正恭)を読んだ感想

オードリー若林正恭さんの『完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込』 若林さんが最初に出したエッセイ本で、今やお笑い芸人さんのエッセイ本の中でも代表的な1冊となっています。 実は4~5年前に1度読んだことがありますが、内容がうっすらとしか覚えていないので今回再読しました。 あらすじ感想自意識過剰、ネガティブな方にとって今を生き抜くヒントを与えてくれる 尖っている分、切実さが文章から伝わり、強い響きとなって僕に返ってきた 本作は、若林さんがブレイクしたばかりの頃(20

#32『光のとこにいてね』(著:一穂ミチ)を読んだ感想

一穂ミチさんの『光のとこにいてね』 2023年(第20回)本屋大賞ノミネート作品で、第168回直木賞候補作でもあります。 本屋大賞には、昨年の『スモールワールズ』に続いて2年連続でノミネートされました。 あらすじ感想陰の存在が強く出ていて、儚さを感じさせた 自らの意思で道を開こうとする2人は弱くはない ボリュームがありながら、行間が気になる作品と思った 結珠と果遠の2人は、小学校2年生の時に果遠が住む団地で出会います。 住む場所も家庭環境も違い、決して交わることはな

#31『さよならドビュッシー』(著:中山七里)を読んだ感想

中山七里さんの『さよならドビュッシー』 中山さんのデビュー作でありながら、第8回『このミステリーがすごい!』大賞(このミス)の大賞受賞作でもあります。 あらすじ感想困難から逃げるのではなく立ち向かう勇気をもらった まるでピアノの演奏を実際に聴いているかのような感覚 あれ、ミステリ小説だよね?と思いながら最後まで読むと… 『さよならドビュッシー』は、ピアニストを目指している香月遥(こうづき・はるか)が主人公の音楽「ミステリ」 遥は、家事により全身大火傷を負い、愛する

#30『大延長』(著:堂場瞬一)を読んだ感想

堂場瞬一さんの『大延長』 僕がもともと野球が好きであることや、ちょうどWBCが開催されていることもあり、野球に関する小説が読みたいと思っていました。 その中で手に取った1冊が本作です。 解説はなんとWBC日本代表の栗山英樹監督! あらすじ感想道場さんが紡ぎ出す、野球の素晴らしさが伝わってくる言葉に痺れた 高校野球にある光と影の部分が写し出されている 『大延長』は、夏の甲子園決勝戦の引き分け再試合の様子が主に描かれています。 本作では、試合の様子を通じて、高校野球に

#29『#真相をお話しします』(著:結城真一郎)を読んだ感想【ネタバレなし】

結城真一郎さんの『#真相をお話しします』 2023年(第20回)本屋大賞ノミネート作品です。また、短編集の1作「#拡散希望」は第74回日本推理作家協会賞を受賞しています。 僕は4か月前にAudibleで聴き、今回紙の本で再読しました。 あらすじ感想・いたる所にある伏線や終盤の展開はどの短編も見どころがある ・それぞれのテーマについて教訓のようなものを伝えている? ・思っている以上に、小学六年生は大人だ パパ活、マッチングアプリ、リモート飲み会、YouTuberといった

#28『時をかけるゆとり』(著:朝井リョウ)を読んだ感想

朝井リョウさんの『時をかけるゆとり』 朝井さんのエッセイ集第一弾です。 本作を読む前に、重厚なミステリーである『爆弾』(著:呉勝浩)を読んで身体が緊張していたので、力を抜こうと手に取った1冊です。 読み始めてすぐに、抜け過ぎないか心配になりました(笑) あらすじ感想すべてのエピソードが面白くて笑える 朝井さんの鋭い観察力、表現力が発揮されている1冊 人がいる環境で読むのは推奨できない? 戦後最年少で直木賞を受賞した朝井リョウさんのエッセイ集。 朝井さんの小説で印象

#27『爆弾』(著:呉勝浩)を読んだ感想

呉勝浩さんの『爆弾』 2023年(第20回)本屋大賞ノミネート作品です。 また、『このミステリーがすごい! 2023年版』(宝島社)国内編と、『ミステリが読みたい! 2023年版』(ハヤカワミステリマガジン2023年1月号)国内篇で1位を獲得しており、第167回直木賞候補作にもなっています。 あらすじ感想緊張感漂う頭脳戦にハラハラ 衝撃よりはジワジワくる感じ 誰しもが「欲望」という無敵のカードを持っている? 『爆弾』は、立場や境遇が違う警察官たちによって物語が進む群

#26 『噛みあわない会話と、ある過去について』(著:辻村深月)を読んだ感想

辻村深月さんの『噛みあわない会話と、ある過去について』 辻村さんの作品を読んだのは、昨年12月の『冷たい校舎の時は止まる』以来2か月半ぶり。 2023年になってからは最初に読んだ作品です。 あらすじ感想「黒辻村」が前面に出ている1冊 どの短編もゾワッと怖さを感じさせる でも、実は少しの希望もある? どこか不穏な雰囲気のある4編による短編集。 どれも「過去」の出来事がきっかけで物語が動いていきます。 辻村深月さんは、ハッピーエンドで温かい読了感がある作品が多いです。

2023年2月に読んだ本【読書日記】

こんにちは😌 2023年2月は14冊の本を読みました。 内訳は、 小説10冊 エッセイ1冊 ビジネス・自己啓発本3冊(すべてAudible) どの本も出会えて良かったと思ってます。 今回は、2023年2月に僕が読んだ小説10冊をまとめた記事です。 各作品で、印象に残ったフレーズを1つ載せました。 あなたにとって響くフレーズがあるかもしれません。 1.『武道館』(著:朝井リョウ) 2.『ラブカは静かに弓を持つ』(著:安壇美緒)3.『宙ごはん』(著:町田そのこ)4

#25『麦本三歩の好きなもの 第二集』(著:住野よる)を読んだ感想

住野よるさんの『麦本三歩の好きなもの 第二集』 『麦本三歩の好きなもの 第一集』の続編にあたります。 第一集を読んでない方は、まずはそこから読むのが良いでしょう。 三歩がどんな人物なのかを知っておけば、より楽しめるからです。 あらすじ感想何気ない日常が愛おしくなる1冊 所々で笑えたり、感動?したり力を抜いて読める 三歩が時折見せる鋭い感性には学ぶことも多い? 大学図書館の司書で働く麦本三歩の日常を描いた短編集。 第二集では、後輩ができたり合コンに行ったりと新たな