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#17 NETFLIX「神様、ありがとう」

おはようございます。最近家の近くに量り売りのドライフルーツ店ができてから週5で通ってるすなっちゃんです。シンプルに美味い。

最近は市場の見通しばかりの記事になってしまっていたので久々に前みたいな記事を書いてみようと思います。こういった記事は今のところ週1にする予定です。週2にしてほしい!とか別の内容の記事も見たい!とかありましたらお気軽にコメントかツイッターのDMにお願いします!

さて、今回お話しするテーマはNETFLIXの先週発表された決算とCEOのインタビューについてです。

それではいきましょう。



先週の火曜日、ネットフリックスの株価は市場後に14%ほど上昇しました。好材料となった決算による一時的な急騰ともいえますが、ここ最近のネットフリックスの壊滅的な決算を考えれば投資家にとっては好材料となったのではないかと思います。

発表によると、今期は有料会員数がなんと240万人ほど増加、これは、会員数を100万人増としていたNetflixの7月の予測を上回っています。

今回の決算に対してネットフリックスのCEOであるリード・ヘイスティングスは決算の電話会議でこう発言しています。

神様、ありがとう。これで今までのようなひどかった四半期決算は終わりだ。



ネットフリックスの第4四半期の予測もアナリスト予測を上回っており、アナリスト予測は420万人増であるのに対し、ネットフリックスは450万人増を見込んでいます。

この予想に対してのヘイスティングス氏の発言は、

今回の決算の結果と第4四半期の予想は素晴らしいとは決して言えないが、妥当な結果と予想ではある。

確かに今回の450万人増という予想は、過去のネットフリックスを見ると非常に妥当というか、現実的だなという感じはあります。過去5年間の第4四半期の有料会員数増加の平均は820万人です。ヘイスティングス氏によると、ネットフリックスは前のような成長スピードに戻るには少し時間がかかる可能性があるとのことです。

そして今回最も興味深かったのは、ネットフリックスが今後有料会員数の増加予想しないと株主への手紙の中で発表したことです。

2023年1月に発表する2022年第4四半期決算では、収益、営業利益、営業利益率、純利益、EPS、発行済みの完全希薄化後株式などは発表する予定だが、もう有料会員数については発表するつもりはない。

これは他の企業がやってきたことと非常に似てるなと思いました。例えばアップルは、数年前にアイフォンの売上数量の発表をやめています。

ヘイスティングス氏とネットフリックスチームによると、これからは売上の成長率に重きを置くそうです。

ちなみに第3四半期の(前年同期比)売上成長率はわずか6%増。これは2021年度末の16%増に比べるとかなり見劣りします。為替市場が原因ですね。詳しく言うと、ネットフリックスの売り上げの60%はアメリカ以外からもたらされているんですが、経費のほとんどはドル建てなのです。ネットフリックスのアメリカでの会員数は、第2四半期現在約7328万人。ヨーロッパ・中東地域の会員数も7297万人とほぼ同等。そこで起きた「ユーロ安」は、同社の収益に大きな影響を与えたのです。

ヘイスティングス氏のネットフリックスチームは、この成長率は次の月から開始する広告ありの有料プランで巻き返せると予想しています。このプランはアメリカでは$6.99、登録者は1時間に一回5分ほどの広告が流れる仕組みです。ヘイスティングス氏とCOOであるグレッグ・ピーターズ氏は、今会社はユーザーにハイクオリティのサービスを体験してもらえるように、どれだけ広告を入れるかを何度も調整しているそうです。

ピーターズ氏はYOUTUBEのインタビューでこう発言していました。

もし今の通常の有料プランに加入している方が広告ありのプランに変えたとしても、収益と利益は莫大になると予想している。

他にネットフリックスが発表した大きなことといえば、やはりPaid Sharingでしょう。Paid Sharingはアカウントを共有して不正にコンテンツを視聴するユーザーに料金を支払わせるための機能で、NETFLIXは家族以外とアカウントを共有しているユーザーが、簡単かつ安全にアカウント共有に参加できるようなオプションを作成しました。このサービスははたしてユーザーに受け入れられるのでしょうか。


ネットフリックスはたしかにここ10年でIPもライブラリも急激なスピードで増加させ、ほかの競合が100年たってもできないようなことを10年で成し遂げました。成功以外の何物でもありません。しかしその10年は置いといて、ウォール街が成功しているかしていないかを判断する基準は登録者数の増減です。ただネットフリックスが会員者数を隠すと決めた今、投資家が次に判断基準に置くのは一体何なんでしょう?

それはおそらく、広告つきプランがどれだけ売上高成長率を上昇させるのに貢献しているかと、フリーキャッシュフロー(FCF)です。

例えばネットフリックスがコンテンツ費に費やしている170億ドルで考えてみます。コンテンツ費に170億ドルを費やすと、おそらく約10億ドルほどがFCFとなります。FCFマージンで考えると3%です。そして次年度は約20億ドル、FCFマージンでは6%となります。

投資している金額に比べると大きな利益ではありませんが、これから現金を多く保有するかもしれないことを考えるとネットフリックスの株を保有している長期投資家にとっては会員数を隠すことは好材料なのかもしれません。


インタビューで言っていたのですが、ヘイスティングス氏が一番心配しているのは、リニアTVが絶滅しようとしていることだそうです。これはディズニーの取締役会長兼会長であるボブ・アイガーが言っていた言葉とほぼ一緒です。今ではストリーミングコンテンツの視聴時間がテレビで放送される番組やケーブルテレビの視聴時間を合わせた時間を上回っていることに懸念を抱いているとのことです。

「ストリーミングをテレビで視聴できる」というインターネット上での売り文句が人々をリニアTVからストリーミングコンテンツ側に引っ張っているとヘイスティングス氏は発言しています。

最後にインタビュー内でヘイスティングス氏が言って私がかっこいいなと思った言葉を書いておきます。

より良いコンテンツを低価格で提供するためにさらに競争は激しくなるだろう。私たちは次のフェーズに行く準備はできた。とてもワクワクしているよ。人の闘争本能ってやつだね。どこの誰にも負けない自信はある。


まとめ

さて、今回は先週発表された決算とヘイスティングス氏のインタビューの発言を交えながらネットフリックスの今後についてお話していきました。

上半期のかつてない規模の減少から一転し、予想を上回る力強い回復を見せたネットフリックスに投資家が盛り上がったため記事にさせていただきましたが、どうでしたでしょうか?結構投資家やアナリストは意見が分かれていたので次の決算も盛り上がるのではないかなと思います。

一度負けたネットフリックスの回復に期待しましょう。

ホームアローンを観れるようにしてくれたら株価急騰すると思うんだけどな。

今回はここまでです。またなにか取り上げてほしい話題や企業がありましたら気軽におっしゃってください。

ありがとうございました。




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