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自由研究〜2023年の夏に見た雲たち。

今さら言うまでもなく、今年の夏は暑かった。
僕は暑さには強いのだけど、湿度に弱い。で、湿度が高かっただけに、自宅近くや旅先で見る雲がいちいち大きくて、何度カメラで覗いたことか。大気の状態が不安定と聞くと、危ない雨でも降らない限り、カッコいい雲を見ることができる、という期待が高まる。

このような、白から青へのグラデーションを見ると、思わずカメラを取り出してしまうのですよ。

ひと言に雲と言っても、白からグレーから赤まで、いろいろな色があり、それぞれがグラデーションを形成しながらスポットライトを浴びたり陰になったり、それだけで”作品”になってしまう。しかも5分で作られて、5分で壊される大作ばかり。
人が同じものを作ろうとしたら、いったい制作費はどのくらいかかって、何人のスタッフが必要になるだろう?

雲のレイヤー。低層、中層、高層の雲の違いを覚えておくと、眺める楽しみが増えます。

それほどの大作を、こうして、わざわざ美術館に足を運ばなくてもいつでも見ることができる。だからこそ、空を見上げないなんてもったいないのです。
ということで、この夏、印象に残った雲を、6月から順に紹介して行きます。

6月は、嵐と共にやって来たのだった。

今年の梅雨入りは早かった。しばらく青い空は見納めかな、と思ったものの、意外に晴れの日が多くありませんでしたっけ?

6月3日夕方。神奈川県。嵐の後の雲は、美しいの法則。
6月9日夕方。神奈川県。写真の中に電柱や建物を入れる理由は、雲の大きさを伝えるためです。
6月13日。神奈川県。タチアオイの花がいちばん上まで咲くと梅雨が明ける。つまり、この花が咲くと、今年も梅雨に入ってしまったんだな、と思う。
6月13日夕方。神奈川県。およそ5000m〜1万mの高さに表れる巻雲と飛行機雲。
6月16日。神奈川県。正午頃、東京上空に恐ろしい積乱雲が見えました。カレーを盛る前のご飯のようでもあります。iPhoneで撮って無理やり拡大すると、水彩画のような効果が出ますね。
6月24日。神奈川県。中層の、ぼんやりした雲が焼けると、空の半分くらいが赤くなります。
6月30日。神奈川県。蒸し暑い南風とともに海から運ばれてきた、タダナラヌ雲。この写真、モノクロではありません。

という具合。ひと言に空や雲といっても、多様な色、カタチがあることがわかります。

南関東の梅雨明けは、7月10日だったと思う。

何かと慎重なお役所、気象庁の発表によると、今年の南関東の梅雨明けは7月20日を過ぎていた。でもね、明らかに、7月10日を境に空の色が変わったのですよ。

7月3日朝焼け。神奈川県。水族館のような高層の雲。魚もいれば火星人もいます。
7月7日夕方。七夕の雲。天の川は見えないけれど、季節外れのうろこ雲が現れました。
7月10日。この日、僕は勝手に梅雨明けを宣言しました。
7月16日。京都。祇園祭の宵山だけ見て帰る。

この時の話は、こちらで。

7月17日。朝11時で、神奈川県中央部の気温は36.2℃とのことだった。洗濯ものが30分で乾きました。
7月19日。神奈川県。空いっぱいの夕焼け。
僕はこの人の絵が好きで、真似してみたいとは言え自分に絵ゴコロがあるとも思えず、写真だったらどうかな、ということで、最初のカメラを買ったのですよ。文庫本サイズの画集を見つけたので、即購入。 『ちいさな美術館 小野竹喬』青幻舎/刊
7月24日。夕方。丹沢の上に現れた、細長〜い雲。飛行機雲ではないのです。
7月31日夕方。神奈川県。空いっぱいに現れた巻雲たち。

そして8月は、例年ほど旅に出られなかった。

8月に入り、郡上八幡と琵琶湖を回りました。

8月1日。新幹線を降りたら暑かったこと! 駅前のレンタカー屋さんに行く途中。信号で待っている間にも日に焼けました。たしか、岐阜県南部って、最高気温の日本記録を持っていませんでしたっけ。
8月1日。郡上八幡まで来れば、夜は涼しいんだけどね。
8月1日。GJ8Man。曇り空の手前に白い積雲。こういう、白からグレーのグラデーションも良き。

このときの、郡上おどりについてはこちらで。多くの人にご覧いただけたようで、ありがとうございます。

8月3日。郡上から関ヶ原を通って滋賀県長浜市へ。ここまで来る途中、猛烈な雷雨に遭った。雷雲が追いかけてきているようだったので、資料館の見学はやめて先を急いだ。さすが、関ヶ原は風雲急なのです。
到着した長浜市も暑いのなんの。飛行機雲があちこちに現れていましたっけ。
8月4日早朝。長浜市。名刹「大通寺」の境内で見上げた空には魚のような雲が浮かんでいた。前夜にいただいたビワマスが、無事に成仏できたのかもしれない。
8月4日。長浜市。現在改装工事中の謎のビル。長浜タワーの窓にも、青い空と白い雲が映っていました。
8月4日。あまりの暑さにビールが飲みたかったので、レンタカーを早めに返却して、ランチを探しながら新幹線の米原駅前をうろついてみようか、などと思っていたら、この駅前って空き地と駐車場ばかりで途方に暮れました。2時間もの間やることがなく、駅弁屋さんで食事をして、一軒だけあった喫茶店で時間を潰しましたっけ。
8月4日。米原から小田原まで。富士川鉄橋は、富士さまの撮影ポイントですよね。動画で撮りました。

帰るべき場所。旅に出る理由。

この夏は北海道に行こうと思っていたけれど、早くから台風接近の予報が出ていたし、お盆の混雑と重なりそうだったので、早めにキャンセル。
それでも帰るべき故郷がある人は帰る。それはとても、羨ましいことでもあります。首都圏や大都市圏で生まれ育った人の多くは、お盆休みや年末になると、一度は同じことを思うのではないだろうか。自分もどこかに帰りたい。

普段は毎日のように顔を合わせ、仕事をしたり飲みに行ったりしている仲間たちが、短い間とは言え東京を離れる。普段とは違うもうひとつの顔を見せる。これは彼らにとって当たり前のことであり、むしろそれなりに大変なことなのだろう。しかも今年は交通の混乱も加わって大変だったようだけど、それでも思うのですよ、帰るべき場所がある人が羨ましい。だからそういう場所を大切にしてください。

あの賑やかだった東京が静かになり、行きつけの居酒屋を覗こうにも店は閉まっているし、まるで知らない街に来たかのようによそよそしい。
普段はあれほど「休みたい!」と思っているのに、こういう時は、日常の慌ただしさやストレスさえもが、とても愛おしいものに思えてきたりするのです。

8月7日。神奈川県。今年の夏、こういう雲の集団を見た人は多かったはず。
8月7日。この一つひとつの積雲が大きくなり。
やがてこうして空を覆うのだった。
8月8日夕方。神奈川県。巻雲がうつくし。
上の写真の続き(右上)。真ん中の雲は、火の鳥のようでもある。
8月10日。神奈川県。見るからに暑そうな、炭火のような焼けっぷり。
8月10日。神奈川県。積雲の上の方にだけ夕日が当たっている。
8月19日、朝。羽ばたくトンボのような雲が浮かんでいた。カメラがブレているわけではありません。
この写真をトリミングしたんですけどね。
8月23日午後2時頃。神奈川県。ホームセンターの屋上には、こんな凶悪な雲が。
その後、30分間ほど雷雨となり、上がってみるとすっきりサワヤカ。
8月24日早朝。快晴。おはよう富士さま。
8月24日夕方。夏の終わり。逆光の雲がよき。月もなお。
8月27日。茅ヶ崎市。この日は友人のアウトリガーカヌーの進水式でした。空気は少し秋の気配。
晴れれば相変わらずこんな雲。江ノ島さん、ご無沙汰しています。
8月27日。週末だというのに、茅ヶ崎の海はのんびりしていて良いのです。
上の写真にはトンボがたくさん写っています。拡大すると、この通り。

8月31日、3年半ぶりにiPhoneを14proに買い換えました。けっこう遠くまで詳細に撮れますね。力ずくで望遠にしてもこの通り。僕は単焦点主義者。ほかには28mm単焦点のライカQ2しか持っていないので、今後の望遠はこれに任せよう。

丹沢にかかる雲。iPhone14Proを8倍くらいまで拡大してみました。
富士さまだって、この通り。どうにか拡大できる。

さようなら、大好きな8月。来年また、元気で会いましょう。

9月も少し、オマケで入れておきます。

そして9月3日。このように、焼けきらない金色の夕焼けは大好物です。
結局、焼けるんだけどね。

ということで、まだまだ暑い日が続いています。が、これは残暑が長引いているのではなくて、暑い秋がやって来たからだと思っています。
とは言え、いずれ必ず涼しくなる。秋は朝焼けや夕焼けがきれいな季節でもあります。皆さんも、この秋は、一日に何度か空を見上げてみてください。


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