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またフィルムの値上げ...。それでも僕はフィルム代80万を払って、撮り続ける。

またフィルムが値上がりしました。

僕がフィルムを使って撮影するようになって3年ほど。

この間にじわりじわりと、値上がりは続けられてきたのですが、ここにきてKodakのフィルムが年始に大幅に値上がりしたのです。

僕は普段Kodakフィルムをメインに使っているので、今回の値上がりは正直痛い…。

このまま値上げが続いたら、撮影自体の回数を減らしたり、完全にデジタルへ移行しなくてはいけないかもしれない。

そんな不安を抱えつつも、今回の値上がり、実はちょっとした希望が見えるものでもあったんです。

自分の気分を上げるためにこの記事を書きたいと思います。

1枚撮影するのに150円以上かかるフィルム

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昨年使用したフィルム代を計算してみてゾッとした。
約80万円をフィルムと現像代に費やしていたのです。

フィルムは個人的な撮影の時にメインで使用しているのですが、
仕事で使用した分や、有償で撮影した分を含めたとしても、なかなかの金額。

そこに今回の値上げです。

例えばメインで使用している中判フィルムの「kodak portra400」 というフィルムはヨドバシの価格表だと5本入り7,140円が9,400円と、約30%ほど値上がりしたそう。

僕の使用しているカメラだと1本16枚撮影できるので、1枚約150円。

1回シャッターを押すごとに、150円のお金が飛んでいく…。
なかなかの金額です。

その上、プリントまでしようものなら...(計算はやめておきます 

(ちなみにフィルムはAmazonだともう少し安く手に入ります。
https://amzn.to/3cqtDYf

それでもフィルムをやめられない

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僕は普段、「人」を撮影するときにフィルムを使用しています。
いわゆるポートレートってやつ。

フィルムの色味や、なんとも言えない雰囲気が好きです。
そしてフィルムは撮影中、その場ですぐには確認できません。
だからこそ被写体に集中しながら撮影できるのが、僕の撮影スタイルとしてはしっくりきています。

また、今のデジタルカメラだときっと映らなかったであろうブレや飛びといった現象に、被写体の思わぬ表情が合わさったとき、胸の高鳴るような写真ができあがったりします。

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1本の撮影枚数は、35mmだと約36枚。中判だと約12枚。

夢中でシャッターを切って、一気にフィルム1本使い切ってしまう瞬間があります。
僕がすごく幸せだなと感じる時です。
そんな時は値段のことなんて一切考えてないです。

だからフィルムをやめられない。

そんなフィルムの魅力にとりつかれている人は、きっとたくさんいるのだと思います。

希望が持てる、フィルムの需要増

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お財布事情としては、痛い値上げですが、
実は今回の値上げ、今までと少し違って「希望」が持てるのです!

Kodakは値上げの理由を「原材料の高騰と、生産能力を強化するための投資」とあげているのです。

なんとフィルムの需要は実はここ数年増えていたのです。

たしかに僕も「フィルムを始めたいけれど何から始めればいい?」とSNSで聞かれることが増えました。

僕のようにフィルムカメラを始める人が増えているのだという実感があります。

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また映画でもkodakのフィルムは大活躍中らしいという情報を知りました。
コダック映画用フィルム」というツイッターアカウントが明らかにしています。
抜粋すると

・35mm用の映画フィルムの2019年販売量は、2014年シーズンと比較して+232%。
・65mm撮影用フィルムの2019年販売量は2015年に対して+500%。
・2020年米国アカデミー賞の作品賞および撮影賞ノミネート作品のおよそ半数はフィルムで撮影された作品。

他にも、2020年に公開された映画だと『TENETテネット』や『ワンダーウーマン1984』、『ストーリー・オブ・マイライフわたしの若草物語』なんかもフィルムで撮影された作品とのこと。

また日本だと、auの三太郎シリーズやカロリーメイト、資生堂の「エリクシール」のCM、米津玄氏の『カナリヤ』MVなどさまざまな映像にフィルムが使われていて、需要が増えていることが分かります。

写真用のフィルムと映像用のフィルムで、直接的な影響があるのか詳しくは分からないのですが、原材料の高騰や供給の安定にはなんらかの影響があるんだろうなぁと感じます。

とすると、フィルム文化を残すという視点で見れば今回の値上げ、喜ぶべきニュースなのかもしれません。

それでも生産終了するフィルムも

そんな喜ばしいとも言えるお知らせの後、悲しいお知らせも届きました。

富士フィルム社製のPRO400Hというフィルムが生産終了となってしまうというのです。


プロアマチュア問わず、富士フィルムの中でも非常に人気のPRO400Hが無くなってしまうニュースは驚きです。
いろいろ事情があるのでしょうが、国内のブランドからまたひとつフィルムが消えてしまうのが悲しいです...。

フィルム文化は今後も続くかもしれませんが、生産されるフィルムの種類は絞られたり、値上げしたりが繰り返されていくのでしょう。

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1本買うのに1,000円以上するフィルム。
この価格が若い人のフィルムを使う障壁になって、新しいユーザーを獲得する機会損失にならなければいいのですが…。

僕もお財布事情は厳しいですが、それでもフィルムを使い続けたいと思います…!

そして、ぜひフィルムのお仕事をください!!!(もちろんデジタルのお仕事も...)
ぜひ、ご相談お待ちしております。

ポートフォリオ:https://www.hideyukisanada.com/
インスタグラム:https://www.instagram.com/snd_noko/

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