[小説]「あなたの知っている「わたし」とわたしの知る「あなた」」箔塔落
文学フリマに商業作家が出展してもいいことは知っているし、そもそも論を言うのなら、商業作家とは、ただ単に商業ルートで本を流通させたことのある書き手であるにすぎない。アマチュア作家の中には、十把ひとからげにはとうていできない野心とそれに見合う才能をもっている方々(と、あえて複数形で言おう)がいることも、なろうからの拾い上げであるコハダアオイは、知りすぎるほど知っていると言ってよい。今回、一般参加と相成ったのは、ただ単にブースの申込期限を過ぎてしまっていたからだが、むしろかえって