ものづくりを撮る、旅に出た。
作業机を照らす光、ふわりと広がる木の香り、キャンバスに擦れる筆の音。
会いに行くことで感じるものがあります。
写真で伝えられるものに限りはあるけれど、できるかぎりを詰め込んで、シャッターを切る。
旅のはじまり
コロナ禍がはじまり、作家さんを撮影できずに過ごしてきました。
それでも個人的な撮影ならば行けるのでは?と、いろいろと準備をし昨年のはじめ頃にこのような募集をしました。
「交通費をいただければ全国へ撮影に行きます。」
まだ中身の定まっていない中、想像以上の数の募集をいただき、夏頃から活動を開始しました。
これまで東京、愛知、大阪、北海道と7名の作家さんのもとへ撮影へ伺うことができ、どの時間もとても特別なものに…。
少し大げさですが、僕の撮影の旅が始まったのです。
僕の撮りたいものは
この旅を続けながら「僕は何を撮りたいのだろう。」とじっくり考えるいい機会にもなりました。
作家さんにお会いすると、まずはお茶を飲みながら少し雑談します。
「作家活動を始めたのはいつですか?」
「作品のどんなところが好きですか?」
僕は作家さんの作品ももちろん大好きなのですが、それ以上に作品を作ってる作家さんに興味があります。
「休みの日は何をされてますか?」
「ものづくりをしながらどんな音楽を聴きますか?」
「小さい頃はどんな子どもでしたか?」
ついついものづくりから話が脱線してしまうこともしばしば。
それでも作家さんの全てがその作品に注ぎ込まれていると思うと、全く関係ないような話でもどうしても聞きたくなってしまうのです。
そんなお話をしていると、緊張していた作家さんの表情もすこしほぐれてきます。
撮影が終わって写真を取り込み、レタッチを始めると改めて感じることがあります。
僕が撮りたいのは作品だけではありません。
その作品を手がける作家さんという「人」も一緒に撮りたいのです。
僕にしか撮れないもの
最近はリモートやメールでの取材も増え、写真も作家さんに撮影していただくことが多くなっています。
しかしこれでは作家さん自身が写真に写る事ができません。
僕らが発信する写真には作品だけではなく、作家さんも写っていて欲しいです。
素敵な作品だからこそ、その作品を作った人のことを、もっと知って欲しい。
僕の撮影に行く意味はひとつ、ここにあります。
ただきれいに撮影するのであれば、僕よりももっと上手に撮影できるフォトグラファーさんはたくさんいます。
それでも実際に会いに行き、作家さんとお話しながら撮影した写真は、僕にしか撮れないと思っています。
近すぎず、遠すぎず、僕の中でベストな距離感で。
作家さんの魅力を撮り続けたい。
まだまだ旅は始まったばかりです。
来年もたくさんの作家さんに会えますように。
たくさんの人と出会えますように。
たくさんの写真が撮れますように。
どうぞ一緒にお付き合いください。
撮影させていただける作家さんは随時募集しております。
下記の記事を読んでいただき、ぜひご連絡ください。
また、旅には交通費だけでなく、旅費や食費にフィルム代など諸々の経費がかかっております。
旅を続けるためにもしご支援いただける方がいらっしゃれば、サポート欄からぜひよろしくお願いします。
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